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[Code Polaris] 女性に対象を絞った技術コミュニティをつくった理由

世の中には、当事者でないと、気付きにくいことは山ほどあります。たとえば、「ある土地の気候は自分にとって過ごしやすいか」、という問いには、その地を訪れ、季節を通して体験しなければ本当のところはわかりません。現代は情報もデータもたくさんあるので予測できるかもしれませんが、予測があっているかどうかはやはり検証が必要でしょう。人の感じ方も様々です。

また一方で、極端に言えば「北極でTシャツ短パンで過ごせるか」なんて問いには、体感するには危険が伴いますから、予想するしかないというシーンも多々あると思います。

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さて、掲題の "女性に対象を絞ったコミュニティを作った理由" について。冒頭の土地の気候の話なら、自身が訪れることで実際に体感できるわけですが、もしあなたが女性でない場合は、性別は簡単には越え越えられないので、想像・予測してもらうしかありません。想像してもらいやすいように、当事者の視点を交えて少し書き記そうと思います。

注目する点は、3つあります。

・性別に起因するトラブル
女性というステレオタイプ
・女性の比率が少ない業界

性別に起因するトラブルは、いわゆるセクハラであり、技術を学びたい、まじめに仕事したいだけなのに、自衛に意識を割かなければならない状況にあります。実際に嫌な思いをすることも少なくありません。ガサツで女性っぽくない私でさえ苦労しているので、この点は女性にとって相当負担です。

つぎに、ステレオタイプ。女性だから控え目であるべき、男性を立てるべきなど、不必要な制約が意識に存在するため、物事のいろんな面で足を引っ張られることになります。これはなにも男性だけの話ではなく、女性自身もステレオタイプにとらわれていることが多いという現状です。これにより、自信喪失や泣き寝入りせざるをえず、真のパワーを発揮できません。

そして、これらの問題がなぜIT業界で顕著に表れるかというと、女性の比率が少ないからだと考えられます。数の圧力が同調を誘い、八方ふさがりになってしまうのです。その状況では、ステレオタイプなどの複数の要因が重なり、女性自身の本来の能力に対する正当な評価の妨げになってしまいます。これはIT業界だけなく、男女比率に偏りがある他の業界でも同様の問題を抱えています。

これらの不利な要因に足を引っ張られることなく、その人個人が能力を発揮できれば、女性側の充実だけでなく、社会全体の活性化にもつながるでしょう


この想いから、不利な要因を取り除き、安心して技術を学べる環境をと立ち上げに至ったのが、女性のための技術コミュニティ Code Polaris です。

同じ性別で集うことにより性差がなくなり、性別に起因するトラブルは減るでしょう。自分以外の同性の行動や考えを知るきっかけになり、ステレオタイプに気付けるようになります。

個人の問題だと思い詰めていたことが、実はステレオタイプによる影響だったなら、その点で自分を責めることはないのです。

そして、"女性" とひとくくりにされ埋もれていた、個の存在が姿を現すのです。同じ女性だけれど、同じく技術を志す仲だけれど、年齢や性格や環境が異なる人たちが居ることに気付きます。同じ軸があることで共感したり、違いからヒントを得たり、助け合うことができることでしょう。

望むことは、これから技術の世界に魅せられ一歩を踏み出す女性たちが、自信を持って進めますように。今戦っている女性たちが、真の能力を発揮し輝けますように。

Code Polaris にエールをこめて!🍀

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ところで、そんなこと言っても誇張し過ぎなのでは?と思われる方は、ぜひ「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んでみてください。(映画の方は美談にされてそうなので本をお勧めします。)主人公の女性の視点で、"女性であること" が描かれています。韓国が舞台なのに共感を感じるのは、やはり女性であることに起因する闇があるのでしょう。

この本を読んで感じたことはこちらに記しました。

あとがき

Code Polaris では、立ち上げ間もないにもかかわらず、多くの女性がご参加くださり、主催者自身が驚いています。

フロントエンドからサーバーサイド、インフラまで幅広く、使用される言語の幅も広いです。学生さんからお子さんのいらっしゃる方まで、年齢層も生活圏も様々です。

彼女たちが心置きなく学ぶことができ、実践を身につけ強化し続けられるような居場所を目指します。

自信をもって活躍する女性たちに幸あれ!💪✨

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画像提供
https://flic.kr/p/5WVZME

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