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正倉院展と手わざ展みて思ったこと。その2

同じ時期に開催されてるからついつい比べてしまう。

まず国と県の差をすっごい感じた。お金のかけ方が違う。正倉院のはやっぱ国だね、時間と労力それに予算、沖縄とは段違い〜!沖縄は沖縄なりに頑張って予算を確保したかもしれないけど、試作に手間取り時間が足りなかった人が多そうだ。あと一年分予算があれば、もっともっとつきつめられたのでは?などと思う。

私達も年度の関係で寒い冬に最後の藍を染めないといけなかったので、これが良い季節を選べればまた違ってきたと思う。この後から藍がわかってきたから尚更。

金銭面でも、試作制作にはかなりの時間を割かれるので材料費、制作費などはしっかり頂いたが、普段の仕事ができない分と比較すると足りないくらいだった。

正倉院は明治とか昭和とかに手がけているものもあるから、沖縄もいっぺんにやるんじゃなくて、これから毎年少しずつ継続してやってもいいんじゃないかなーとも思った。すっごく勉強になるからもしも絶対無理と思う依頼がきても無理して絶対やった方がいい。

それから、正倉院展の図録にはどうやって作ったのか解説があって、訳のわからない材料がたくさんでてきておもしろい。たとえばお面の最後に塗る油の配合によくわからないものいろいろに混ざって生姜とか唐辛子も入っていた。奈良の漆の家で代々伝えられている配合らしい。なんでこれが入るのかいつだれがこれを入れるといいと気付いたのか…。

正倉院展の図録みたいに手わざ展にももう少し材料とか詳しく書いてほしかった。そして、両方とも現存する現物の写真も載せて欲しかったなー。どんだけボロボロなものからこれを作れたんだー!とか思いたかった。

それから気づいたこと少し。正倉院のものは鳥がやたら多い。鳳凰はあるが、龍は見当たらなかった。花喰い鳥がやたらいる。オウムもいた。

あと私が好きなのはものの呼び名の響き。紅牙撥鏤尺「こうげばちるのしゃく」とか 金銀平脱八角鏡 「きんぎんへいだつはっかくきょう」とか声に出して読みたい日本語って感じのいい響き。

などなど、図録見ててもおもしろいからつらつら書きました。



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