金華山岐阜城2

岐阜公園総合案内所で資料を集めたかったが時間が迫っていた。急足でロープウェイに向かう。チラチラ観光客が乗車待ちをしていた。午後4時すぎ、何とか滑り込むようにロープウェイに乗った。昔のエレベーターガールのようなガイドさんがマイクで案内している。外国人観光客の姿もある。ロープウェイのガラス窓には日本遺産のシール、纏を模したようなロゴ、日の丸の下にJapanHeritageのお馴染みのマークが貼ってある。第一号と書いてあるが・・・。

降りしなガイドさんに「何年に認定されたんですか」と訊くと、首を傾げていた。
山頂駅で年配の係員にも訊いたが、興味すらないような返答だった。仕方なくネットを見ると10をこえる地域がある。2015年の同時期に10ヶ所以上認定されている。「なんだ、第一号ってここ以外にもたくさんあるのか」と、少し興醒めした。

山頂駅を降りると西洋人の親子連れが写真を撮っている。右手の門をくぐると天守閣だが、まずは左手の展望レストランの階段を上がった。ここで息を呑むような絶景に気持ちが昂った。大パノラマだ。岐阜の町が一望できる。長良川が西日を浴び、ところどころ銀色に光り輝いている。反対側に回ると木曽川も一望できる。遠く東に見えるのは犬山城だろう。展望レストランではバーベキューの用意をするためだろうか店員が会話しながら準備をしている。もうこの絶景は見慣れた風景か。

階段を降り右の山道を登っていく巨大なチャートの痕跡を見た。斜めに縞模様を作っている岩肌が迫り出している。近くで見ると迫力がある。それにしてもこんな岩石があるところに城を構えるなんて。普請に駆り出された人の苦労はいかばかりか。さらに、標高公称329mのこの城を織田信長はどうやって陥落させたのだろうか。

つづく

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