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僕が考える漫画賞に引っ掛かる方法

この記事はこれから漫画家になろうと思っている人に向けて書いています。漫画家になる方法は多様化していて、最近ではネットからいきなり単行本化なんてケースも増えていると思います。漫画家になる方法は大別すると以下のようになるでしょうか。

・投稿する
・持ち込みする
・ネットでバズらせる

それぞれにメリット、デメリットがあると思います。今回言及するのは「投稿」についてです。僕はこれまでにいくつかの漫画賞に応募してきました。大賞のような一番良い賞をもらったことは無いのですが、小さな賞を含めると打率は7~8割くらいにはなると思います。僕が漫画賞を応募する上で考えたことをまとめてみました。

ちなみに、僕の全応募作品を紹介している動画もあります。


ステップ1 好きな雑誌は何か考える

あなたが漫画家志望者だとすれば、おそらく漫画好きでしょう。そして、好きな雑誌があると思います。雑誌にはそれぞれ色があると思います。アクションだったり、ファンタジーだったり、ヤンキーだったりそういった話です。萌え系の雑誌にゴリゴリの劇画漫画を送る人はあまりいないと思いますが、好きな雑誌に応募することはけっこう重要じゃないかと思っています。

なぜかと言えば、その雑誌がどういう漫画を求めているかを判断しやすいからです。言い換えると、その編集部と自分のツボが同じとも言えると思います。ツボが同じなのですから、自分が良いと思ったものを編集部も良いと思ってくれる可能性が高いと考えます。

例えば、僕が好きな漫画家の先生は偶然ですが雑誌で言うと当時スピリッツで活躍されている方が多く、スピリッツだったら僕の漫画を理解してくれるだろうと思って応募し、初投稿で漫画賞を受賞し、その後デビューしました。

もちろん、好きな雑誌だからと言ってその雑誌にこだわり続けることで可能性を狭めてしまうこともありますので、落選してしまったのなら気持ちを切り替えて別の雑誌に応募する潔さも時には必要だと思います。


ステップ2 一生懸命描く

絵がうまいに越したことは無いのですが、それは後から付いてくるものだと思います。仮にあなたが絵が下手だとしてもできることがあります。それは一生懸命描くことです。例え下手な絵であっても、適当に描いた絵なのか一生懸命描いた絵なのかは必ず伝わります。編集者がどちらを育てたいかを想像すれば、自ずと取るべき道が見えてくると思います。もちろん、あえてゆるく描く作風もありますのでこの限りではありませんが…。

下図は、扉絵として描いた1枚です。決してうまくは無いと思いますが、一生懸命描いたという自負があります。

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ステップ3 グッと来るシーンを入れる

ストーリー漫画の場合、進行に合わせて徐々に盛り上げて一番の見せ場を終盤に持ってくるという基本形があります。一番の見せ場を一番カッコ良くバシっと決めるのはもちろんなのですが、その他にも自分のグッと来るシーンを入れ込むことでより自分らしさを出せると思っています。そのためには色んな作品を見て、自分がどこにグッと来るのかを把握してストックしておく必要があります。自分の性癖を理解し、作品でその性癖を披露するみたいなイメージです。

例えば、僕は小柄でむっちりした女性が好きなので作品に登場させました。

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同じ作品ですが、この下のコマなんかは何となく北野武監督の映画っぽさがあるかもしれません。

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この作品は全体としては、是枝裕和監督の『歩いても 歩いても』という映画の雰囲気を参考にしつつ描きました。落ち着いた雰囲気の映画ですが、僕の琴線に触れまくりでした。漫画でも映画でもいいので、そういった自分の好きな作品を増やしていくといいと思います。それらを自分なりに咀嚼して、作品に反映させます。それが自分のオリジナリティになっていくものと考えています。

いかがだったでしょうか?今回は精神的な話になりましたが、もちろんコマ割りや演出、ストーリー展開などテクニカルな問題もあると思います。だけど、それはいずれ身に着けていけば良いことであって、投稿の段階では上記の3つの方が重要なんじゃないかなぁ~と僕は思っています。要は「こいつは何かあるな」と思ってもらえればそれでいいのです。そう思ってもらう可能性を広げるために、「好きな雑誌に、一生懸命描いた作品を、自分のグッと来るシーンを詰め込んで応募する」のが良いんじゃないかと思っています。僕は編集者じゃないし、実際はどこを見ているかは分かりません。ただ、経験として語ってみました。参考になれば幸いです。



夕飯が豪華になります。