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プランキッズの大挑戦〜YUDTに学ぶ安定感の「足し算」と「引き算」〜

◼️はじめに

皆様、noteをご覧に来ていただき誠にありがとうございます。本noteはプランキッズでYUDTに挑戦するための考え方を解説します。ちなみに私自身はYUDT(2021年)には出場しない身ではありますが、特殊なルールであるため、研鑽の一部として使用していただければ幸いです。

◼️YUDTの特徴を踏まえて

まずは大会の特徴を認識します。

●スイスドロー方式3回戦(同程度の力量同士で対戦が組まれる)
●シングル1本勝負
●引き分けがある(25分で決着がつかなければ引き分け)

※他にもルールがありますので、詳しくはこちらをご確認ください。

3回戦やって勝敗が全て決まり勝つことができれば当然優勝ですが、2勝0敗1分のような人が発生し、最後はじゃんけんで決着する可能性が十分にある、なかなか特殊なルールになっています。

最初に述べてる必要があるので、ここで述べますが、プランキッズはYUDTには向いていません。

第一に、プランキッズの売りである安定性は、本数が多ければ多いほど確率的に収束していき、結果として安定していた、と言う評価になるため3本程度では、確率的にムラはあるがパワーは高いデッキと差別化することができません。

第二に、プランキッズが勝つためのプランとして、犬ウェザーを繰り返し出し粘るプランがあります。しかし、1ターンを3〜5分程度所用するとしたらお互いに3ターン程度やると引き分けになります。また、そうでなくてもプランキッズのギミックは線が細いので、キルできるタイミングを量りたいとこですが、その余裕がさしてありません。せめてETがあればバーン&キュアによる優位性が生まれますが、時間で完全に切れるため時間が敵となっています。

第三に、出力の低さが目立つ点です。サイドを使用できない群雄割拠な環境では、どうしても丸い手札誘発(うらら等)を選択する必要があり、尖った手札誘発(ドロール&ロックバード等)を採用するプランが取りづらいです。また、3本程度では確率が収束することもないため、本来ハイリスクハイリターンなデッキがミドルリスク程度になります。結果的にギミック内で妨害を踏む力、妨害性能を問われてしまう形となります。

以上の点でそもそも向いておりませんので、一切お勧めはしませんが、プランキッズの優勝報告を見たいので、研鑽の糧にしていただきたい所存です。

◼️台頭するであろうデッキの予想

シングル戦と言う点から先後共に戦うことができ、ある程度のキル力と制圧力を持っているデッキが候補となります。また、普段は致命的なメタカードの影響で日の目を見ないテーマも参入することを考慮する必要があるかと存じますが、マイナーテーマは管轄外であるため、割愛させていただきます。
ちなみに、後手を選択したいサイバードラゴンや壊獣カグヤ、ヌメロン等は狭い店舗で8人程度だと二回戦以降、デッキバレした上で先を押しつけられるリスクが大きいデッキと認識します。

【エルドリッチ】
メタカードには「ハーピィの羽根箒」などのバック破壊系カードを含みます。現環境ではサイドから重く見る程度で十分な存在でしたが、割りものをメインから採用する場合は、他のテーマに効かない札を採用してしまうリスクを内包しているため、ライトニングストームを含め、採用はしづらいところです。
上記の点から後ろを手数とするテーマは筆頭となっても良いかと存じます。
エルドリッチ効果や勇者ギミックによる盤面対応力、永続罠の拘束力は折り紙付きです。

【叢雲ダイーザ】
理由はエルドリッチとほぼ同じです。手数は少ないですが圧倒的な攻撃力を叩き出せるため攻撃表示でモンスターを置くのは注意が必要です。また、セットされたモンスターを殴る場合は必ずダイーザである可能性を考えてから殴りましょう。

【幻影】
現環境において、トップシェアの一角を担っている中で、手数の多さとある程度の安定性を兼ねていると認識しています。ロンゴミアント型は今期制圧系の中でもトップレベルです。また、ミッドレンジ型の場合でも、妨害も後ろと前でうまく分かれているためミッドレンジ系の中でも問題なくYUDTへ持っていけるテーマです。
この点から使い慣れているテーマをそのまま使う人も多いかと存じます。

【ドライトロン】
ドロール&ロックバード等、致命的な手札誘発を受ける可能性が低いとなるとウォーミングアップを始めるのが展開系です。特にドライトロンは、後ろで構えることはありませんが、その分手札で妨害を確保できるため非常に厄介です。

