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長野県茅野市における謎の電子処方箋特区構想

謎の特区構想

令和6年度「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」の採択結果について (chisou.go.jp)
R6kouhyousiryou_1.pdf (chisou.go.jp)
>茅野市は中山間地域にあり、自宅周辺に薬局がない地域等では高齢者を中心として薬局の移動負担が大 きく、薬剤配送のニーズが高い。電子処方箋の導入により、その利便性が高まることが期待されるが、未だ導入率が低いことを踏まえ、本事業では、電子処方箋を導入困難な薬局が、電子処方箋を導入している薬局との 連携により、少ない負担で薬剤を処方し配送するサービスの実装を目指す。

これは意訳すると「電子処方箋導入しない特区」になるのだろうか・・・

業界紙等の反応

電子処方箋未対応でも「調剤」検証へ
特区・長野県茅野市で、規制改革も視野

茅野市での特区提案は「電子処方箋の導入推進に逆行」
地元・諏訪薬は「参加協力しない」

【内閣府地方創生推進】電子処方箋未導入薬局にも処方認める実証開始/茅野市対象  

でも政府の電子処方箋の導入目標って

あれれ~政府目標では2024年度末にオンライン資格確認に対応した医療機関薬局のほぼ全てを電子処方箋対応させることになっているのに、どうして同じ政府がそれ以降の未対応の薬局の事を心配してるの~

令和6年2月9日厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会 資料1-7より

そういうとこやぞ、という冗談(?)はさておき、

今だって法令への適合性はともかく技術的には電子処方箋控えの画像やそこに書かれた引換番号と被保険者番号とかを「FAXによってですら」他の対応薬局に伝えれば電子処方箋の情報自体の取得は可能になる

でも、この仕組みだと電子処方箋制度の本質である直近の処方・調剤情報を活用(重複投薬等チェックなど)し、さらに結果登録して本人の情報を充実させる、ということができないのではないか

なぜなら代理取得する薬局では本人がマイナ受付できないし、非対応の薬局ではマイナ受付してもやってくる処方・調剤情報を読めないから(そもそもやってこないのは利用申請をしてない場合? 情報がやってくるならこの新しいプラットフォームで読めるようにするのかもだけど)

もっとも、上記の点をクリアした、一般人には思いもよらない素晴らしいサービスが始まるのかもしれないけど、そこまで来るなら政府が買い上げて本家本元の電子処方箋管理サービスに実装してください・・・

仮に、処方・調剤情報が利用できない場合

民間で言うほうは好き勝手言えるとして、これを政府として採択するってことは、えらい方々にはどういうお考えがあるのだろうか

·「なんか電子処方箋?ていうの便利そうだし、いかにもDXって感じの名前だよね マイナ受付しなくても使えるって公式に言ってるし」(デジタル大臣と喧嘩する覚悟)

·「はいはいマイナ受付すればいいんでしょ なんかレセプト由来?の情報見ればいいんでしょ 直近の処方・調剤情報?なにそれおいしいの?」(厚労省と喧嘩する覚悟)

·「未対応の薬局にやってきた処方・調剤情報も対応薬局に飛ばして送り返してもらえばええんやろ?」(個情委?と喧嘩する覚悟)

確かに、「薬局の電子処方箋の対応、未対応が混ざっている状況は患者にとっても対応医療機関にとってもデメリットでしかない」、「うっかり未対応薬局に行ってしまったとき問題の解決を」、というのは根強く言われてきたことだけど、これがその解になってしまい、じゃあ電子処方箋対応しなくていいや(導入した薬局はご愁傷様)、となってしまうのだろうか

きっとシステム利用料や代理取得する薬局への手間賃等が発生する一方で、DX加算は取れないだろうことを考えると、普通に導入したほうが楽なんじゃ・・・(広島県廿日市市のように国・県に加え、市が自主的に補助金出すという道、あると思います)