ジェニファー

夜中、ふと目が覚め、枕元で充電中のiPhoneを見ると、リンゴループに陥っていた。
わたしは「終わった」と思った。
生まれてからずっと鬼の眠りの浅さで生きてきているので、寝ぼけることなくすぐに終わってる状況だと理解した。
しかし、生まれてからずっと楽観的過ぎる一面もあるので、奇跡を信じてそのまま寝た。


しかし生まれてからずっと、意外と心配性な面もあることを思い出した。
「多分起きれるけど、起きれなかったらヤバいな。まぁ起きれる気しかしないけど」
そう、起きたら出勤しないといけなかった。起きなかったら遅刻してしまう。
眠りの浅さ、楽観的、心配性、これらの特徴を持ち合わせているわたしは、2時間毎くらいに起きた。起きては窓の外を見て、陽が昇ってきた頃には身を乗り出してリビングの時計を確認して、ギリギリまで寝た。


6時ごろ、トイレに行くために起きたついでに、リンゴループ中であり充電したままだったiPhone11からケーブルを抜き、ずっと使ってなかったiPhone Xに充電器をさした。
この時11の強制再起動を試みたが、失敗した。


何ヶ月も電源が入ってなかったXは、充電器をさしてから電源がつくまで時間がかかったので、とりあえずもう一回寝た。
7時半、本来起床するタイミングぴったりに起きたわたしは、また一つしょうもない自信を付けながら、電源が入ったXでリンゴループからの復活方法を調べた。
この時わたしは、まぁ出勤する頃には直るだろうと軽い気持ちでいた。


結局、仕事が始まる時間になっても電源を切ることすらできないわたしのiPhoneを、職場のみんなに見せびらかしながら泣いた。
わたしは次の日の予定すら曖昧な女。もし明日誰かとの約束があったらどうする?と不安な気持ちは半分くらい、いや半分以下。
もう普通に誰かとLINE出来ないこととか、ツイッターできないこととか、漫画読めないことが辛過ぎて、ひたすら放電できるのを待った。


この時のわたしも、昼には直ってるだろうと思っていた。


完全放電が完了した午後3時。
運命の充電。
結果、直らなかった。


終わったな。買い替えだな。
そう思いながらも、帰る頃には直ってるでしょ、と思っていた。


直らなかった。
この時、買い替えを決意した。

家に着き、とりあえず死んだiPhone11の命をiPhone Xに一時的に吹き込み、ahamoで機種変更を検討。しかしなんか上手く出来なかった。
表示される文字を読み、その通りに進んでるのに、なんか絶対違った。
違ったけど分からなかったので、カスタマーサービス的なところに電話した。


「お客様の状態ですと、機種変更ではなく新規契約のお手続きをされていると思います」


なんでや。機種変更のボタンを押してそのまま進んだのになんでや。
ahamo、基本的には全部セルフサービスでどうにかしろよ、その分安くしておくからな、ってやつだと思ってるんだけど、なんかめちゃくちゃ電話口のお兄さんにお世話になってしまった。申し訳ない。


その後機種変更担当のお兄さんから改めて電話を頂き、無事にiPhone14(なんか1番安かったやつ)を購入することに成功した。
木曜日には14ユーザーになっているはず。


現状として、iPhone Xを使い続けているんだけど、もう、すぐにアチアチ。
充電は一瞬で無くなる。あと3日とはいえ、大変。
なんとか無事に全てがうまく行くといいですよね。でも人生は大体なんでもどうにかなるので大丈夫。ちなみにわたしはリンゴループが直らず絶望しながらも、すのちゅーぶで渡辺さんの後頭部に宮舘さんのボールがクリーンヒットしたシーンを見て、膝から崩れ落ちるほどゲラゲラ笑ってしまいました。
明るく生きよう。

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