どこかのせかいの絵本の一場面より

(4)

ティンカア・ベルが夜を誘い始める頃、わたしはチカチカと電飾のまたたく小さな市電から降りた。サザナミタウンは今日も、深海のように静かで暗闇の中。粉末状にした星のかけらをまとった靴が、私の帰り道をそっと照らしてる。

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