ノブレス・オブリージュ

私は弱って話しかけてくる他人に常にエネルギーを奪われてきたと思っている。
自分はあんな軟弱者共とは違う、助けを欲するのは自分の馬鹿さ加減を世間に披露するようなものだ、一人を耐えられない弱いものはただ死ね!と、周囲を見下している。
自分は高潔だ。
弱った様など人に見せるものではない。そこを刺されて殺されても文句は言えないのだ。
他人があなたに何をしてくれるというのだ。あなたは何をすれば自分を落ち着けられるか探求するのをサボっている。救われるための努力の中で他人を消費している。それは正しくない。ひとりで生きていく強さを持て。私は強いからあなた方の言葉に耐え、最適の解を探し、時には石礫を投げられようとそれが役目なのだと理解して痛みを堪えるが、あなた方にこれができるか。できまい。弱いから他人などに頼る。あなた方は弱く私は強い。強いものの責務として弱いものの嘆きを聞き、望みの言葉を告げられなければ打ち据えられる。私は私の役目を守り、然るべく演じている。だからあなた方も自身の役割を果たすべきだ。こちらはルールに従っているのだから。
親しき仲にも礼儀ありとはいうが、弱り果てたあなた方は最低限の礼節すら守りはしない。しかし意思を持ってこれを許そう。なんとか飲み込もう。それが私の役割で、責任で、強さの証だ。そう思わなければならない。私はあなた達とは違う。責務を放り出して逃げたりなどしない。強者の義務を果たしているのだ。

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