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大手取引所FTXの破綻で注目されるプルーフ・オブ・リザーブとは？CEXの信頼回復には繋がらない本当の理由

dYdX Japan Community

2022年11月、世界最大級の取引所FTXが破綻。あまりに予想外の出来事に、暗号資産業界の歴史に残る大混乱となりました。

暗号資産業界の先駆者達の間でもツイッターを中心に「CEXの在り方」が見直されています。

そんな中、一部のCEX（中央集権型取引所）では、「Proof of Reserve（プルーフ・オブ・リザーブ）」を採用する動きが広まっています。

取引所の信頼を証明するプルーフ・オブ・リザーブに注目が集まる一方、証明として不十分であるとの声も聞かれます。

この記事では、プルーフ・オブ・リザーブとは何か？
これによって証明された取引所は、本当に安全といえるのか？について解説します。

１.　Proof of Reserve（プルーフ・オブ・リザーブ）とは？

Proof of Reserve（プルーフ・オブ・リザーブ）とは、取引所が顧客が預けている資産の額と同等またはそれ以上の資産を確保していることの証明を意味します。この証明は第三者機関によって審査されます。

FTXは、2022年11月に関連会社の財務状況に関する問題が指摘されたのをきっかけに崩壊。恐怖を感じたユーザーが一斉に出金しようとしましたが、FTXは対応しきれず「出金停止」を決定しました。

大手取引所であったFTXを信頼し、資産を預けていた世界中のユーザーが自分の資産にアクセスできない自体に陥ったのです。

これをきっかけに「CEXを信頼できるのか？資産を預けて大丈夫なの？」と不安に感じるユーザーが急増しました。

そこで解決策として提示されたのがプルーフ・オブ・リザーブです。この証明の仕組みを見てみましょう。

取引所から監査を依頼された第三者機関は、取引所の資産残高のスナップショットを取得します。スナップショットとは、ある地点における残高のデータが記録されたものです。

この取引所の残高が、顧客の預金を上回っていることを証明すれば、顧客の安心材料となります。

次に、第三者機関は、顧客がいくら取引所へ資金預けているのか検証しなければなりません。顧客の個人情報を入手せずに預金額を調べる手段として「Merkle tree（マークルツリー、別名ハッシュツリー）」があります。

マークルツリーは、コンピューターのデータ構造です。ビットコイン等の暗号資産では、ブロックチェーンに記録されたデータを効率的に暗号化するために使用されます。

出典：Simpli learn

このマークルツリーの特徴は、膨大な長さのデータもハッシュ値と呼ばれる文字列に変換されるため、情報は一定の長さに暗号化されることです。

例えば、以下の単語のハッシュ値をみてみましょう。

「dYdX」のハッシュ値: 7071338121ff6aa1d14bf1dcacf7061e
「トレーディング」のハッシュ値: 393dfa6b9435d7c1a841f8935613f67e

このように、異なる長さの単語でも、同一の長さのハッシュ値に変換されます。暗号化されるため、プルーフ・オブ・リザーブのプロセスでも個人情報は暗号化されます。

２.　指摘されるプルーフ・オブ・リザーブの欠点

プルーフ・オブ・リザーブは、取引所の資産で預かっている顧客の資産をカバーできることを証明することができます。

しかし、取引所から資金不足によって出金が不可能となる事態は回避できると断言できるでしょうか？

dYdXの創業者アントニオ氏は、とあるトレーダーの投稿をリツイートし、「なぜCEXがPoRを証明できないのか」指摘しています。

このツイートでは、取引所の中には、プルーフ・オブ・リザーブの監査に通るために必要な資産を借り入れている可能性があるのです。

2022年11月25日、バイナンスがプルーフ・オブ・リザーブのシステムを公表しました。これに対して大手取引所Krakenの共同創業者兼CEOのJesse Powell氏は、以下のように述べています。

「I'm sorry but no. This is not PoR. This is either ignorance or intentional misrepresentation.
The merkle tree is just hand wavey bullshit without an auditor to make sure you didn't include accounts with negative balances. The statement of assets is pointless without liabilities.」
ー 悪いけどこれは間違っている。PoRとは言えない。無知または意図的ともいえる不当な説明です。
マークルツリーは監査人なしで負債が含まれていないことを確認するデタラメに過ぎない。負債が含まれていない資産報告書には、何の意味もない。ー

Krakenの共同創業者兼CEOのJesse Powell氏

このように、一括りにプルーフ・オブ・リザーブと言っても、本当に正しい方法で執り行われた証明であるかどうか疑問が残ります。

つまりプルーフ・オブ・リザーブの証明だけで、100％その暗号資産の使用が安全であると結びつけることは困難です。資産が確保されていることを完全に証明するためには、取引所の負債や第三者との契約内容なども含めて総合的に判断する必要があるでしょう。

最後に

FTXの破綻で混乱が続く暗号資産業界ですが、プルーフ・オブ・リザーブが完璧な解決策とは言い切れません。証明できる内容の正確性には限度があり、プルーフ・オブ・リザーブで提示されたデータ以外にも負債や契約などを総合的に審査する必要があるからです。

取引所の利用に不安を感じる方は、DEX（分散型取引所）の使用を検討しましょう。dYdXは、最大規模のDEXであり最大20倍のレバレッジトレーディングを利用可能です。

FTXなどのCEX（中央集権型取引所）とdYdXの大きな違いは、dYdXは資産を預からないこと。個人情報の提出も不要なので、自分のウォレットを接続するだけですぐに取引を開始することが可能です。

ぜひこの機会にdYdXをチェックしてみてください！

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