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現役SEが選ぶ、IT会社で活躍していくためにおすすめなコスパのいい資格

  • IT会社に入ってしばらく経って資格がほしいと思った

  • どうせ取るなら役に立つ資格を取りたい

  • 業務に必要なスキルを身に着けつつ、履歴書に書ける資格を取りたい

世の中には資格があふれていて、IT会社向けの資格ってどれだろうと悩んでいませんか?

確かに、入社時点では特別な資格は不要な業界ではありますが、入社後にスキルを身に着けていかないと活躍が難しいのがIT業界です。

スキルを身に着けるには資格を取るのが手っ取り早い方法です。

  • 資格取得という明確な目標があるので続きやすい

  • 取得した資格によっては手当てが出るので収入を増やすことができる

  • 上司から評価されて任される仕事が増える

等々、メリットが多くあります。

今回はIT会社に入ったあとで、とりあえず取っておいて損はない資格について解説していきます。
これらは独学でも1~2ヶ月程度で取得でき、コスパもいい優良資格です。

★本記事で紹介するのはこんな資格

  • 働きながらでも短期間の独学で取得が可能

  • 試験日が決まっておらず、いつでも受験が可能

  • 上司や同僚から評価されやすく、仕事で活かせる


IT会社で活躍するためにオススメな資格


日商簿記

IT会社なのに簿記?

そう思われる方もいらっしゃると思いますが、会計の知識は業界問わず社会人であれば知っておくべき知識です。

特に簿記3級レベルの知識は義務教育で身に着けておくべきではないかと思うほどです。

当然ですがIT業界でもコストを意識したプロジェクト進行が求められます。
ソフトウェア一つにどれだけの労務費・経費がかかるのかを意識することで、自分の価値(単価)への理解につながります。

簿記の知識があれば、「自分の働きに見合った給与が払われていない!」というのを感覚ではなく実際の数値で考えることができますので、納得がいかなければ上司に相談したり、場合によっては転職という選択肢を取りやすくなります。

転職を決めた場合でも、簿記はどんな業界でも評価される取っておいて損はない汎用的な資格ですので、今後IT一本で食べていこうと考えているにしても取得をオススメします。

これまでは年3回開催されるペーパーテストのみの試験でしたが、2020年12月からはCBT形式の試験も受験可能になり、いつでも取得が可能な資格となりました。

さて、IT業界では何級まで取っておくべきかということですが、最低でも3級は取っておきたいです。
ただし、販売管理システムをはじめとする、「仕入・売上」や「売掛・買掛」を扱うソフトウェアを自社開発しているのであれば2級までは取っておきたいところです。

「どうせ取るなら1級を取っておいたほうが評価されるんじゃないの?」

・・・と思われるかもしれませんが、1級レベルになると相応の勉強時間が必要ですし、働きながら取得できるレベルを超えてしまうので、2級までに抑えて、その分他の資格を取得する時間にあてることをオススメします。
経理に転職したいというのであれば話は別になりますが、それでも2級を持っていれば十分評価されます。

簿記2級で学習する工業簿記の範囲は直接ITの仕事に係るわけではないですが、経費や原価計算の考え方は製品をソフトウェアに置き換えることでコスト意識をより高めることができます。

Oracle Master Bronze

Oracle Masterとは、「日本オラクル社」が公式に運営する「Oracle」というデータベース(以下、DBと称します)を扱う技術力を認定する資格です。試験ではDBの管理/運用のほか、SQLという言語の習熟度についての問題も併せて出題されます。

DBはどこのIT会社でも利用されている、普遍的なシステムです。

会社によってはOracleではなく「SQL Server」や「postgresql」といったDBシステムを使って開発をしている場合もありますが、OracleはDBシステムのトップシェアを誇っています※し、当資格で学習するSQLに至ってはどのDBシステムでも用いられる技術ですので、取得して損はない資格です。

また、Oracle MasterはCBT形式の試験でいつでも受験できるというのも忙しい社会人にとってはありがたい存在となっています。

Oracle Master は「Bronze、Silver、Gold、Platinum」の4段階のレベルがありますが、Bronzeを取っておけば十分です。

これ以上のレベルについてはDB管理の業務に従事するようになってから、改めて取得を考えれば問題ありません。

Oracle Master Bronzeを取得するためのオススメの学習方法ですが・・・

『絵で見てわかるOracleの仕組み』でOracleについての基礎を学び、『オラクルマスター教科書 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals』で問題を繰り返し解くことで1~2ヶ月程度での取得が十分可能です。

