世界.3

太陽は月の影に隠れた、寒く、暗く、霞んだ、白夜の季節、宮殿での出来事はある秩序に乗っ取って繰り返される。

蠟燭に火をつけると、神を見たようにボーっとできる、それはダンス、ダンス、ダンス、ホテル・カリフォルニアで踊る事。

ヒドラジンを注入した赤い血は、黒い鉛の液体へと変質する、何も見えないように歩いていける、お前は穢れた血だ、献血だって断られるくらいに、時を進める光が消えた世界では、何も進むことは無いか、その進みは緩やかになっていく。

吸うんだ、窒素酸化物にまみれた空気を吸え、そう言い聞かせないと、ここは月の裏側だから。肺が小さくなって、暗い空が近くなり、思い思いに時を刻むたくさんの時計

何を受け入れても、何も受け入れられることは無いだろう、SEA BREEZEの匂いがするロッカールームでリフレインする、カート・コバーンの最後の叫び、価値の無いウサギは走って逃げろ、逃げ続けろ、逃げた先にあるものは、きっと今より少し悪いところ。

月の影に空は覆われ、星の無い夜空と何の明かりもない地平線、16進数では#000000

道の東側にあったものを見て、道の西側に目をやる気も起きない。どれだけ東を見ても太陽は昇らない、どれだけ西を見ても希望は見えない。

希望、それは<meta name="robots" content="noindex">

ああ、またこれか

夜明け前が一番暗いというのは、夜を生きない人の世迷言、蝶が蝶々と呼ばれることがあっても、蛾は蛾々と呼ばれることは無いように。

ここは身体のある世界、機能の無い世界。

八百万の神々が見放しても、この目は神を見続ける。


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