藍を始めて思うこと 自然とか本物志向とか
藍を染めるためには昔ながらの方法とか本藍やらインジコやら発酵建やらグルコースだなんだとあって、本で読んだりしただけでは到底理解できない。
そんで実際染めている人にはずいぶんと質問攻めしたが、それぞれみんなやり方が違う。こちらではこれ入れるといいと聞いたものがあちらでは効き目ないょといわれる。沖縄で広く伝わっているやり方にもハテ?と思うこともある。インターネット上や本に書いてあることもいろいろありすぎる。つまり正解はないんだね、と理解しております。経験することで自分に合うものと出会いたい。
ただ、その中で気になる点がある。ネット上などで見る「売り文句」の本藍だとか発酵建だとかにこだわる感じです。そういうのが多いからか逆に合成藍を1割入れていますとか気にしているのも見たことある。そんなの気にしなくていいのに。
最近は別分野でもそんな雰囲気を感じることがよくある。漆の世界の本漆だとか合成だとか、または草木染めだとか化学染料だとかもそうだな。紅型でいうと本顔料だとかという謎の言葉がまかり通ってたりする。本物志向の勉強不足。
昔ながらがすごいのかい?それは本当に昔と同じなのかい?←ここ重要 。現代において昔と全く同じ全部天然なんて無理やねん。電気水道ガス使うし空気やら水やらそんな根本から違うんだもん。突き詰めたら最後はそこにぶち当たる、シンプルにできない。
たしかにいい布にいい時期の藍が使えたら勝手にいいものになってくれる感じはわかる。わたしのヘナチョコが素材に助けられてグーンとUPする感じわかる。そのいい素材とは昔のものみたいに手間を惜しまず丁寧に作られたものがほとんどだ。
だけどだけど、それだけじゃない、何使ったって気持ち悪いものは気持ち悪い。清いものは清いでしょ。だいたいさ、今地球にあるものはみんな地球にあったものからできてるんだからもとは天然じゃね?天然と天然を混ぜて人工物とか化学なものができてるんだからなー、とか考えが脱線していく。
とにかく素材や工程や背景を聞いたからって全部いいって判断しない。みんながいいと言っても有名でも惑わされずにいたい。
私自身、発酵建はいろんな面で楽だったからこれからもやるけど、こだわりではないし他のやり方も試したい。今還元剤を入れたものもやってみている。いいものができるならやり方は問わない。
どんなやり方したって藍染めの全てはものすごく手間がかかるのは間違いない。それは今も昔も同じ。その中でもほんとうに最後まで手間を惜しまず妥協しないで作ればどんどん楽しくなる。それはわかってる。そうして出来上がったものが背景も何も知らない人に響いてくれたらいいな。