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『e-とぴあ・かがわ 春の文化祭2022』宇宙とVR、最新技術に触れる2つの講演会レポート

こんにちは、e-とぴあ・かがわ広報スタッフです。毎年春休みに開催しているe-とぴあ・かがわのイベント、2022年はリアル×オンラインのハイブリッド型イベントで、宇宙開発やVRをテーマにした講演、プログラミング体験やワークショップなどIT体験を楽しめる企画盛りだくさんでお送りしました。今回は期間中に開講された2つの講演会の様子をレポートします。

特別講演①『宇宙への挑戦~宇宙飛行士の壮絶なドラマとミッション~』

特別講演『宇宙への挑戦~宇宙飛行士の壮絶なドラマとミッション~』では、佐賀県立宇宙科学館 (ゆめぎんが)館長の渡辺 勝巳氏を講師としてお迎えし、宇宙飛行士の挑戦の歴史と今を語っていただきました。渡辺さんご自身も50年間 JAXAに所属、所属当時の思い出や最先端を行く宇宙飛行士の等身大のエピソードも交えたお話は、参加者のみなさん興味深く聞いていました。

 新たなビジネス分野として近年注目されている宇宙開発技術。最近では民間人が宇宙に行くことも日常になりつつあります。そんな近代科学に多大な発展をもたらした宇宙技術の裏には、米ソ冷戦の宇宙開発戦争から始まる、宇宙飛行士たちの挑戦と犠牲の歴史がありました。

今からおよそ67年前から始まる宇宙への挑戦は文字通り命がけの挑戦。世界初の「宇宙飛行士」としてソ連衛星スプートニク2号に乗り込んだライカ犬。宇宙船に危険な欠点があるとわかっていながらも、友人の代わりに死を覚悟して乗り込んだ宇宙飛行士のウラジーミル・コマロフ。宇宙船ロケット発射実験に覚悟を決めて乗り込み、命を失ったテストパイロット達など、数々の壮絶なエピソードが語られました。

その後、米ソ共同作業で進められた宇宙計画アポロ・ソユーズテスト計画で、宇宙開発戦争は終わりを迎え、今では宇宙ステーションに各国の宇宙飛行士が集い宇宙開発を協力して行っています。現在では宇宙飛行士は人数や頻度も多くなり、宇宙飛行士は宇宙に行くことを「宇宙に出張に行く」と通称しているそうです。しかし最新技術を持ってしても宇宙に行くにはまだまだ危険が多く、訓練を積んだ宇宙飛行士でも命を落とす危険性は十分にあります。

それでも宇宙に行く理由とはなにか、渡辺さんが宇宙飛行士として挑戦する理由を宇宙飛行士の若田さんに聞いてみたそうです。若田さん曰く「人はミッション無しには生きられない」。人生をかけてでも成し遂げる価値のある使命が宇宙飛行士にはあると語りました。人は何のために生きるのか、宇宙飛行士の挑戦と信念の歴史が心に響く講演会でした。

特別講演②「広がるVR空間:~メタバースの可能性を探る旅~」

もうひとつの特別講演「広がるVR空間:~メタバースの可能性を探る旅~」では今注目を集めている仮想空間「メタバース」VR空間とアバター技術を使ったサービスの今と、今後の展望について解説していただきました。講師の茂出木謙太郎氏はオンラインでご参加、当日は女性のアバターで登場しました。今回の講演だけではなく、今は研修や打ち合わせなど対面の仕事のほとんどをアバターでこなし、素顔よりもアバターで対面する機会のほうが多いそうです。

近年注目されている仮想空間「メタバース」、現実で出来ないことをバーチャル空間で実現し、世界中の人と共有が出来る技術ですが今後どの様に活用されていくのでしょうか。講師は、身体的な特徴を差別せず平等にコミュニティに入ることを実現、自身のクリエイティビティを発揮できる技術、として可能性を感じていると語ります。講師自身が担当する授業でもアバターやVR空間を活用。個人面談などもVR上の空間だと対面よりも落ち着いて話せる側面もあると解説しました。 

仮想現実と表現されがちなVR空間は、実際には「人工現実間」と表現するのが正しく、本質的には現実と同等の環境を、時間と空間を超えた世界で構築する体験が出来る所が魅力であると語りました。

廃墟ファンのコミュニティでは今は訪れることの出来ない廃墟が有志によってVRで再現されているそうで、その空間を使った廃墟ツアーなども行われています。ツアーは現地をよく知る人の解説付きで、実と変わらない体験ができたそうです。今後、VRで旅行するという感覚も身近になるかもしれませんね。

 VR・メタバース空間のサービスは既に数多く登場していて、無料からはじめられるものも多くあります。若い世代に人気のゲームには仮想空間内でネットを通じて多くの人と体験を共有するものも多く、既に日常的なものになりつつあります。VRやメタバースの世界は実際に体験してみないと理解できない世界。興味があれば、まず気軽に飛び込んでみて欲しいですと講義を締めくくりました。

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