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■ 竹田美喜総館長講演「子規の最期」レポート

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2023.02.23 Thursday)に掲載された内容を転載しています。2023.02.23 Thursday
参照元:http://info.e-nhkk.net/

nhkk事務局スタッフ:
2月16日(木)、松山市の味酒公民館にて開催された、松山市立子規記念博物館総館長の竹田美喜先生の講演に参加してきました。

令和4年度味酒地区人権学習会として子規没後120年記念を記念した講演で、タイトルは「子規の最期ー深い愛に守られてー」。私自身は、町内の回覧板で講演の開催を知ったのですが、参加してみると、コロナによって延期されて3年後にやっと開催が叶った講演だと知り、偶然にも参加できた幸運を喜びながら拝聴しました。

冒頭、コロナを経ることで、先生ご自身が支えあうことで得られる力を強く感じるようになり、子規の最期に対してのとらえ方が変化してきた、とのお話ではじまりました。以前は、病気の中で子規がいかに頑張っていたのか、という趣旨で講演されることが多かったそうですが、現在は、看病する側の愛情があったからこそ子規の偉業が達成されたのだ、と考えられているとのこと。子規とお弟子さんたちのそれぞれが力を与え合い、愛を与えあうことで苦しい闘病の中を生きることができたのだ、とのお話に大変興味をひかれました。

子規を見守ってきたオールスターが写真付きで登場し、病床日記や、仰臥漫録、病床六尺などの資料もたくさん紹介されていくので、子規の最期にとどまらず、子規の生涯をなぞっていくことができる講演となっていて、子規の総復習をできたような気がしました。特に、先生の私物である『仰臥漫録』の複製本を拝見できたのが貴重な体験で、死によって記入することなく終わってしまった真ん中の空白ページに、胸が詰まりました。

繋がりあうことができづらくなった世の中だからこそ、繋がれているすべてのものを大切にしながら、今目の前にあるものを無二のものとして、一つ一つに丁寧に向き合っていきたいと感じた夜でした。


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