【試合観戦記】 3/31西武3-4x楽天:驚異のOPS10割超、小深田大翔「四方よし」のサヨナラ犠飛
敵の秘密兵器を攻略する劇的勝利!
3-3の同点で迎えた延長11回裏、登板したライオンズ7人目の投手は糸川亮太だった。
25歳のオールドルーキーだ。愛媛の無名県立高から立正大、ENEOSを経てプロ入り。社会人卒3年目に西武の編成を務める塩崎哲也に人を介して教えを請う機会があり、あの魔球を習得。その結果シンカーだけで3種類ほどの投げ分けもできるほどの技量に成長し、縁もつながって昨秋ドラフトで西武から7位指名を受けた「隠し玉」だった。
170cmと上背に乏しいものの、最速150キロの速球とシンカーを主に操り、キレで勝負するタイプだ。
ソフトバンクとのオープン戦では近藤健介、ウォーカー、中村晃を三者連続三振に退ける快投を披露。首脳陣の評価を上げると、新人ながら開幕1軍切符を勝ち取っていた。
しかしながら、プロ初登板となった11回裏、糸川をプロへと導き、オープン戦では48.4%と多投した看板球シンカーが機能しない。
楽天の先頭は8番・石原彪。初球、2球目、4球目、ストライクゾーンを外れて四球になった結果球7球目に投じたシンカーは、ことごとく高めに抜ける制球不如意に。プロ初登板で緊張したのか、磨いてきた魔球は糸が切れた凧のようだった。
石原も──ベンチから待てのサインが出ていたかもしれないが──無理にがっつかず、冷静な待球姿勢で臨んだところも良かった。
この日、犠打+3タコの4打席は全て3球目以内に決着がついていた。正直、自軍の士気を下げかねない、淡泊すぎる打席が目立っていた。
この場面でも2-0から、3-1から打って「あーあ...」に終わってもおかしくないところ・・・(続く)
ここから先は
2,418字
/
2画像
¥ 100
読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。