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医師らグーグルを集団提訴「マップの不当な投稿放置」

 医療施設を経営する63の個人・法人が米グーグルを提訴した(東京地裁)。訴状によると、米グーグルが運営するインターネットの地図サービス「グーグルマップ」上にある「口コミ」への不当な投稿が放置されていることによって営業権を侵害されたとしている。
 「口コミ」とは病院・飲食店等の口コミ情報を誰でも投稿したり、5段階で評価したりすることができる機能。病院・飲食店選びの判断材料として無料で誰でも閲覧できる一方、改ざんや事実に反する投稿も行うことも容易で、悪質な場合は病院・店の名前や所在地を勝手に変更される事態も起きている。グーグルマップは利用者も多いため、書き込まれる情報は経営に大きく影響するが、対応策として経営者はプラットフォームであるグーグルに削除要請をすることしかできないのが実情である。
 私自身もクリニックを探すときはグーグルマップの口コミ情報も参考にしており、悪評の多いクリニックは避けることが多い。しかし、その情報が正しいかどうかを判断することは難しく、中には経営者自らが高評価を書き込んでいるケースもあるため、信頼性が乏しいと感じている。自分の体を診てもらうクリニックの情報は少しでも多く得たいと誰もが思うのは当然だが、利用者の生の声を知るにはグーグルマップ等のインターネットに頼るしかないため、その影響力はかなり大きいと考えられる。
 以前から食べログの不当な評点調整の問題や、最近ではFacebookでの有名人なりすまし広告の放置によって運営会社であるMeta社が提訴されるなど、大手のインターネットプラットフォーム会社の社会的な責任が問われている。言われのない不当な名誉毀損や営業妨害は決して放置されて良いはずがない。これからはただ泣き寝入りするのではなく、団結して戦っていかなければいけない時代になっているのかもしれない。
(時事メディカル2024年4月18日  https://medical.jiji.com/news/58770)