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[日記]店を閉めるまでとそれからのお話

昨日、緊急事態宣言が発令された。

今日に至るまで、3月25日に最初のお店を閉め、本社をリモートワークに編成し直し、(うちはフィジカルな作業が多いので少し時間を要した)最終的に3月28日残っていた旗艦店である中目黒店を閉めた。当時まだ店を無期限で閉めるところも多くなくて、倣うものもなかったけどとにかく脳みそをフル回転して何が最善か、どうしたらうちの子を守れるのか必死で考えた。公共交通機関を使用せず出勤できる者のみで現場を動かし、在宅ワークの子達にそのバックアップをしてもらいなんとかオンラインストアだけは継続できるよう体制を組んだ。

とても不安だった。自分が正しいかなんて分からずに指揮をとっているこの指先が間違った方を向いているんじゃないかとか頭をよぎることもあったし、築いてきたものを自分の手で少しずつ解体していく作業は心細かった。けど、会社のみんなの前で弱音を吐きたくなかったし、みんなに支えられているのに甘えたことも言いたくなかった。だけど会社と家の往復の車中はずっと泣いていた。泣きたくて泣くというより、涙がどんどん内側から溢れてきてまるで涙することで自分を浄化させようとしているようだった。多分実際、そうして自己治癒をしていたんだと思う。身体はよくできている。

週末自粛要請が出され3月29日の日曜日、このまま継続して店を閉めること、それにあたって準備すること考えねばいけないことを社員全員とのグループトークに書き込んだ。各自にメンションをつけお願いしたいことや指示を打ち込んでいった。気持ちは前向きだったし使命感もあったけど、本当に同じだけの分の心細さが天秤の上に均衡をとって鎮座していた。携帯を打ちながら気づいたらしゃっくりをあげて泣いていた。運転しているときに流す涙じゃない、子供の頃の何かに抗うときの涙だった。

あの時の状態を表すなら”ハイ”だったというのが一番しっくりくるかもしれない。脳が動いているのを身体中で感じて、アイデアや言葉が溢れ出て、不安と混乱の中に希望と確信を掴もうと神経を研ぎ澄ませていた。新しい何かが始まる。破壊と終わりの中で、私が求めていたものがそこにある。今新しく芽吹こうとしているものはとてもポジティブであたたかく、エネルギーに満ちていた。

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