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なぜMVNOの通話料は高止まりし続けたのか?

大手キャリアでは当たり前のかけ放題、実は格安スマホでは無いことを知ってましたか? 
現在600社を超えるMVNOはデータ料金のみで大手3社と戦うしかない状況が続いていたがようやく総務省が重い腰を上げたとのこと

5月31日の報道


総務省は31日、携帯電話の音声通話料金の引き下げ議論に着手した。利用時間に応じて支払う「従量制」の料金について、大手3社が横並びで10年以上高止まりしている点を問題視。格安スマートフォン業者を巻き込んで競争を促し、値下げにつなげることを目指す。

 この日開いた有識者会議に論点を示した。これまで主にデータ通信を対象に進めてきた携帯値下げを音声通話にも広げる方向で、7月ごろに報告書案を取りまとめる。

 総務省によると、音声通話の従量制料金はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクとも3分当たり120円で10年以上前から変わっていない

2021.5.31 一般社団法人共同通信社 

格安スマートフォン業者が生まれた理由

格安スマホ会社=MVNO(仮想移動体通信事業者 (自社で通信設備を持たずサービスを提供)であり2001年に誕生し日本通信などが先駆けて参入しました。
総務省の狙いとしては、免許事業である通信事業の寡占化を防ぐために競争環境を作る必要がありdocomo をターゲットに制度設計された。

docomo はNTTグループ会社であり前身は電電公社(1985年に民営化)であり、携帯電話の電波を発信するアンテナの設置場所、データを流す光ファイバー、電柱に至るまで元々は国のものであったのでより協力するべきとの流れでスタートしている。

通信料金が高止まりしている理由

1. 競争環境が作れなかった
NTTグループにとっては嬉しくない営みなため、総務省からの圧力をのらりくらり交わしながら、競合である他の2社と机の下では握手してこの流れを遅らせてきた。
実際近年、大手3社の料金差は殆どなく、カルテルを疑うような状況が続いており、大手3社で2兆円以上の利益を出し続けています。

2.  卸原価の計算方法
MVNOの卸価格はキャリア側が回線維持に掛かるコストと将来の開発コストやを計算するため高止まりが続いていたため、キャリアの言い値に近い着地となっていた。

3.  大手キャリアへの値下げ要求
菅さんが官房長官の時期に大手キャリアが40%程度の値下げ可能発言は有名ですが、それ以前の野田聖子議員が総務大臣の頃にもキャリアへの価格に言及しながらMVNO への値下げと機能開放を総務省が一貫して働きかけていれば同じ機能で安いものが出てくるわけなので全体としてもっと安くなっていたとみており、個人的にはこの働きかけが一番良くなかったと思っています。

4. 機能開放が限定的

更にキャリアが持っている情報や機能であってもMVNOへはほとんどされず、音声通話や位置情報を活用したサービスが困難な状況なので殆どの格安スマホ事業者はデータ通信料金の価格のみでの訴求となり、利益が取れない状況に陥りやすい構造となります。これらの理由から殆どのMVNO事業者は通信事業単体では赤字であり、楽天のように主になる事業を固めるためのサービスに利用されていることが殆どである。

5.ロービー活動
無いと信じたいですが、昨年末期から菅総理が総務大臣を務めていた頃に息子さんが放送免許を持つ会社に中途入社をして幹部になったり、NTTの幹部に総務省の次官レベルの人が度々食事をご馳走になるなどの報道があったがこれまでの通信行政の規制改革の遅れを勘繰ってしまいます。

楽天が第四のキャリアになった訳

楽天は一昨年より電波の割り当てを受け自社でアンテナをたて通信設備を持つキャリアになった。
年間数千億円の投資をしてまでキャリアになったのも上記の理由などからMVNOでは戦えないことがわかった事とレガシーなシステムを持つ大手3社とは違う設備を使うことでコスト面、技術面での勝算があると踏んでの挑戦をされたと思われます。

MVNO にチャンス到来!?

これまで色々ありながらもMVNOがキャリアから仕入れるデータ通信の価格算定がより総務省の考えが反映されたものになり、少しは大手キャリアに戦える素地ができた。そこに通話料の大幅値下げが行われれば大容量のデータ通信に+通話定額プランなどを入れるなどでサービス開発ができること、大手キャリアのサービススペック、価格に合わないニッチ市場を狙えばターゲば戦えると考えています。

DXHUBとして

弊社は外国人向け通信事業と特定業種向けIoTなど業界特化型のMVNOで比較的競争の少ないエリア戦ってきたが、今回データ通信に加え、通話料金の大幅な値下げ、機能開放も一部進むため、中小企業のDX推進に通信も絡めてサービス提供していく予定です。 ご期待ください


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