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法定耐用年数と経済耐用年数

不動産投資を考えるときに、資産の耐用年数について理解することは非常に重要です。耐用年数は、資産がどれくらいの期間にわたって使用できるか、または収益を生み続けるかを示す指標です。この耐用年数には、大きく分けて法定耐用年数と経済耐用年数の2種類があります。

しかし、これらの耐用年数の違いや、どちらを重視すべきかについては、投資家にとってわかりにくい部分もあるかもしれません。そこで、この記事では、法定耐用年数と経済耐用年数の違いについて詳しく解説し、不動産投資においてどちらを重視すべきかについて考えてみたいと思います。


1. 法定耐用年数とは

まず、法定耐用年数についてお話ししましょう。これは、税金を計算するために決められた資産の使用期間のことです。つまり、税務上、その資産がどれくらいの期間で価値を減らしていくかを決めるために使います。日本では国税庁が「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で具体的な年数を設定しています。下記は各構造の法定耐用年数になります。

木造
住宅用:22年
非住宅用:20年

軽量鉄骨造
建物の骨組みが厚さ3mm超:38年
建物の骨組みが厚さ3mm以下:19年

鉄骨造
建物の骨組みが厚さ3mm超:38年
建物の骨組みが厚さ3mm以下:19年

RC造(鉄骨コンクリート造)
住宅用:47年
非住宅用:50年

SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)
住宅用:52年
非住宅用:50年

2. 経済耐用年数とは

次に、経済耐用年数について説明しますね。これは、実際にその資産がどれだけ役立つか、収益を生むかを考えた使用期間のことです。法定耐用年数とは違って、経済耐用年数は実際の使用状況に基づいて柔軟に設定されます。企業がその資産をどれだけの期間使い続けるか、またどれだけの期間収益を上げ続けるかを見極めるためのものです。具体的には下記のようになっています。

木造:約30~40年
軽量鉄骨造:約30~40年
S造(鉄骨造):約40~50年
RC造(鉄骨コンクリート造):約60~70年
SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造):約60~80年

3. 不動産投資において大切なのはどっち?

不動産投資を考えるときには、法定耐用年数と経済耐用年数の両方が大切なんです。法定耐用年数は、税金を計算するときに必要で、毎年の減価償却費を計上するための基準になります。これに基づいて、税務上の利益を適切に管理できます。

しかし、実際の投資判断や資産の管理をするときには、経済耐用年数の方が重要かもしれません。例えば、建物が物理的に長く使えるとしても、その地域の経済状況や市場動向によって収益が期待できなくなることもあります。だから、投資家としては、不動産がどれだけの期間収益を生み続けるかをしっかり見極める必要があります。

4. 結論

法定耐用年数と経済耐用年数は、それぞれ異なる目的で使われます。不動産投資においては、税務上の計算には法定耐用年数が必要ですが、実際の収益性を見極めるためには経済耐用年数が大切です。両方をバランスよく考えることで、税務管理と実際の収益をうまく両立させることができます。だから、不動産投資を成功させるためには、両方の耐用年数をしっかり考慮することが大事なんですよ。

以上、法定耐用年数と経済耐用年数の違いについてお話ししました。不動産投資を考えている方は、ぜひこれらのポイントを押さえて、賢い投資判断をしてくださいね。

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