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ダイン流エッセイ漫画の描き方

今回は、僕がエッセイ漫画を描く時にどんな手順で描いているかを書いてみようと思います。

参考にするのは、ふんわりジャンプで連載しておりました『僕に彼女が出来るまで』の第1話です。現在、noteでプロローグ~第3話まで無料公開してますので良ければ読んでみて下さいね。

エッセイ漫画の描き方と言っても人それぞれだと思いますし、もっと言うと僕はもともとストーリー漫画を描いていましたが、その頃からほとんど作り方は変わっていません。それは多分、僕カノを描くことになったときにエッセイ漫画とストーリー漫画の中間ぐらいをやりたいという思いがあったことにも関係しています。だから、エッセイ漫画を描くにあたって大きく変えた部分と言えば絵柄ぐらいかもしれません。逆に言えば、ストーリー漫画を描きたい方にも参考になる部分はあるかと思います。僕がこれまでに描いた漫画で無料で読めるものをまとめましたので、良ければこちらもチェックしてみて下さい。

ざっくりと僕がエッセイ漫画を描く手順を分けるとこんな感じになります。

1、体験したことを文章に書き起こす
2、シナリオに落とし込む
3、小ネームを描く
4、ネームを清書する
5、ネームチェック
6、下書き
7、ペン入れ
8、仕上げ
9、完成

それでは、僕カノ第1話を例にして各手順についてご説明します。

<手順1 体験したことを文章に書き起こす>

僕カノ第1話は、僕が初めて街コンに行った時のことを題材にしています。そして以下のものが、僕がその体験をもとに文章化したものです。話し言葉っぽい文章なのは、ちょっと説明がややこしいんですが、この話はもともとは漫画化しようと思っていたわけではないんですよね。じゃあなんのために文章化したかと言うと、僕はたまにニコ生をやっているんですが、その時にこの話をしたら面白いんじゃないかと思って文章に残しておいたんですね。だから話し言葉っぽくなっています。後に本格的に漫画にすると決まってからはもっと詳細なメモ(会話の内容など)を書くようになりました。

