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できなかった。けれども◯◯すればいいと考える人

物事をポジティブに考える人がいる。〇〇できなかった、だけれども〇〇すればいいと考える人がいる。何度も挑戦すれば、できなかったという想いに苦しめられず、苦痛は軽減する。しかし、この考え方はいつかは身体を壊し、疲弊し、なんだかやる気がでないという形に繋がる。

何度も挑戦する人を、周囲は素敵だと思う。なんて強い人なんだと思う。憧れる。応援する。本人もそんな自分が好きになる。達成感がある。失敗をしていてもいつかは成功する。そしてまた歩み始める。

何度も挑戦する人には、2つの場合がある。安心している人と不安を感じている人である。前者はできなかったことがあったら、〇〇すればいいとはあまり考えない。できないことがあると、いやーそんな時もあるよねーと思う。休むか、と思い休む。できないことで、あ、できなかった、と傷つくこともあるが、それを引きずらない。休んで一旦忘れる。頭を空っぽにする。すぐにああすればうまくいったかもしれない、こうすればいいとは考えない。休んだ後は、スッキリしている。今度はこうして見ようかな、あぁしてみようかなとワクワクしている。この形が正解とは決めつけない。後者は、不安を感じている人は、すぐに考える。反射的である。傷ついたことが辛いので、反射的にポジティブなことを考える。そして、そのことをすぐに実行したがる。無理にでも進める。進めないと、何かをやっていないと、不安が襲ってくる。何か取り組むことで、気を紛らわせる。

できなかった。けれども〇〇すればいいと考える人は、成功を追い求めている。効率を心がける。自分を否定している。人を決めつけ、自分を決めつける。こうも成功に向かって邁進するようになったのは、これまで、褒められることによって、気分がよくなってきたからだ。その成功体験で達成感を得てきた。褒められない状態で、それがいいねとされることがあまりなかった。周囲が成功を追い求めて結果を出して、一見キラキラしている形に見えたということもある。周囲はどんなに成功がいいことか弁をふるう。その言葉には情熱があり、経験がある。説得力がある。

成功を追い求める人は、結果や能力が大切なのであって、自分の気持ちにこたえるということがない。心に蓋をしてきた。しかし、本人は好きなことをしていると思う。何事も意欲的で、果敢に挑戦する。何かできる。できるとだんだん好きになる。好きになっているという感覚を覚える。しかし、それは好きなのではない。確かに、気付きはあって夢中になれて、いいことと思うかもしれないが、自分の心がワクワクしているかもしれないが、好きなことではない。本当に好きなことはエゴはない。人からこう思われたいなどと思わない。企てない。見せ方を気にしない。結果を気にしない。成功を追い求めると、取り組む中で疲れている。ちょっとやる気が出ないな、ということがある。しかし、そういった時でも自制して取り組む。自分の心の声は聞かない。自分の感情はそこにない。根が深い場合、自分を非難している。できない自分をいけないとどこかで思っている。これまでの自分に執着している。

物事をポジティブに考えることが悪いと言っているわけではない。周囲はその姿に心打たれる。いいねいいねと後押しする。しかし、自分がなんだか疲れる。大変だ、やる気が出ないなと思う時は、今よりも満たされる状態がある。

今よりも満たされる状態になるためには、ゆっくり休むことである。できなかったことを横目に取り組まないなんて、不安になるかもしれない。成功に遠ざかる気持ちになるかもしれない。それでも、大丈夫である。一旦立ち止まることである。誰かに、あなたはそのままで大丈夫よと言ってもらう必要もない。陽の当たる脚光を浴びるところから、陽の当たらないところに行くのは、手放すことはソワソワすると思う。それでも、休息することである。頭と身体を空っぽにすることである。

不安を感じていた時は、自分を演出していた。輝かしいイメージをつくり、そこに近づこうと努力していた。何者にでもなれて、周囲からは尊敬と畏怖の念で接されたと思う。周囲は幸せな人と思って疑わないし、自分でもそうだと思う。思い込む。しかし、なんだか大変である。常に何かに追われる。好きなことがない。

休息すると、自分は大丈夫という感覚を得られる。失敗しそうな人をいち早く察知して、嫌うこともない。周囲の人は穏やかである。こうしなければならない、ああするべきだとも思わない。何か囚われることはなく、取り組むことは無理がない。無理なく、流れに沿って進めた結果、当初は予想もしていなかったところに辿り着く。不安だった頃はイメージできていなかった姿だ。しかし、それは結果的に成功している。お金も時間も人にも余裕がある。何か創作したら、また新しいものを生み出せる。どんどん違うことをする。何者にでもなれる。




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