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知識は、実践、実行を通じて生きてくる!

つい目がいって仏門をくぐったお坊さんの書いた本を手にすることがある。数日前に立ち寄った本屋で、やはり目が留まって、読み始めた本につぎのようなくだりがあった。

お坊さんの示唆に富む話

職業柄、よく法話をします。説教っぽくならないよう、できるだけ現実的な話をします。聞いている方は、多くが「うんうん」とうなずいています。法話が終わった頃には、「いい話だったね」などと言いながらお帰りになるのですが、法話の内容を実行する人は、そう多くはありません。良いお話も聞いただけではダメですよ、実行しないとね、と言っても、多くの方が「そうですね」と返事をしつつ、日常に戻っていくのです。

「感情に折り合いをつける仏教の言葉」鳥沢廣栄

世の中には、啓発セミナーがたくさん開かれています。また、自己啓発本などもたくさん出版されています。そこで説かれる内容に、感化される方もいるでしょう。しかし、実践となると、これがなかなか難しくなるのです。はじめは気合が入っているせいか、頑張れるのですが、そのうちにだんだん元に戻っていくのです。…身体に良いことも、心に良いことも、それを実行しなければ意味のないことになってしまうのです。知識は、実践、実行を通じて生きてきます。

「感情に折り合いをつける仏教の言葉」鳥沢廣栄

このことは、窮する学校現場の働き方改革を考えた時に立ち返ってみる示唆に富んだ話ではないかと感じます。教育関係者のとって、働き方改革や業務改善について有益な講演や話を聞く機会は、それなりにあるでしょう。

さて、ここで立ち止まって考えて、そうした有益な話を実際の職場で実行しているか、生かしているかを見つめみることは大事なことだと思います。

学校を見つめてみる 

例えば、令和4年から推奨されていた教科担任制。

文部科学省のHPにあるように令和4年度から、教科担任制の推進に必要な教職員の加配定数を措置(といっても成り手が不足し、欠員が生じているのが実態なので決して額面通りではありません😩)しており、4年程度をかけて段階的に取組を推進することとされていました。教科担任制を小学校教育の活性化に繋げるよう好事例について、「小学校高学年における教科担任制に関する事例集~小学校教育の活性化に繋げるために~」という資料も作成しています。

こうした流れは数年前から示されていましたので、教育行政、現場を預かる学校長も良く知るところだったと思います。

しかし、現実には、さまざまな課題があり容易に手を出せないと慎重になることは分かるものの案外と推進されない実態も目にしてきました。人員が足りないというのが大きな理由だと思いますが、人事配置上、要件を備えていても実行されない例も数多くあります。

大きなシステム変更には、功罪合い半ばすることはやむを得ません。
そのメリット、デメリットのどこに目を向けて取り組むのかどうか、どこまでやるのかについては慎重に議論する必要はあります。

現在の課題が山積する学校現場において「教科担任制」はその目の向け方で、働き方改革、業務改善、学校のシステム改善、学校組織対応、若手育成…などなど多くのメリットがあることも事実です。

そう捉えてくるともう少し前向きにシステムを変えて、「教科担任制」を取り入れてみても良いと思えますが、実際にはそうでもありません。人員配置的にチャレンジできる素地があるのに、なぜやらないのだろうと不思議に思うことがしばしばありました。
(今でもその傾向は変わらないと思います。)
より良い明日を築くために実践、実行していくことは何よりも大事だと思います。知識や情報として改善が期待できることでやれていないことはないのか再点検をしてみてはどうでしょうか。

●教わった有益な手立てを講じられているでしょうか?
●実行してみようとアクションを起こしているでしょうか?

なんでもかんでも、即実行というわけにはいきません。
しかし、そうした姿勢を持ち続けなければ、物事は動きません。そして、このような目線は、管理職のみならず、全教職員が共有し現場の実態を観察することで、働き方改革、業務改善の芽🌱育ってくると考えています。


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