灼熱の小牧山城1

広島で平和記念式典が開かれる日といえば蝉がシャンシャン鳴く中、総理大臣が平和への誓いを朗読する夏真っ盛りを想像する。私は夏の岐阜旅行で犬山市にいた。

「まさか明治村がこの夏休みのかき入れ時に休みなんてことないですよね」

スマホでHPをみると今日と明日の二日間休館日になっていた。宿泊先のホテルから木曽川沿いに朝散歩した際に気になった、日本庭園 有楽苑にチェックアウト後、車で来た。一通り庭園を散策した後、お土産に便箋を購入した。受付の女性にも確認してみる。親切にも彼女は自分のスマホで確かめてくれた。「本当ですね。休みですねこんなこともあるんですね」地元の彼女も驚いていたが休みなのだろう。この日本庭園 有楽苑も明治村も名古屋鉄道が運営しているという。庭園の年配のガイドも「明治村クビになってこっちに来たんですよ」と、冗談とも本当とも取れる様なことを言っていた。名鉄を引退した人の受け皿になっているのだろうか、それとも警察や自衛隊のOBはたまた元教員だろうか。80歳と言っていた。コネづたいの再就職だろうか。歴史好きのボランテイアか。犬山城下町は面白い。地は江戸情緒あふれる町並み、空は轟音の航空機が空を飛び交うミスマッチがなんともシュールだ。いやこれが今の現実だ。

「まいったなあやっぱり休みなんですね」一日中明治村で過ごそうと思っていたので拍子抜けした。おすすめの観光地ありますかね。小牧山城も行ってみたいし岐阜城も行ってみたい。犬山城の天守閣でガイドさんが勧めてくれたんです」「お城めぐり好きなんですか」「いやいや当てもなく岐阜旅行に来たんです。城が好きというわけではないんですけど、両方行きたいですね」「岐阜城と小牧城は反対側になりますね」と2箇所行くのは大変ですよと暗にアドバイスをくれたが、車に乗り込みナビでみると小牧城は割と近い。これならば両方行こうとまずは小牧城に向かった。だが彼女のアドバイス通り、どちらかにすればよかったと後悔することになる。それは小牧城に着いた時の異様な暑さの中、寝不足のまま登城を決行したのが原因だったのかもしれない。続く

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