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私の百合はお仕事です!(わたゆり)のアニメ2期に関する考察 〜近年の百合アニメの傾向を踏まえて〜

初めまして。バリントンと申します。

この記事では現在テレビアニメ放送中の漫画作品

私の百合はお仕事です!(一迅社刊)

について、アニメ続編の可能性を考察します。

出典:https://watayuri-anime.com/

最初に、この記事で言いたいことを要約すると

1.本作のアニメ続編はかなり厳しいと考えます。

2.しかし原作は巻を追うごとに面白くなります。

3.なので続編の為に円盤と原作とグッズを買いましょう!

となります。

気合いを入れて書いたのでお時間のある方は本文もお読みください。

↓Blu-ray&DVD第1巻は6月28日発売です!


(注)本記事の内容は、2023年5月時点の情報に基づいています。


作品の概要

まずは「私の百合はお仕事です!」という作品についておさらいします。

「私の百合はお仕事です!」は、未幡による日本の漫画作品。

略称は『わたゆり』。

お嬢様学校(ミッションスクール)を模した「カフェ・リーベ女学園」を舞台に繰り広げられる恋愛模様を描いた作品。

コミック百合姫の月刊化を記念して、2017年1月号より新連載された作品である。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/私の百合はお仕事です!


このように、私の百合はお仕事です!(以下わたゆり)は純度100%の百合作品です

原作コミックスは12巻まで発売されており、アニメでは1巻から4巻の内容が描かれています。

↑ここまでアニメ化されました↑


また、わたゆりは展開が泥沼すぎることで有名です。そこらの昼ドラの比ではありません。そのため、最新話が更新される度にTwitterは阿鼻叫喚となります。

Twitterのサジェストには「地獄」と表示されます。

この記事の結論

さっそくですが、本記事の結論をお伝えすると

アニメ続編が制作される可能性はかなり低い

と考えられます。

その理由と解決策を以下で述べます。


そもそも「アニメの続編」とは

一口にアニメの続編といっても色々な形があるため、ここで整理しておきます。

①第2期

最も一般的な続編です。アニメに限らず、ドラマの2期もよく制作されます。

例としては「マリア様がみてる」が挙げられます。この作品では、第1期が終わった3ヶ月後に第2期の放送が始まりました。


②OVA(オリジナルビデオアニメーション)

①の次に一般的な続編です。テレビで放送される訳ではなく、1〜2話程度(60分程度)のアニメーションがBDやDVDとして販売されます。販売の前には映画館で上映されることも多いです。

例としては「ゆるゆり」が挙げられます。この作品では、第2期の2年後にOVA「ゆるゆり なちゅやちゅみ!」が公開され、翌年発売されました。


③映画(劇場版)

少しマイナーな形態です。テレビアニメの総集編または新作アニメーションが劇場で公開されます。OVAとの違いは、映画館で上映することを目的に作られたか否かです。

例としては「私に天使が舞い降りた!」が挙げられます。この作品では、第1期の3年後に映画「私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ」が公開されました。

以上が主な分類です。

個人的にはわたゆりのアニメ2期を強く望みます。また一般性を考えて、以降は続編=アニメ2期と仮定して記述します。



✅理由1:全ての登場人物を描ききれない

ここからはわたゆりのアニメ2期が厳しい3つの理由を説明します。

まず、これが最も大きな理由です。

わたゆりのアニメ1期では、原作の1〜4巻が映像化されました。

したがって、2期があるなら原作の5〜8巻がアニメ化されると考えられます。

ここで問題なのが

5〜8巻では陽芽と美月の関係が掘り下げられる

という事実です。

もちろん果乃子や純加も登場しますが、メインは陽芽と美月です。つまり

2期で12話使っても陽芽と美月しか描けない 

ということになります。

全てのメインキャラクターを1クールで描けないというのは大きな懸念事項になるといえます。

なお、5〜8巻のストーリーは本当に素晴らしいです。特に「シフト26  "綾小路美月"」は原作屈指の回だと思っています。


✅理由2:本格的な百合アニメは続編が少ない

これも大きな根拠です。

過去の百合アニメをチェックすると

百合の純度が高いほど続編は厳しい

という事実が明らかになります。



では、ここで著名なタイトルをいくつか確認してみます。なおOVA作品(あさがおと加瀬さん、フラグタイム等)は除きます。

①転生王女と天才令嬢の魔法革命(2023年放送)
 →続編なし
②安達としまむら(2020年放送)
 →続編なし
③私に天使が舞い降りた!(2019年放送)
 →続編あり(劇場版)
④やがて君になる(2018年放送)
 →続編なし
⑤ハッピーシュガーライフ(2018年放送)
 →続編なし
⑥立花館To Lieあんぐる(2018年放送)(5分枠)
 →続編なし
⑦citrus(2018年放送)
 →続編なし
⑧捏造トラップ-NTR-(2017年放送)(10分枠)
 →続編なし
⑨桜Trick(2014年放送)
 →続編なし
⑩ゆるゆり(2012年放送)
 →続編あり(2,3期、OVA)
青い花(2009年放送)
 →続編なし
⑫ささめきこと(2009年放送)
 →続編なし
⑬神無月の巫女(2007年放送)
 →続編なし
⑭マリア様がみてる(2004年放送)
 →続編あり(2〜4期)



このように、この中では14作中3作が「続編あり」となります。

作風に注目してみます。近年続編が制作された「私に天使が舞い降りた!」と「ゆるゆり」は百合描写が比較的ソフトです。

それに対し、本格的な百合描写がある「やがて君になる」「citrus」「青い花」「桜Trick」などは続編が決まっていません。
(青い花は別の事情がありますが……)