【その他】
環境ではほぼ見ることがないアストラルクリボーや結界像系には注意をしましょう。

◼️シングル戦における「安定感」とは

CSは、マッチを重ねて複数回戦行うルールのため、ある程度「カードを引く確率」に収束していきます。これが、CSにおける「安定感」です。「カードを引く確率」を上げるためには単純に枚数を増やす(それにアクセスすることができるカードも含む)、またはドローすることに尽きます。
この、枚数を増やすことによりカードを引ける確率を上げる行為、つまり「足す安定感」の確保は万能ではありません。
確率は試行回数が多ければその確率に収束します。しかし、回数が少ない場合は指標としての価値しかありません。
また、引きたいカードを引くことができる確率の上昇値は2枚目以降からは下がります。「足す安定感」のピーク値が1枚なのですから、リターンを得るためのピークがここになるわけです。同じカードを増やすことで得ることができるリターンは、枚数増を重ねる毎に低くなり、逆に被るリスクが増えていきます。
YUDTのように試行回数が少なく「足す安定感」に頼ることができない場合は、事故の遭遇率を減らす、つまり不要なリスクを軽減する「引く安定感」を意識してください。1%でも事故が発生するのであれば例え1回だろうと事故る可能性はあります。可能な限り不要なリスクを0%にすることがYUDTでの「安定感」に繋がります。
さて、ここで不要なリスクをまとめると

●カードを3枚採用することによる被りリスク
●ゴミを複数引いてしまうリスク(PSYフレームドライバーの様なゴミとは何の役割も持たない札のこと)
●デッキを40枚より太らせて解決札を引き込めないリスク

となります。
対戦回数が3回と絶妙なので、リスクについては数%も含めて検討が必要なほど繊細なゲームであると認識します。特に有りがちな、強いから3枚採用する行為は「足す安定感」であることを認識してください。3枚採用による被りは1種で3.6%程度ですが種類が増えれば被るリスクが上がります。3枚採用する際は被ったとしても手数、バリュー、相関性等が上がるかを意識してください。

◼️YUDTのプランニング

ルールが違えばプランニングも異なります。と言いたいところですが、ほぼ同じです。

【構築のプラン】
①永続罠へのメタが選択され辛い環境なのであればこちらも永続罠を採用する側になる
②スロットの豊富さを活かし、相手の永続罠、先行展開で完全に詰むことがないようにする
【プレイのプラン】
❶先行ではバトラーの妨害だけではなく、後ろを狙うロアゴンの展開も意識する
❷3,4ターン目は全リソースを吐き出す勢いで攻撃する(キル出来なければ引き分けの認識)

なお、手札誘発の役割や手数についての考え方は下記のnoteを参考にしていただけると幸いです。

①「永続罠を採用する」
現在の環境採用されている、王宮の勅命、虚無空間、御前試合、群雄割拠、スキルドレイン、センサー万別、これらの持続的に行動を縛る永続罠の内、スキルドレイン、センサー万別についてはプランキッズは効きづらいテーマです。効きづらいのであれば、その「使える永続罠」を使ってしまいましょう。使える永続罠は強く打てる相手がおり、その割にリスクもほぼない、つまりローリスクミドルリターンのカードであるわけです。
なお、マッチ戦の環境において、採用されない理由は、サイドチェンジ後にツインツイスター等の的になってしまう、ライトニングストーム等を無駄に受ける形となってしまうためです。

②「スロットを活かして幅広く対応」
前述した永続罠は、使える永続罠も含め、ヒットしてしまうと負けに直結する可能性があります。デッキの中に回答が多ければ多いほど対応できる可能性が高くなります。しかし、プランキッズが後ろのカードに触れるためにはEXデッキを頼らざるを得ないため、拘束力の高い札を掻い潜りながら展開するのは厳しいと言わざるを得ません。
そこで対策を汎用カードに委ねる必要がありますが、その際に「複数の役割を持っているか」を必ず意識してください。なお、下記にライトニングストームも含めたかったのですが、先に挙げたテーマは縦で置かれることが稀であるため、本来の性能を活かせないと認識してラインナップには含めておりません。参加する方のリサーチが済んでおり、リンク主体のデッキが多い様であれば検討の余地があります。