実際、私はIT会社に入社して半年くらいでこの資格を取得したことで、任される仕事がDB関連含め一気に増えました。

任される仕事が増えれば、その分技術の取得速度も向上します。

基本情報技術者・応用情報技術者

広く浅く、基本的なITスキルを身に着けることができる資格です。

プログラミングに必要な2進数やDBの知識からネットワーク、ハードウェアといったインフラ関係の知識、システム監査といった経営にかかる知識まで本当に幅広く出題されます。

こちらもCBT試験対応ですが、受験申し込み時期と受験可能期間が決まっていますので、先に紹介した2つの試験のようにいつでも取得可能というわけではないので注意してください。

幅広い知識が網羅的に身に付きますので、「得意分野はないけど、ITの知識がほしい」という方にはうってつけの資格です。

とにかく範囲が広く、すべてを理解しようとすると必ず挫折しますので、学習の過程で苦手な分野と得意な分野を見つけて効率的に学習することが大事です。

真面目な方ほど「全部理解しなくては」と考えてしまいますが、資格の取得には合格点を取れればよく、100点を取る必要はないので割り切って学習を進めていけば問題ありません。

基本情報技術者試験は午前と午後に分かれていて、午前はほぼ過去問から出題されますので、基本情報技術者過去問道場を使って過去問を解きまくれば合格点を取ることは容易です。

ただ、それだけだと午後問題で合格点を取ることはできませんので、過去問道場で問題を解く際には「何故この選択肢が間違いなのか」を意識して解いていくことが肝要です。
午後問題は過去問そっくりそのまま出題されることはありませんが、類似問題は出題されますのでこちらも過去問演習が攻略のカギになります。

過去問だけを解いていては知識は身に付きませんので、インプット用の参考書も準備しましょう。

参考書はイラスト中心の『キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者』がオススメです。

こちらの参考書で基本的な知識をインプットしたうえで過去問道場を周回し、試験に臨むのが王道の手段です。

『キタミ式』は基本情報技術者試験に合格した後でも辞書として使うことができる良書ですので、是非こちらを使って学習することをオススメします。

また、応報技術者についてですが、こちらは基本情報技術者の知識をより深堀りした内容が出題されます。

基本情報技術者試験では午後試験の必答問題に「プログラミング・アルゴリズム」が含まれているのに対して、応用情報技術者試験ではこれらは必答問題ではありません。

そのため、THE・文系の方は基本情報技術者試験を飛ばして応用情報技術者試験を受験するのも一つの作戦です。

応用情報技術者試験も基本情報技術者試験と同じように『キタミ式』でインプットして、過去問道場で過去問を周回するという同じ作戦で十分合格が可能ですが、相応に難しい試験ですので、基本情報技術者の取得をまずはオススメします。

取得をオススメしない資格


これまで、取得をオススメする有用な資格について解説しましたが、逆に取得をオススメしない資格についてもあわせて解説していきます。

これらの資格を取得するくらいなら、先に紹介した資格取得のために時間を活用しましょう。

ITパスポート

ITパスポートを取るくらいなら基本情報技術者を取るべきです。

他業種であればITパスポート程度の知識でも活躍できるかもしれませんが、IT業界では知っていて当たり前の知識しか身に付きませんし、入社時にもそれほど評価されません。

就職面接でも、アピールしたところで面接官にはあまり響かない資格です。

まったくの無意味ではありませんが、「無いよりマシ」程度の資格だということは意識しておいてもいいかもしれません。

無名のベンダー資格

Oracle MasterやCCNA、LPICといった有名なベンダー資格であれば取得の意味は十分にありますが、誰も知らないような無名のベンダー資格は取得しても評価されにくいです。

また、ベンダー資格は国家資格と違い受験料が大変高額なので、金額に見合った評価をされなかったとしたら、こんなに虚しいことはありません。

履歴書に記載する資格の数をむやみに増やしたところで、その資格が評価されなければ取得の意味はありませんし、その分の学習時間を先に紹介したような役立つ、あるいは評価される資格の取得にあてるべきというのが私の考えです。

まとめ


★IT会社で働いていくために取得すべきオススメの資格についてのまとめ

  • 日商簿記検定

  • Oracle Master

  • 基本(応用)情報技術者

これらは独学でも十分取得が可能ですし、基本的にはいつでも受験できる資格となっております。

まず、Oracle Masterを取得して信頼され、基本情報技術者試験を勉強して汎用的なIT知識を身に着けつつ、日商簿記を取得して販売管理やコスト意識を高める。これで、ほとんどのIT会社で通用する知識を身に着けることができます。

あとは、興味のあることを勉強しつつ業務をこなしていけば活躍できます。

とはいえ、資格試験合格に躍起になって仕事自体をおろそかにしてしまっては本末転倒です。資格の取得は目的ではなく、手段であることを意識しましょう。

以上です。


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