つまり本格的な百合は万人受けしづらく、大ヒットする可能性が低いと推察されます。

わたゆりも百合成分100%でキャラクターの関係性を丁寧に深く掘り下げる作品ですから、やはり続編は厳しいと考えられます。

なお、マリみては伝説的な作品であり、年代も考慮して例外とします。


✅理由3:パッショーネ社は殆ど続編を作らない

わたゆりのアニメーション制作は、株式会社パッショーネとスタジオリングスが共同で担当しています。

パッショーネは過去に「citrus」や「女子高生の無駄遣い」など14本のテレビアニメを(元請けで)制作してきました。

スタジオリングスはグロス請け(下請け)を主とするスタジオであり、わたゆりでは第3,4,6,8,10話を担当しています。元請けで制作したのは5分枠の「立花館To Lieあんぐる」という作品のみです。

よって、わたゆりの続編を考えるにあたっては

パッショーネ社は続編を作ってくれるのか

が1つのポイントになります。

そこでパッショーネ社が元請けの14作を調査したところ、続編が制作されたのは2作でした。その内訳は

1.はいたい七葉(2012年放送)
  →沖縄のみで放送された5分枠の作品
2.ひぐらしのなく頃に業(2020年放送)
  →続編(ひぐらし卒)が恐らく予め決まっていた作品

となります。「全国的にヒットしたので続編を制作した」という事例は今のところありません。したがって、わたゆりも(既に決まっていない限りは)パッショーネ社が続編を担当する可能性は低いでしょう。

もちろんアニメの続編を作るかどうかを決めるのは制作会社ではなく製作委員会です。しかし、新しい制作会社を探すところから始める必要は出てくるかもしれません。


※続編でアニメーション制作会社が変更になるケースは少なくありません。キャラデザや作風が変わり、大ヒットする作品もあれば失速する作品もあります。

※スタジオリングスさんの担当話数は(わたゆりに限らず)演出のレベルが高いです。個人的には続編を全話作って頂けないかと考えています。


⭕️解決策1:円盤、原作、グッズを買う

ここからは上記の問題を解決する方法を述べます。

1つ目の解決策は、私たちファンができる最もシンプルな方法です。

アニメの続編には円盤(BD、DVD)の売上が大きく関わります。なぜなら利益率が圧倒的に高いからです。

2015冬~2017秋に放送された作品の内327作品について、円盤売上枚数の累計平均データと続編の有無を調査した方によると

2000枚未満→ほぼ希望なし(~10%)
2000~3999→希望薄(10~30%)
4000~5999→結構期待できる(50~60%)
6000~8999→かなり期待できる(60~90%)
9000枚以上→かなり期待できる(90%~)

この結果を受けて、私はオリコン円盤売上枚数の累計平均9000枚が続編制作のボーダーラインと考えちゃおうかと思います。
続編の期待が持てるボーダーラインは4000枚かな。

引用元:https://animedeeply.com/animori/11826/#i-13

とのことです。

わたゆりの円盤は全3巻です。配信サイトや放送局が強い作品ではないため平均4000枚以上を売り上げるというのは途方もない目標です。しかし買わないことには始まらないので是非チェックしてみて下さい。そして口コミで広めていきましょう。

ちなみに私はAmazonでBlu-ray全巻を購入したのに加え、ゲーマーズでBlu-ray第1巻を予約しました。

また、原作や公式グッズの購入ももちろん続編に繋がります。何度でも言いますが原作は本当に素晴らしいので、ぜひ読んで頂きたいです。


⭕️解決策2:24話かけて全員を描く

これは我々ファンがどうにかできる部分ではありません。

12話で陽芽と美月しか描けないならば、24話使って純加と果乃子も(寧々も葉子も)描けばいいという話です。その代わり制作費用も制作期間も倍増します。

また、連続2クールではなく

・分割2クールで放送する
・2期と3期を同時発表(それぞれ1クールずつ)

といった手段も考えられます。

もしも読んでくださった関係者の方がいらっしゃれば、ご検討のほどよろしくお願い致します。


⭕️解決策3:クラウドファンディング

クラウドファンディングによって制作資金を集めるという案です。

例を挙げると「ゆるゆり」はOVAが、「邪神ちゃんドロップキック」は第3期が実現しました。

クラウドファンディングは

出資者(ファン)はリターンを貰える
起案者(制作側)は効率的に資金を集められる

という方法であり、ファン数が多いわけではないけれど、一人一人の熱量がある作品に向いています。

わたゆりでは現在、20,000円のフィギュアや30,000円のクロイツの予約販売が始まっています。製作委員会側も、わたゆりが、ひいては百合作品がそうだと分かった上で販売しているのでしょう。

したがってクラウドファンディングが行われる可能性はあると予想できます。


まとめ

本記事では、私の百合はお仕事です!(わたゆり)のアニメ2期について考察しました。

実現する可能性は客観的に見るとやはり低いです。しかしながら、わたゆりは本当に素晴らしい作品で尻上がりに面白くなります。

アニメが終わって何年も経ってから言い出してももう遅いです。また原作が完結してから声を上げてももう遅いのです。

大ヒットが望めない作品の2期というのは、アニメ放送中の今から、積極的かつ継続的に応援していくことで実現します。

なので、アニメを通じて少しでもわたゆりに興味を持たれた方には原作を読んで頂きたいです。

私はわたゆりのアニメ2期を心から強く願っています。


以上です。お読み頂きありがとうございました。もし良ければ拡散して頂けるとありがたいです。

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