●勇者ギミック(ドラコバック+流離のグリフォンライダー)
●ダイナレスラーパンクラトプス
●抹殺の指名者

また、展開系の先行展開についても同様に見る必要があり、こちらもやはり汎用カードに頼らざるを得ません。ただし、展開系に当たった際、これらで対応できるパワーに収まらないと認識する方は、これらの枠を尖った手札誘発にする逆張りの策はありかと存じます。

●勇者ギミック(ドラコバック+流離のグリフォンライダー)
●ダイナレスラーパンクラトプス
●壊獣
●獅子王アルファ
●禁じられた一滴

見るものが多すぎて対応しきれない、というのがシングル戦の定説ですが、スロットの多さやオールマイティな札であるスモールワールドを活かすことができるのはプランキッズの利点ですので活用していきましょう。

❶「ロアゴンの展開も意識する」
プランキッズが永続罠を使用するプランを持っているのですから、罠型やミッドレンジ型のテーマは、そのテーマに則した罠を採用することで圧倒的に不利な後攻でも「ワンチャン」を掴むプランを取るかと存じます。
罠の中にはフリーチェーンで対応が厄介な札も存在するため、先行展開が成立したとしても手放しで喜ぶことは出来ません。
罠をプレイさせるリスクがあるのであれば、プランキッズの特徴の一つである「相手ターン羽根箒」を用いることで、そのワンチャンを潰すことができます。展開方法については下記のnoteをご覧ください。

❷「3,4ターン目は全力で」
冒頭でも述べた様に時間は敵です。1ターン目は3分程度でしょうが、その後はなんだかんだやりとりが発生して1ターン毎に5分ほどかかります。1試合25分の制約があるため4ターン目が終わる頃には20分弱になっています。この時点で劣勢になっている側は、言い方は悪くなってしまいますが引き分けを狙って遅延行動を取ってくる可能性があります。或いはジャッジが監視し始める頃合いでもあるため、無駄なプレッシャーが増えることとなります。
そうならないためには攻め時を4ターン目までに見据えてプレイすることが重要です。
なお、明らかな遅延行動が見受けられる場合はジャッジを呼ぶことも大切です。

◼️採用札の説明

プランを踏まえて考えた構築がこちらになります。

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【下級プランキッズ】
下級10枚+ハウス1枚+スモールワールド2枚の計13枚体制です。プランキッズの枚数を短期決戦用にし、最大限削った場合の枚数です。なので13枚という数字に意味はありません。
緑が3枚なのは、黄緑は1枚からの展開最大値が最も高い犬バトラーであり、シングル戦における後手のパワーを少しでも上げるため、いずれも3枚を選択したいところではありましたが、センサー万別が黄では重くなってしまうため、黄を2枚にしています。
また、青が3枚なのは、返しの展開の際、相手ターン犬大暴走展開後、返しのターンで青2枚で餅カエルを展開し激流葬をケアしながら展開を続ける他、センサー万別下で最も手軽に使える色であるためです。

【勇者ギミック】
アラメシアの儀2枚の理由は勇者ギミックへのアクセス率を上げる他、1枚は勇者ギミックとして使用、2枚目は抹殺の指名者用として用います。聖殿の水遣いは墓地からもアラメシアの儀を拾えるため、抹殺の指名者が手札にある場合は相手のアラメシアの儀に対して使ったとしても対応ができます。
アラメシアの儀が2枚に対して聖殿の水遣いが3枚なのは、水遣いが重なった場合、運命の旅路で2枚目の水遣いを捨てても後のターンて儀を手札に加えることができるため、手札の消費を抑えることに貢献するため、儀が被るよりはマシであるためです。
計5枚となり、被り率が高い数値となっていますが、対応力の高さを天秤にかけ、ここまでならリスクを取るに値すると判断した結果となります。
ドラコバックとグリフォンライダーは必須で最低枚数の採用となります。

【灰流うらら】
2枚であるのは、仮に増殖するGを3本全てのデッキで3枚採用されていたとしても、後述する抹殺の指名者とあわせて4枚体制であれば、52.4%は被弾しない計算になります。うららを3枚にしたとしてもこの確率は57.8までしか向上しません。差が5.4%しかなく、被る確率が3.6%である以上、どのテーマにも打てはするものの機能停止させることが出来ないことを踏まえ、3枚にするリターンは低いと認識します。

【増殖するG、原始生命体ニビル】
役割は2つです。一つは抹殺の指名者用。もう一つは墓穴の指名者、抹殺の指名者、グリフォンライダー、灰流うららを使用してもらうためのデコイです。
※この件については冒頭でご紹介いただいた後手のnoteに書いております。

