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破産者マップってどんなサイト?新しい破産者マップとあわせて解説!

自己破産個人再生を行うと官報に個人情報が記載されます。
この情報を利用して破産者の情報を公開している「破産者マップ」というサイトが存在していましたが、個人の名誉やプライバシーを侵害しているとして、一度閉鎖されました。しかし、2022年に新たな破産者マップが再び公開され、個人の破産情報が見られる状況です。

破産者マップとは?

破産者マップの概要について確認していきましょう。

官報の破産者情報がGoogleマップふうに見られる

破産者マップとは、自己破産した個人・企業の名前・住所などの情報をGoogleマップ上に掲載したサイトです。

特徴はGoogleマップ上にピン止めが打たれており、これをクリックすると自己破産した個人・企業の情報が表示されます。

掲載される情報
・自己破産した日付
・住所(所在地)
・名前

これらの情報は官報に掲載されます。官報とは政府・各省庁が国民に知らせるべき情報を掲載した機関紙です。官報の情報は誰でも無料で閲覧できます。

破産者マップは、この官報に掲載された破産者情報を引用してマップ上に掲載している形です。ただし、官報の情報とはいえ、自己破産・個人再生した事実を広めてほしい人は少数派でしょう。実際に破産者マップは個人の名誉・プライバシーを侵害するものとして、民事訴訟を起こされています。

何をしたら官報に載る?

個人が官報に載るケースは自己破産をした場合と個人再生を行った場合です。自己破産とは、裁判所から「支払いが不可能である」と認められた債務をすべて免除してもらう手続きになります。認められた場合、借金がすべてゼロになり、返済義務が消滅します。借金問題を解決する際の最終手段が自己破産であると考えてください。

個人再生とは、抱えている債務の大幅減額を実施する法的手続きです。裁判所から再生計画の認可を受けることで、借金を減額できます。減額後の債務に関しては、3年ほどの年月をかけて返済を行ます。決して債務がゼロになるわけではない点が自己破産との違いです。

自己破産・個人再生を行った際の官報への情報掲載は、拒否できません。破産情報が公に公開されてしまう点は、自己破産・個人再生のデメリットといえます。ただし、官報を日常的に読んでいる人はごく少数です。官報経由で自己破産・個人再生を行ったことが知られるケースはあまりないと考えてよいでしょう

新破産者マップとは

破産者マップのサイトは、2019年4月19日に一度閉鎖されました。しかし2022年6月20日に「新破産者マップ」が新たに登場します。どのようなサイトなのか、詳細を確認していきましょう。

新破産者マップサイトは海外が運営

破産者マップと異なる点は、サイトを海外で運営している点です。新破産者マップの運営者は「海外で運営しているサイトは現地の法律が基本的に適用されるため、日本国内の法律は適用されない」という趣旨の主張をしており、日本国内の法律に基づいたサイト停止には応じない姿勢をみせています。

新破産者マップから破産者情報を削除したい場合は、ビットコインで料金を支払わなければなりません。マップ上に打たれたピンの内容(破産者情報)を削除する場合は「50,000円」、ピンごとすべてマップ上から削除する場合は「10,000円」の支払いが求められます。

ビットコインでの支払いでは、送金・入金の履歴が特定の金融機関に把握される心配がありません。支払履歴が見えづらいビットコインを要求していること、サイト運営を海外で行っていることを留意して、新破産者マップへの対処法を検討する必要があります。

新破産者マップへの対処法

新破産者マップから情報を削除するために、サイト運営者にビットコインの支払いを行うのはNGです。支払いを行ってもサイト上から情報がなくなる保証はありません。再度、破産者情報を掲載されて削除料金を請求される可能性もあります。新破産者マップから情報を削除したい場合は、弁護士・司法書士に相談しましょう。

官報の掲載でも会社や家族にバレる可能性が低い理由

弁護士・司法書士などの専門家、公務員、金融機関などは官報をチェックしているケースもありますが、一般の会社・個人が官報を隅々まで見ていることはあまりないと考えてよいでしょう。また、官報自体が非常に読みにくい体裁になっている点も、バレにくい面でプラス材料です。

官報に掲載される自己破産と個人再生とは?

官報に掲載される自己破産・個人再生について、もう少しくわしく確認していきましょう。

自己破産

自己破産とは裁判所から免責許可をもらって債務をすべてゼロにしてもらう法的手続きです。自己破産の手続きを行う際は、裁判所に対して「破産申立書」を提出します。その後、裁判所が内容を審査して免責許可を与えるか決めていく形です。

自己破産の対象は、支払い不能の状態になっている債務者になります。支払い不能とは、債務者の現在の収入や資産、将来的な収入などを踏まえて、債務をすべて返済するのが不可能である状態です。

支払い不能であるか否かは、裁判官が総合的に判断して決定します。ただし、債務の原因が「免責不許可事由」にあたる場合、自己破産が認められない可能性があるので注意が必要です。

免責不許可事由の内容は、下記のとおり規定されています。

財産の隠蔽等:財産を所有しているにも関わらず、意図的に財産を隠す行為
換金行為等:自己破産の申し立て直前にクレジットカードなどで商品を購入して、その商品を換金する行為
偏頗(へんぱ)弁済:特定の債権者に対して、偏って返済する行為
ギャンブルや浪費による財産の減少:競馬・パチンコなどのギャンブル、収入よりも大幅に高い金額の買い物など
詐欺的な借り入れ:自己破産の申し立て前から1年以内に、虚偽の所得証明書・身分証明書を使って行った借り入れ行為

基本的にギャンブル・浪費を原因にして抱えた債務は自己破産の対象となりません。ただし、ほかの要因で債務が膨れている場合は、ギャンブル・浪費を行っている場合でも免責許可をもらえる可能性もあります。自己破産を行える状態・条件であるか、弁護士・司法書士に相談することが大切です。

個人再生

個人再生とは、裁判所から再生計画の認可決定を受けることで債務を減額してもらう法的手続きです。減額された金額分の返済を行うことで、ほかの債務に関しては支払い義務を免除してもらえます。

個人再生の場合は、条件を満たせば車・自宅などの資産を持ったまま手続き可能です。車の場合、「自動車ローン」の支払いが終わっている場合は手元に残せます。自動車ローンの支払いが途中の場合で、かつ車の所有権がローン会社側にある際は、個人再生でもローン会社に車を引き揚げられるので注意してください。

住宅の場合は「住宅ローン特則」の適用を受けることで、個人再生の手続き中でも住宅ローンの支払い・住宅の所有が可能になります。一定の要件を満たせば、個人再生を行っても住宅を処分する必要はありません。現在、住宅を所有されている方で個人再生を行いたい場合は、住宅ローン特則が利用できるか事前に弁護士・司法書士に相談しておきましょう。

まとめ

  • 破産者マップとはGoogleマップ上に個人・企業の破産情報(名前・住所・破産した日)を掲載して表示しているサイト

  • 破産者マップに掲載された個人から名誉棄損・プライバシーの侵害を訴えられ、サイトは一時閉鎖

  • 現在は「新破産者マップ」が登場しており、旧破産者マップと同様に破産者情報が公開されている

  • 新破産者マップは海外で運営されており、日本国内での法的対処から逃れようとしている

  • 新破産者マップから破産情報を消してもらうために削除料金を支払うのはNG

破産者マップの情報は、以下の記事で詳しく解説しています。

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