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スライド作成をさっさと終わらせたい院生のためのPowerPoint Tips: 第2回「LaTeXっぽく数式を書く」

こんにちは、榎本です。
実験屋は普段はあまり数式を使わないと思うのですが、どうでしょうか。私は実験屋ですが、あまり使わないです。

そんな私ですが、今回のトピックは「LaTeXっぽく数式を書く」です。

・パワポに数式を入れる
多くの場合、「挿入」タブから「数式」を選択して、

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「数式」タブのあれこれをクリックして数式を作っていると思います。

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しかし、個人的には「マウスによる操作より、キーボードによる操作のほうが早い」と思っています。これは、第1回の「ショートカットキー」にも通じるところがあります。
そこで、数式を(全部とはいかないが大半を)キーボード入力だけで記述する方法を紹介します。

・LaTeXっぽく数式を書くとはどういうことか
LaTeXは、めっちゃ綺麗な数式入り文書を書けるやつです(ざっくり)
学部の最初の頃に「情報ナントカ」みたいな講義で触ったことがある人も多いと思います。普段使いしている人も多いと思います。

LaTeXでは、数式や見出しなどをコマンドで記述し、それをコンパイルすることで美しい文書を出力しています。

例えば

\[
 \frac{dy}{dx}, 
\]

と書くと、文章にはdy/dxが表示されます。

詳しくはhttp://www.latex-cmd.com/など。

この書き方の一部がパワポで使えます。
例えば以下のように入力してから、

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スペースキーを押すと

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θになります。
同様にしてギリシャ文字を簡単に出力することができます。

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小文字のδなら\delta, 大文字のΔなら\Deltaで書けます。
ちょっと特殊なものの例として、うねうねしたE(\scriptE)や、誘電率のε(\varepsilon)があります。

・分数
/(スラッシュ)で書けます。

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・上付き/下付き文字
上付きは「^」、下付きは「_」で書けます。

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・乗算記号とドット
×は「\times」・は「\cdot」…は「\cdots」で書けます。

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・シュレディンガー方程式
例として、時間に非依存な一次元のシュレディンガー方程式を書いてみます。ポテンシャルをV(x)、エネルギーをEとします。

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わ~~~綺麗~~~~。

ここで例えば、換算プランク定数(ディラック定数とも)は「\hbar」で出せますし、波動関数は「\psi」で出せます。

もしかすると、2連続で分数を表示させるのがうまくいかなかったかも知れません。

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この場合、まず頭の「hbar^2/2m」を作ってから、「一度スペースを押して」次の「d^2/dx^2」を作るとうまくいきます。

もしかすると、括弧が小さいままかも知れません。

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この場合、閉じ括弧 ] の後ろでスペースを押すと良いです。[ ]が自動でいい感じのサイズに変換されると思います。

・そうは言っても、LaTeXのコマンド覚えるの面倒なんだが...
気持ちは分かる。助けになるかは分かりませんが、「数式」タブの「記号と特殊文字」で表示させたい記号にカーソルを合わせると、「その記号を表示させるためのコマンド」も合わせて表示されるようになっています。

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上記画像では、∫を表示させるためには「\int」というコマンドを打てば良いことがわかります。すべての記号がこれに対応しているわけではありませんが。

また、僕がかつて先輩に言われた言葉に、「その機能を習得したり、マクロ組むのに3時間かかったとして、将来の3日を節約できたら良くない?」というのがあります。うろ覚えですが。なんかの本だったかも知れない。ガバガバ記憶。

目先の締切に追われているときは厳しいですが、中長期的に見て、大量の時間を節約できそうな場合は、取り組んでみるのも良いのかな~と思います。ちりつもです。

・まとめ
LaTeXのコマンドの一部がパワポでも使える。
コマンド打ってスペースを押すと良いぞ。
慣れると数式入力が早くなる。


・余談
ずっと「LaTeX」と「TeX」を同じものだと思っていましたが、今回このNoteを作成するにあたって調べたところ、まったくの別物であることを理解しました。人に見せる意識で文章を書くと、自分の知識のアラが見えていいですね。

・TeX(テフ)--- 組版言語のこと
・LaTeX(ラテフ)---TeXのマクロ体系のひとつ

参考)https://blog.wtsnjp.com/2016/12/19/tex-and-latex/

・余談2
Word/LaTeX戦争があるところにはあるようですが、あまり興味はないです。きのこたけのこ。薦める側も薦められる側も柔軟でいたいですね。

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