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西加奈子・せきしろ『ダイオウイカは知らないでしょう』

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2018.08.04 Saturday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/

短歌初心者の西加奈子さんとせきしろさんが、雑誌『アンアン』で毎月ゲストを招いてお題を出してもらい、二人がその題の短歌を詠む連載「短歌上等!」が単行本化、そして文庫化された一冊。

ゲストも、穂村弘・俵万智・星野源・山崎ナオコーラ・山里亮太(南海キャンディーズ)・勝山康晴などなど、短歌界に止まらない個性的な14名で、詠まれた短歌を元にした歌会的トークが楽しい。

上手い短歌を詠もう、というような気負いがまったくない二人で、その潔さというか思い切りが愉快。普段とは違う土俵を得て、やりたい放題楽しんでいる感じが伝わってきます。結果、71題+3題の短歌はもちろん個性的! というか、かなり振り切ってます(笑)

個人的に二人ともの歌が好きだった題は次の3題。この3題ではおとなしめの印象ですが、いえいえもっと驚く歌が沢山待っています(笑)

「休み」
ご予約の電話かけたら「かあさん?」て聞こえて切った日曜七時  西加奈子
学校を休んで聞いた風の音 昼ドラで母が泣く声も聞いた  せきしろ

「大仏」
大仏の視線の先にあるものは老婆の群れか土産屋の木刀か  せきしろ
釈迦牟尼の優しい顔は残酷が似合うだろうね「ここが最果て」  西加奈子

「メール」
君だけの着信音と振動と変換されぬ[天狗]と[般若]  西加奈子
受信 送信 受信 送信 受信 受信 無視 受信 無視 送信  せきしろ