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通訳訓練生にお薦めボキャビル本

これまで、「語彙は文脈で覚えること。リーディングやリスニングをして不明の用語を調べ、文例とともに覚えること」と指導してきました。

しかし、この本を読んで少し考えが変わりました。

アンジェラ・ダックワース著 『やりぬく力

この中に、「スペリング能力は読書量とは比例しなかった」という記述があるのですね。スペリング・コンテストで優秀な成績を収めた子は、彼女が強調する「意図的な練習」をかなりの時間やっていたのです。

そこで、ボキャビルも必要かな、と思うようになって、いくつか調べてみました。

通訳訓練を受ける段階になっていて、しかし語彙力も短期間に伸ばしたいという方の場合、この本がお薦めです。

向江 龍治著 『究極の英単語プレミアム』

例文が英米のメディアから取ったものが多いので、この本に出てくる語彙を覚えていると時事ニュースをすらすら読んだり聞いたりしやすくなると思います。また、受動語彙(=聞いて理解できる言葉やフレーズ)はいくらあっても足りないくらいですが、その優先付けをする上でもこの本は非常に有用だと思いました。また、能動語彙(=自分が使いこなせる語彙)も増やしていったほうが、日英通訳・翻訳の時によりオーディエンスの心に刺さる通訳・翻訳ができるので、そういう面でもこの本は大いに参考になります。

日英通訳・翻訳の例で言うと、先日のクラスで「法案を強行採決する」という箇所がありました。「強行採決」だから、forcibly passed? 不可能ではないかもしれませんが、不自然です。

ここで、steamroller, railroadなどの動詞を知っているとパンチの効いた表現ができます。

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railroad, steamrollerはこの本に出てくる表現ではありませんが、最近経験した分かりやすい例でしたのでここで例として出させていただきました。

日英通訳には「(英語圏の)中学生、高校生くらいの語彙や表現で十分」という声も時々聞くのですが、この本をぱらぱらめくってみると、究極レベル2・3でも実際の現場で見聞きする言葉はあります。現状に甘んじず、常に前進していきたいですね。

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