吉祥寺 2015年10月25日
部屋にいると新たな価値観が生まれないなと思い、街コンに行った。男が33までで、女性が20代。40人くらい。1クラスくらい。バーみたいなとこを貸切。机が1~5くらいに分かれていて最初に振り分けられる。立食形式で飲み放題。1グループ15分くらい。だから学校の休憩時間みたいな感じですぐ終わる。僕らのグループは男三人で、一人は若くて普通の感じの人、もうひとりは僕より年上。女性は23とか若かった。実際23歳を前にするとめっちゃ若い。何を話せばいいか分からない。自分の妹とおなじ。しかも時間が短いからどこに住んでるか、どんな仕事してるかくらいで終わる。職業は無職はさすがにまずいと思い、漫画のアシスタントやってますって言った。僕以外は病院関係者で、研修医って言ってた。年上の人はイケメンってわけでもないけど話を振るのがうまくて頼りになる感じだった。
プロフィールカードみたいのがあって好きな異性のタイプを書くところが
あった。みなさんだったらなんて書きますかね?まぁこれはアイドルではないだろうと思って女優だったらだれだろうと考えて、実際池脇千鶴とか志田未来とか丸顔の人が好きなんですけど、もっとわかりやすい人がいいなと思って乙葉って描きました。藤井隆の嫁の。女性陣は妻夫木聡とか市原隼人とか佐々木蔵之介とかだったりするんですけど、それって僕らが北川景子とか綾瀬はるかとか書くのと同じで結局妄想でしかないわけで特に話も広がらないんですよね。でも、さっきいった年上の彼はちょっと違いまいた。ギャル曽根ですね。あぁこういうことかと思いました。ギャル曽根ってこういっちゃ悪いですけどちょっとハズシの回答じゃないですか。でも絶対それでちょっと場が和むんですよね。ギャル曽根て!みたいな。
その人は女性の出身地とか聞いても無理やりにでも自分との関連性を見つけだすんですよね。そこは出張で行ったことありますとか兄弟が住んでましたとか。それがすごいなって。僕は基本ずっと家にいるんで地理も詳しくないし、話を広げられないですから。食とかにも疎いんでみんなが今何ラーメンが熱い、塩パイタンスープがどーだとか盛り上がってる時に佐藤さん何ラーメン好きですか?みたいに聞かれてなにも引き出しがないからう~ん天下一品とかたまに食べますかね。って言ったらそれはちょっと別枠ですよね。みたいな変な感じの空気になって。天下一品と二郎はラーメンじゃないみたいな。そういうMC力というかコメント力の差を見せつけられました。僕の武器は一個しかないですから。女性と話すときのネタは。ジブリ映画で何が好きですか?これのみです。大体みんなジブリ好きだろうという憶測からなんですけど。だからと言ってそっから何か展開するわけじゃないですけど。でも耳をすませばは好きでいて欲しいですね。
でも何か結果を残そうと思って一応連絡先を聞くわけです。これだけでも僕にとっては結構な進歩ですからね。人生において自分から連絡先を聞くことってほぼないですから。でもそもそも出会いを目的に集まってるわけですから聞かれたら答えるのがマナーみたいなとこあるから多少こっちも強気になれますよね。んでいざ、終わってから連絡しようとしてもだれが誰か分からなかったです。みんなおなじような名前で。まみ、ゆり、かなとか。それは失敗しましたね。やっぱりある程度いいなと思った人だけにすれば良かったかなと。あと、一見話が弾んでこれはいい感じなのか?と思った人は以外と連絡しても無視されたりしましたね。結局そういう女性ってだれに対しても人当たりが良くて、どうすれば男が喜ぶかわかってる人なんだろうなって。だから勘違いしてしまうというか。
んで、街コン終わったあとに最初のグループになった人たちでこの後飲みましょうみたいな話になったんだけど、ちょっと用事があるんでみたいな人とか、遠いから帰りますみたいな感じで結局そのイケてるお兄さんと僕と女の子1人と三人だけになって。その子は僕は割りといいなと思ってたんでテンション上がったんだけど店に辿り着くまでの間にすでにその子とお兄さんがいい感じになってて。
僕は完全に蚊帳の外で、むしろいない方がいい感じで。そう思ってしまうと一気にテンションが下がって。それを悟られたのかどうかはわからないけどテーブル席で僕とお兄さんが隣同士で、僕の前に女の子が座ったんだけど
もう僕の方を見てくれない。ずっと顔が斜め向いてる状態でした。しかもお互いの恋愛感とか話だして。学生時代味わったあの感じまたきたーと思って。つまりその、色恋沙汰ですよね。誰と誰が別れたとかどこにデートに
いったとかキスしたとか。そういうのしらねーしみたいな。振られても何も話題ありませんから。大人になると特に男だとあんまりそういった話しないと思うんですよね。でもそれを真面目にふたりで話し出して。子供は男の子がいいとか。束縛は大人になるとしなくなるとか、同棲すると価値観かわるとか。そんなんしらねーから。
もう一刻も早く帰りたかったです。お兄さんがタバコとかトイレでよく席を立つんですよね。そんときがもうきついですよね。さすがにしゃべらないと変な感じになるんで。もうお互い、お兄さん早く帰ってきてくれと思ってるわけです。なんだろうこの状況みたいな。で、女の子は年下だからおごってあげて。寒空の下帰りましたね。
【その後のやりとり…】
10人くらいラインの交換をしたが、ラインでは登録した名前が表示されるため誰が誰か分からなくなる。
経営コンサルタントの子…予定が合わず、予定が分かったら教えて下さいと送ったきり終了。
山梨在住の美人…何回かやり取りしたが、急に返事が来なくなって終了。
○○さん…返事はめっちゃ遅いが、後日デート。
○○先輩と友達になる。

この段階においては、面白いか面白くないかは置いておいて、事実のみを淡々と書き出していきます。


<手順2 シナリオに落とし込む>

ここで漫画が面白くなるかが決まります。

手順1において書き出した事実をもとに漫画として面白くなるように骨格を組み上げて行きます。

まず、その物語において主人公が何を目的にしているのかを明確にします。連載形式であればその漫画全体の目的を示す必要があります。例えば『ワンピース』であれば「海賊王になる」とか「ひとつなぎの大秘宝を手に入れる」とかそういったものです。僕カノであれば「31歳童貞が恋愛する」「自分をさらけ出す」がそれに当たります。これは、第1話の前に公開したプロローグにおいて明確に示しました。

漫画全体の目的を明確にすることも重要なのですが、連載形式の場合は各エピソード単位でも目的を示す必要があります。そうしないと読者がついてこれなくなってしまうからです。

僕カノ第1話の場合、「初めての街コンに参加して、良い人を見つける」ということが目的になります。その目的を意識しつつ、構成を考えます。その時に一番大事にすることは…

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