著名人が政治的意思表明をしない問題とか、「普段は政治的発言をしないけど」が冠につく人たち案件
おはようございます。文筆業の鈴木大介です。読者いるのか思うけど、お久しぶりです
さて、著名人が政治的意思表明をしない問題とか、「普段は政治的発言をしないけど」が冠につく人たちの気持ち、実は少しわかります。というのも、僕自身が、普段から特定の政党・勢力を立てたり下げたりするような発言を、とても慎重にしているから。
そのことについて、ちょっと書いてみようと思いました。
さて、どうして僕は政治的発言を控えるのか。
その理由を一言でまとめると、
「一番伝えたいことが伝わらなくなる」
「多くの人に知ってほしいことが、一部の人にしか知られない」
からです。
文筆業としての僕は、一貫して「苦しいといえない人の声を無視する世の中であってほしくない」「彼らの言葉にならない気持ちを言語化する仕事がしたい」というテーマでやってきています。
その目的遂行のためには、伝える相手はどの政党やどの勢力の人であっても構わないのです。現保守政党については怒っていることもたくさんありますが、「彼らが苦しい人や困っている人を最優先する世の中にします!」と本気で動いてくれるのなら、彼らを支持します。支持しないのは、そうでないからにすぎません。
でもそういう意味で言えば、僕が支持できる政党って与野党どちらにも存在しないし、ここに任せればパーフェクトなんてところは全然ない。
で、多分、普段から政治的言動を控えている人には、同様の感覚があるのだと思います。僕がより多くの人に自分の音楽を聞いて感動してほしいと思って、それを自分の一番の目的としている音楽の作り手なら、やっぱり発言は控えめになるでしょう。
もちろん、戦略はふたつある。政治的志向を強く表明して、自分と同じマインドの人たちをたくさん広げて、その中に自分の伝えたい情報を広めていくことも戦略。ゆうたらこれは、ネット右翼なんて呼ばれる人たちの手法ですね。左翼も同じだけど。
だけど僕が伝えたいことは、右の人にも左の人にも伝えたいことなんです。だからやっぱ「普段は政治的発言を控えてるけど」って頭につく。
でもね、怒ってないわけじゃないよ。だから、今声を挙げなければってタイミングでしか、挙げないってことだよ。
さてこっからは余談です。
僕がこんな風に考えるようになったのは、東日本大震災がきっかけです。
ぶっちゃけ言ったら僕は思いっきり左寄りの人間なんだけど、反原発のデモなんかの流れの中で、ふたつの巨大な違和感を感じました。
1・反原発の人の中に、明らかに非科学的な扇動者がいて、びっくりするほど多くの左さんがそこに流されているやないか。
2・僕は反貧困であるけど、反原発のプラカードの中に反貧困があることのはなんで?
1については、扇動者だけでなく、人の不安につけ込んだ善意の非科学ビジネスも乗っかっているのを取材して、同じ反原発の中でも科学勢とオカルト勢のマウントがあって、結構うんざりした。
2については、間違いなくあそこに掲げられたプラカードの多くが、「それによって新たな賛同者を得る」という目的には全く寄与しているようには思えませんでした。
マイノリティが言葉を掲げる時、マイノリティ同士が集まらなければならないという理屈はわかるけど、僕は反貧困を願う人達が、「あ、あの人らと一緒にいるということは、非科学的な感情論者だったり、怪しい人たちかも」と思われたら本当に困ると思った。
僕の中もまさしく非科学的な感情論者なところはあって、自身のイシューを伝える際にそこが全面に出たら「届かないな」って留意しているので、なおさらだった。
こうしたことは、いまも往々にして起きていて、例えばGW明けに起きた「検察庁法改正法案に抗議」と官邸サイトの三権分立が変な表記になってる問題が混ざったこととかね。ものすごく、モヤりました。
いや、原発災害後は哀しかったな。SNSなんかでものすごく過激で非科学的な言説に染まっちゃってる人のプロフィールみると、音楽的趣味だったり読んでる本だったりが、間違いなく一緒に一晩呑めそうな人だったりして、人がそういうところでまじり会えなくなる悲劇があるんだなって思ったし、僕は衝動的な発言によって伝えたい人の幅が狭くなってしまうことを、何より危惧するよ。
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長くなった。
なんかノートの更新が、絵に描いたような三日坊主なんだけど、
高次脳機能障害そろそろ5年生の僕は一日に使える脳の認知資源(エナジー)がまだまだ少なくて、ぎゅーっと書くと他のことが書けなくなってしまったり、大事にしたい妻に配慮できなくなったりするので、更新しなくてごめんなさい。
また新刊も出るタイミングなので、少し頑張ってみようかと思っています。
ほら、でも上記の僕の記事で「あ、こいつダメ?」って思った人は、次の僕の新刊も読んでもらえないかもしれないでしょ。なので、色々踏みとどまるのです。
おしまい
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