梅雨の晴れ間に僕は公園の片隅でボケタンと座った

2021年6月17日、木曜日。
今日は、今日こそは!絶対に!!
なーーんもしない日にするつもりだった。今の仕事になってお休みは増えたのは良いけど、今まで休みが少なかった反動で、休みとなると何かしたくて、何処か行きたくて、さすがに疲れちゃって。
ちょっと小休止。ちょうどいつも行くジムもメンテで休みだし、お金も無いし、いいかなと。

起きたら9時。
ぴーかん晴れ。
もったいねえな、と早くも脳裏によぎるが、気を取り直してボンヤリする。なんだそれは。
家中の窓を開けて、小さなお庭に水を撒いて、食虫植物に水をあげて、昨日の豚丼の残りを倉橋ヨエコよろしくタマゴで閉じて(言えない気持でもあるのかキッド)、それ食べてたら11時。

あっ、お墓参りに行こう!

突然、そう思った。そんなにヒマなら顔でも出せ、と祖父母が呼んでくれたのかも知れない。豊橋市内にそれぞれあるので、母方と父方のお墓を回る。お墓のハシゴだ。
父方の祖母は大変なお酒好きで、まあそれで辛い思いもしたけど、もう健康だの飲みすぎだのを気にする必要もねえだろってんで、大好物だったキリンラガービールを一本だけ買って持っていく。
豊橋市内が見渡せる高台に並ぶ墓石の群れ。その中の一つが僕のおばあちゃんだ。
亡くなって何年だっけ、平成で書かれると令和になってから数えるの意外とめんどくさいな。まあいつでもいいや、一回死ねば、もう居なくならないんだからそれ以上は。

お墓に水をかけて、お花がきれいなので、たぶんおじいちゃんが近いうちに来てたんだろうとお花にも水をやって、よく冷えたラガービールをコトンと冷たい音をたててそこに置いて。

そこでボンヤリ突っ立って空を見ていたら、だんだんと暗い雲が広がって来た。山肌をすべる風がまた少し冷たくなって、とても気持ちがいいが、これは雨が降るかなあ。
お墓参りだから合掌してお祈りだのお願いだのもするんだけど、別におばあちゃんの家に居る時なんか寝転んで何にも話さないでボケーっとしてたり、そのまま寝ちゃってたりもしたんで、お墓の前に居ても、まあボンヤリしてりゃいいのかも知れない。別に人も全然いないし、木々の緑のお線香の匂いくらいしかせず、麓の病院に救急車が来て、近所の学校のチャイムがボヤけた音を鳴らしてる。

良い時間だったな。

そっから母方のお墓に戻る。こっちは曽祖父母、伯父、祖父母が入っているお墓だから賑やかだ。草を抜いて水をかけて、お墓に居た野良猫が減ってることに気がついたり、そういえば結構キッツイ性癖のエロ本とかよく落ちてたなって思い出したり。
そっから、隣にある緑地公園で少し座っていた。
公園の片隅に神社があって、その手前んとこにポツンとベンチがある。
中学んとき、付き合ってた女の子とよくここでおしゃべりをした。
今度こそ全然だーれも通らない公園の片隅で、空を見たり立ち上がって深呼吸したり、ボケタンとしてたら昼過ぎてたのでゲンキーさんで買い物して帰って来た。

何もしない、にしては、ちゃんと休日を過ごしてて、まあ良かったんじゃないかなあ
お墓参りには、行っておくものだ。

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