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Creepy Nuts × 菅田将暉 『サントラ』を聴いて

前置きをするが、私はオールナイトニッポンをよく聞いている。
いつからと言われれば分からないが、
「明るい夜に出かけて」という佐藤多佳子さんの小説の中で
アルコ&ピースのANNを軸になっていることもあり、
ラジオって面白いのかなとふと思い、聞き始めた。
 
それまでは、ラジオという媒体はDJが好きな音楽をかけていたり、
少し意識の高い人が聞くものだと考えていた。
(日中は会社でJ-WAVEがずっと流れていた影響もあると思う)
 
オールナイトといえば、以前高校生の時に聴いていたmiwaの印象が強かった。
彼女の親近感というのは、ラジオでは色濃く反映されており、
本来知りえないであろうエピソードなど含め、新鮮味で溢れていた。
 
そんなこんなで、私はアーティストのラジオの方が聞きやすいだろうと思い、
Creepy Nutsのラジオをまずは聞いてみることにした。
そこには、私が知らないラジオの世界が広がっていた。
 
私はMCバトル三連覇をしたR-指定と
その時もすでにDJとしての腕は評価されていたDJ松永の
ヒップホップユニットのラジオを聞いているはずだった。
ところが、彼らは全く出演せず、「お刺身DJ刺し太郎」と「背油ラッパーちゃちゃ太郎」
が番組を乗っ取り、高校生のような掛け合いをし始めた。
 
最初、私にとっては受け入れがたい内容だったが、くだらないやり取りを
徐々に欲するようになった。
 
前置きは長くなったが、この数奇なラジオの運命が繋げた曲こそが、
サントラだ。
菅田将暉さんは、去年オールナイトのアーティストが紅白全員出れて嬉しいと
NHKから声もかからなかったCreepy Nutsを罵ったりすることができる
言わずもがな国民的大スターだ。

そんな両者が出会うきっかけは昨年の夏前だったと思う。『菅田将暉のANN』のオープニングトークで、タイトルコールを2度読み上げてしまったのだ。
過去に、『Creepy NutsのANN0』 でR-指定が複数回このミスを犯していたことから、この日の放送のリアクションメールは、R-指定のダメなところを読み上げる回になったのだ。
そんなリスナーの悪ノリや作家の演出から話は展開していき、以来、両者の番組で週に一度ずつ挑発しつつ、何だかんだあって、8月5日の『菅田将暉のANN』にCreepy Nutsがゲスト出演することになった。そして、その番組内で、菅田さんが「リスナーのみんな、聞いてるか? 本当に作るぞ!」と明言し、両者のコラボ曲の制作が本決定したのだ。
その時は、リスナーは半信半疑で、またテキトーなこと言ってるよと思ってたと思う。

 
曲の内容としては、アーティストと俳優が重なっている部分の
サウンドトラックを軸にした内容だ。
R-指定さんの生々しく聴いて気持ちのいいリリックかと思えば、
パっと辺りが開けるようなパンクのようなビートに乗せた
菅田将暉さんの歌声。
何よりもこのようなトラックを童貞が作ったことに驚いた。
 
私はこの曲が好きだ。配信される24時からスタンバイし、
フルをラジコ以外でも聴けると思った時の高揚感は忘れられない。
 
私は、これを機にサウンドトラックの良さを改めて感じた。
ジブリのサウンドトラックなど日本には多くの名盤が存在しているが、
やはり、名盤といえば 踊る大捜査線のサウンドトラックだろう。
 
どの曲を聞いても明確にどのシーンかが分かるような音楽。
高揚感や侘しさ、何よりも青島らしさがあふれる曲の数々。
久々に聞いた私は胸を打たれた。
 
皆さんにもぜひ今一度サウンドトラックを聞いてほしい。
好きな名盤は人それぞれだと思う。
そんなサウンドトラックのあり方や振り返る機会をくれた
Creepy Nutsさんと菅田将暉さんには感謝したい。
サウンドトラックは物語を刻み付けるためにあるのだと。
 
 また、今年の紅白は本当にオールナイトメンバー全員で出れるのではないかと、
「あの日でっち上げた無謀な外側に追いついていく物語」を見れるのではないかと私は夢を見ている。


いや見せてくれ。Creepy Nuts。


終わり


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