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怪談を摂取する生き方

ここ数年ブームと言っても過言では無い怪談ですが、私は親の影響もあり不思議な話や怖い話が大好きな子供でした。

私自身もいくつか体験談を持っているのですが、そんな私が若い頃ハマったのが「怪談新耳袋」です。

サクサクと読みやすい短いお話が詰まった実話怪談です。
短いのに深淵を覗き見ている様な不安感や恐怖に襲われ、あまりに身を乗り出すと背中を押されて自分が話の中の一人になってしまうのではないかとゾクゾクしながら読み耽っていました。

そんな時、毎月買っていた雑誌に携帯サイト版新耳袋の広告を見つけたのです。
これは入るしかないと思い月額料金を確認してすぐ入会しました。

サイト内容は新耳袋が読めたり、グッズを買えたり、お化けや妖怪の画像を集め自分のトップ画像としてコラージュすることが出来るSNSでした。

自分のブログを投稿することも出来たので、まず他の人がどんなことを書いているのか見て周りました。

私も恐る恐る自分の恐怖体験から何気ない日常の話など書き始めました。

その後、サイト内の気の合う数人とやり取りする様になりかなり仲も深まった頃初めてオフ会というものに誘われたのです。

その頃はまだ若い女子でしたしネットでしかやり取りしたことの無い人達に会いに行っていいものかと不安はありましたが、好奇心に負けその一歩を踏み出しました。

夜の新宿東口、大人の男性でも身構える歌舞伎町近辺が怪談好き達の集う場所でもありました。

待ち合わせ場所に行くと和気藹々と話す男女数名の姿が見えました。

一度近くを通り過ぎて話し声がギリギリ聞こえる辺りで立ち止まり携帯を確認(心臓バクバク)。

微かに聞こえる声の中に知ってる名前がいくつかあったので思い切って近付いて話し掛けました。

「初めまして!!私が今回の幹事の◯◯です。ごまかしうさぎさんがすぐ分かって良かった」


個性派揃いではあるものの皆さん気さくで新参者にも優しい人ばかりですぐ打ち解けられました。

そして、そこで「新耳袋のトークライブあるけど行ってみない?」という囁きと共に優しく手を引かれ怪談沼にズブズブと沈んで行く私がいたのでした。

この怪談繋がりで後の夫とも出会うのですが、それはまた今度。

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