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#どこでもない場所

【ブックレビュー】どこでもない場所

「事実は小説よりも奇なり」などという言葉はあるけれど、これが事実なのか小説なのか、本当に分からなくなるから、まさに迷子だ。 浅生鴨さんの最新刊「どこでもない場所」は、エッセイ本として出版されているが、まるで短編小説を読んでいるかのようだった。 ただ、この世の中に「事実」などというものはなくて、全ての物事は「自分の目」というフィルターを通してのみ表現される幻想なのだから、それが真実だろうと幻想だろうと、他の人から見れば等しく「物語」なのだろうとも思う。 表題作の「どこ