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【試合感想文】 3/17楽天5-3ロッテ:風速16mのマリンで内星龍がみせたポテンシャル
春の嵐、投打かみ合った今江楽天
風速最大16mが吹き荒れた春の幕張。
風に流された二飛を小深田大翔が落球エラーすると、清宮虎多朗は突風で飛んだ帽子を顔面で受け止めてパクッとするシーンも(←これ清宮のスレッズに画像付きで投稿があります)。
波乱含みの3時間30分のなか、今江楽天が投打かみ合い、先行逃げ切りで勝利を収めた。
ロッテの先発は佐々木朗希。MLB行きを掲げて越年交渉でゴタゴタした令和の怪物を相手に初回先制の4点劇は、素晴らしかった。
異例の強風を考慮したのか、今江敏晃監督の「きょうは参考にならないかな」という談話も報道に載っていたが、いやいや、なんのその。
シーズン中、相手先発が四苦八苦するなか、拙攻に拙攻を重ねてのらりくらりやられたり、立ち直りのきっかけを与えてしまったり、といったケースがよくある楽天である。
その点では、相手が本調子ではなくても、こうしてしっかり攻略できたことは、シーズンへ向けて明るい材料になったはずだ。
自滅しなかったイヌワシ投手陣
投げては先発・内星龍が6安打2四球(WHIPにして1.60)を許しながらも5回を1失点。粘りの好投で最少失点に抑えて、開幕カード3戦目3/31(日)の先発を引き寄せた。
その後の松田啄磨、酒居知史、清宮虎多朗も良かった。
松田は回をまたいだ7回に2点を失ったが、ストライク率71.9%と上々で空振りも見逃しストライクも多く獲得できていた。それにリリーフ3人はあの強風下で四死球ゼロ、内を入れても2個に抑えたのだ。
マリンを本拠地にする風使いの相手投手陣が6個出したことを考えると、楽天投手陣は自ら崩れることなくゾーン勝負できていた。
これでチーム成績は実戦7勝10敗2分、ただいま3連勝中のオープン戦は12試合7勝4敗1分で3位浮上。
オープン戦のチーム打率.276はオリックスと並んで12球団1位タイ、チーム防御率2.27は単独1位である。
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楽天=1番・茂木(一)、2番・小深田(二)、3番・小郷(右)、4番・浅村(三)、5番・島内(左)、6番・村林(遊)、7番・鈴木大(指)、8番・太田(捕)、9番・辰己(中)、先発・内(右投)
ロッテ=1番・岡(中)、2番・友杉(遊)、3番・ソト(指)、4番・山口(右)、5番・ポランコ(左)、6番・中村奨(三)、7番・安田(一)、8番・田村(捕)、9番・池田(二)、先発・佐々木朗(右投)
初回4点先制劇は、各人の素晴らしい仕事の結集によるもの
初回は各人がなすべきことをしっかり遂行した結果の4点劇になった。
初回先頭打者安打を弾き返した1番・茂木栄五郎は、高めの失投を逃さず。
0-2と追い込まれていたが、勝負球のフォークがふわっと甘く浮いて滞留したところを仕留めた。ミートに徹して打撃の基本センターに返していったのも、良かった。
続く2番・小深田大翔のツーベースも、この人ならではだ。
ボール先行2-0と打者有利だったため、真っ直ぐ1本で狙いを絞りに絞って弾き返したのだろう。
ファストボールに強い特性を活かした153キロ撃ちの一撃は、右中間深部に着弾してワンバンで柵越えするエンタイトルツーベースになった。
無死3,2塁となり、3番には帰ってきた小郷裕哉が入った。
おごちゃんが粘りに粘って、フルカウント8球勝負で四球をもぎ取ったのも大きかった。ともすれば空振りしていてもおかしくない佐々木朗のフォークを2度ファウルで逃れたシーンは見どころだった。
無死満塁、4番・浅村栄斗は155キロに詰まらされ、6-4-3の併殺崩れ。この間に三走が生還してイーグルスが1点を先制し、なおも1死3,1塁、打席に島内宏明を迎えたところが、あさむーの真骨頂だった。
島内の3球目だった。
0-2からの低めフォークがワンバン。
これを捕手・田村龍弘が前に落として止めた。
普通の走者ではとてもじゃないが次塁は狙えないシーン。
しかし、わずかなスキを逃さず、2塁を陥れた主砲の好走塁が光った。
解説席に座ったG.G.佐藤さんも絶賛。佐藤氏が興味深いエピソードを披露してくれた。
「浅村選手、ああいうワンバウンド行くのすっごい上手いんですよね。ライオンズのときからあれだけは大得意だと言っていたので。ファーストランナーのときから角度を見ているんですよね。普通のランナーなら行けないでしょ。キャッチャーがしっかり前に止めているんで。でもワンバンになりそうな瞬間にスタート切れるんで、そこすっごい見ていると言ってましたね。ある程度(ワンバン)なるのわかるじゃないですか、横から見えるじゃないですか角度で。フォークが来そうなカウントもわかると思うので、だから常に狙っているとライオンズのときから言ってましたね」
3塁に俊足の小深田がいるから、コブの本塁突入を警戒して2塁へ投げてこないという状況判断もあったと思われる。
その後の島内宏明、鈴木大地による連続タイムリーツーベースも同様だ。
島内については3/13試合評で「開幕をみすえてピーキングを考慮し、あえてペースダウンしているようにも感じる」と書いたが、ここへきてグッとふたたびギアを入れてきたように感じる。本人も「バットに当たるという感覚が今ある。力が入るパワーポジションができている」というコメントを残している。
155キロ撃ち先制二塁打を含む2安打で、これで6試合連続安打。その3/13から出場3試合連続複数安打としてくれた。
鈴木大地はさすがの古巣キラー、今年も健在と言えそうだ。
マリン風速10m以上でゲームメイクは難しい
2022年4/26マリン、風速19mのなか、田中将大が7回3安打1失点のHQSと好投したあの試合で、調べてみたことがある。
マリンで風速10m以上の強風が吹いた試合、楽天先発投手の出来はどうだったのか?だ。2017年まで遡って手元の集計を調べてみたところ、昨年終了時までに当該ケースは8回あった。
2023年は6/30風速14mで則本昂大6回途中4失点、7/1風速11mで辛島航4回6失点だった。
その当該8回中、QSを記録したのは前述の田中マー君のときだけ。
だから、それだけあの独特の強風下でゲームメイクするのは難しい作業になるわけだ。
この日の内は5回1失点とQSをクリアしたわけではないが、それでもQSに準じるゲームメイクをしてのけたのは・・・(続く)
...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2024』でどうぞ。
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