【怪粉壊獣ガダーラ、獅子王アルファ、ダイナレスラーパンクラトプス】
前述のとおり、詰みを防ぐための汎用札です。これらはスモールワールドでサーチしやすい様になっているため、実質各3枚採用と言ったところになります。

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【スモールワールド】
オールマイティ札です。カードをコンパクトに収める必要がある場合に非常に役に立ちます。オールマイティではあるものの被るリスクは抑えた2枚となります。
なお、スモールワールドの関係性を確認するのはちょっとめんどくさい……という方に向けてツールを公開しておりますのでぜひご使用ください。

ちなみに、水遣いへのアスセスできる札がこの構築では少ないので気をつけてください。

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【プランキッズプランク、雷龍融合】
プランキッズギミックを回すため、相手からの妨害に対するケアルートの確保、リソースの回復に必要であるため最低枚数で採用します。
とは言えYUDTの性質上、雷龍融合は過剰となる可能性が高いためEX枠やその他スロットが必要な場合、変更するのは良いかと存じます。
例)簡易融合+ミレニアムアイズサクリファイス

【プランキッズの大暴走】
1枚では機能しませんが、2枚採用を推奨します。大暴走×2の展開をメイン戦から要求されるケースが「禁じられた一滴、サイクロン系等のメタがメインから採用される環境であり、ケアする必要性が高い場合」や「相手が使うデッキが分かっており、バトラーを3回使用しなければまくられてしまう可能性がある場合」となっており、特に後者はたった8人で行うが故に容易に発生します。
紹介している構築では1枚となっていますが、解説の都合上入れ替えており、後述する罠の中から選択して入れ替えるのが無難だと存じます。参加する人のデッキがわかっており、その必要がないのであれば、2枚採用はリスクとなるため1枚にすることをお勧めします。

【抹殺の指名者】
前述のとおり、永続罠に対抗する手段並びに先行展開時の手札誘発ケア枠として採用します。勇者ギミックを用いる相手の場合、先行ではアラメシアの儀、後攻では流離のグリフォンライダーを宣言することで踏み札としても用いることができます。

【禁じられた一滴、センサー万別、虚無空間、スキルドレイン、大捕り物】
自由枠です。その他にも激流葬、バージェストマディノミスクス、天龍雪獄辺りが候補ですが、拘束力や対応力が高く、抹殺の指名者で宣言しうるカードを選出した結果となっています。
なお、虚無空間は個人的推しています。虚無空間がある場合は犬を早々に使用せず、相手のプレイに合わせて打つことで一滴のケアや相手ターンスキップを狙えるためです。

【EXのプランキッズ+アナコンダ】
プランキッズの基本セットです。

【セキュリティドラゴン+アクセスコードトーカー】
センサー万別を自身で開いている場合、トロイメアユニコーンでは、バウスンス処理を挟んでアクセスに繋げることが出来ないため採用しています。自分・相手のセンサー万別を気にする必要がない場合はユニコーンが無難だと存じます。

【リンクスパイダー】
勇者トークンを効果モンスターに変換する役目があり、アナコンダやアクセスに繋げやすくするための潤滑材です。

【餅カエル】
返しの展開の際に使用します。

◼️不採用カードの説明

自分が研鑽して行く中で不採用としたカードを説明します。
情報はあまり多くはありませんが研鑽の過程を認識していただければ幸いです。

【Dギミック】
一貫して述べている点である、不要なリスクを内包しすぎているギミックであるためです。3枚採用、ゴミ2枚の採用が重いと認識します。
ともあれリターンは大きいため、ハイリスクハイリターンであるギミックであることを踏まえ、採用を検討してください。
採用する場合は、大暴走を1枚だけ残し、雷龍融合、永続罠を抜けば採用できます。

【墓穴の指名者】
主に先行で用いる札であるため、その性質におけるムラと、YUDTにおけるメタ札としても心許なさの点を考慮し不採用としています。

◼️最後に

本noteの解説はいかがだったでしょうか。
冒頭でも述べておりますが、プランキッズでYUDTに挑戦するのは多難だと存じます。ですので少しでも、皆様の思考、研鑽の一助となれたのであれば幸いです。

プランキッズに関して他にも記事がありますので、興味のある方は是非ご参考にしていただけると非常に嬉しいです。



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