好きな歌詞表現と自己解釈(2024.9.4更新)
※随時更新
※個人の解釈/感想を多分に含みます
月夜見海月
海・海月というモチーフがまず良い。情景が綺麗。
(アイドルという煌びやかな世界にも重なる情景描写。)
それでいて「努力と決意」のメッセージが良い。
何者かに成りたい、でも成れない。そんな狭間の葛藤を「苦しさは 諦めていない 決意の証だ」と肯定してくれる。ここが何よりも好き。
曲中において海月の願いが叶ったかどうかは明言されていない。
いないが、最後の「届け私の歌」が聞き手に届いたことによって、少なくともこの曲では、聞き手にとって海月はかけがえのない存在になる。
例え、美しい鰭がなくても、鱗の花弁のドレスがなくても、海月として藻掻くことで何者かになれるということを伝えてくれている。
この曲そのものが「努力と決意」に対する「救い」になっている。
目標に向かう努力を、海月というモチーフによって「泳ぐ」という動作で表現されている。ユニークであると同時に、人の日々の営みとかなり重なる表現だ。
水中から見上げた彼方にある月と海月の言葉遊びも良い。(2024.9.4)
絶対アイドル辞めないで
アイドルがアイドルを応援する側の心情を歌う構造がすごい。
「絶対アイドル辞めないで(ずっと)」の「ずっと」が重すぎる感情を中和しポップスとして成立させているキーワードだと感じた。(無いと激重オタク感情すぎる)
また、「ずっと」と必ず叶わない願いを歌うことで、この曲を歌っている瞬間の価値が上がるようになっている。無限を願うことで、有限の価値を明確にし、それをポップな曲にラッピングして届ける。天才か?
あと、「誰もが考えている感情」かつ「言葉にしない感情」を抜き出しているのがすごい。
(アイドルを星に例えているが、推しの語感も意識していたりするのだろうか?考えすぎ?)(2024.6.26)
Campus mode!!
どこまでも真っ直ぐ前に進む意思を感じる歌詞が好き。まるで、手を取って前に引っ張ってくれるみたい。
頑張るための理由が「人生は一度きりなんだ」と明瞭なのも好き。ともすれば忘れがちな事実を言葉にしてくれることに価値がある。
人生に対する前向きな気持ちを「Campus mode」という言葉で定義してキャッチーかつ強い軸にしているのが勉強になる。「曲名」=「メッセージ」になっているので、タイトルコールの瞬間に曲から受け取った感情が思い浮かぶ。
新規作品ということで、単体で過去からの積み重ねは無いが、シリーズのこれまでの歩みを振り返ることで、進む方向を示している。
(『順風満帆 やだ! それならスカートの裾に注意!』はマスターつながりで「めざせポケモンマスター」のオマージュ?歌っている意思に共通点を感じる。)
(2024.6.10)
MY STARWAY
「これから」の自分が「これまで」の自分を励ます歌詞。
一見すると立場が逆(これまで→これからを鼓舞する)ではないかと思うが、「これまでの自分の頑張り」を認めることにより、この先も揺るぎない強い柱を聞き手に与えてくれる。
久しぶりに公開されたシリーズ作品の主題歌ということもあり、冒頭の歌詞だけを抜き出すと「聞き手↔キャラクター」に対する言葉のように解釈できるが、フル尺で聴くことにより「聞き手→聞き手」への応援歌へと視点が切り替わる。これが、映画の最後の見せ場で流れることで、作品の持つメッセージがより鮮明に視聴者に刻まれることになる。(訳:良すぎる)
ラストのメロディが別の曲(SHINING LINE*)から引用されているが、対応する歌詞を「私たち」→「私」に置き換えることで、これまで作品が寄り添ってきた状態から、視聴者が独り立ちするようにと、そっと送り出してくれている。(2024.5.28)
アイカツメロディ
「夢」について形容する際、ただ「好き」や「憧れ」で片付けるのでなく「どんななに失敗したって諦めきれる夢じゃないよ」と意思の強さを伴って表現するのが良い。その後に「だから怖れず踏み出せる」とその先まで見せてくるのが格好よすぎる。(2024.5.28)
AIKATSU GENERATION
勇気を出して新しい世界に飛び込んだ人の応援歌としてオチサビが刺さる。人間誰しも頑張りすぎたとき、なぜ頑張り始めたのか見失うことがあるかと思うが、そんなときにそっと寄り添ってくれる。(2024.5.28)
Snow halation
芽生えたばかりの熱い「初期衝動」と冷たい「雪」を重ねた対比が綺麗。
『微熱の中 ためらってもダメだね』は、「雪は些細なことで溶けてしまう」=「初期衝動が失われてしまう」ことを表しており、初期衝動の繊細さを表す比喩として格別だと思う。天才。(2024.5.21)