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パックラフトには自転車よりもキックスケーター

パックラフト x 自転車のスタイルをバイクラフトと呼ぶそうです。

このバイクラフトは、パックラフトをザックに入れて背負ったり自転車に括り付けて、川下りのスタートポイントまで自転車を漕ぎ、川に着いたらパックラフトに自転車を積んで川を下る、という川旅のスタイルです。

ですがこれ、実際は車である程度川の近くまで乗り付けて、車が入れない小道や林道を自転車で進んで、川を下った後車の場所まで数km〜10数km戻るために自転車を使っているのが実態のようです。

川下りという性質上、どれだけ川を下っても車で来た以上は車まで戻らなければならないわけです。
数人のグループで川下りをする方々はゴールポイントに車を1台置いておき、他の車に相乗りしてスタートポイントに移動する、川を下ったらゴールポイントに置いておいた車に乗ってスタートポイントに置いた車を拾いに行く、といった手法を使っている場合が多いようです。
ソロで川を下る際はそれができないので、戻る手段として自転車を積んで行くというわけですね。


パックラフトというものは畳んで持ち歩けるコンパクトさがあるからこそ、電車やバスに乗って川へ向かうことができる手軽さが最大の魅力であり武器であると僕は考えています。
であれば、車で乗り付けることができるならパックラフトでなければならない理由はないわけで、パックラフトの身軽さを活かしきれていない使い方だと思うわけです。

自転車は畳んだりバラしたりして電車に持ち込むことができます(輪行)。
しかし、バスに持ち込むことは基本的にはNGですし、背中にパックラフト、手には自転車という重装備で移動するのは結構ハードルが高いです。
やれなくはないですが、そこまでやっている気合の入った人を僕は見たことがありません。

電車とバスを併用するなら、川までのあと数km、歩けないことはないけどその体力をできれば川下りに使いたいよね、というあと数kmの移動なら、自転車よりキックスケーターが適任なのではないでしょうか。


僕が小学生の頃にキックスケーター/キックボードが流行って、友達の家くらいの近所を移動するのにちょうど良かったのがキックスケーターでした。

最近は電動化もされるようになり、街中でも乗っている人の姿をちらほら見かけるようになりました。
大人がキックスケーターに乗って移動しているのを初めて見たのは、10年程前の秋葉原で、ハンドルに紙袋を下げて漕いでいる姿を見て、なるほど都市部のちょっとした移動なら有用かもしれないなと感心した覚えがあります。

大人が乗っても耐えられるように頑丈に作られていて、タイヤの径も子供用に比べると大型になって、安定性が高くなっています。
大人も乗る乗り物という認識が少しずつ広がってきて市民権を得始めた今だからこそ、キックスケーターをパックラフトでの川旅のツールに使うべきだと思っています。


自転車に比べて圧倒的に軽くコンパクトになるため、パックラフトに積載してもバランスが崩れることもなく、邪魔にもならず快適にパドリングを行うことができます。
少々の瀬なら沈することもなく川下りすることもできるでしょう(激流はやめておく方がよい)。


自転車同様、キャリングケースに入れると電車やバスに持ち込む際の取り回しが良くなります。
キックスケーターをそのまま裸で電車に持ち込んでいる人をたまに見かけます。自転車の輪行ルールのようなものが厳密に定まっていないため、裸で持ち込んでもルール違反にはならないのでしょうが、他の乗客の方への配慮を考えると、きちんとキャリングケースに入れるのがベターだと思います。


キックスケーターを使う最大の利点は、スタートポイントに戻らなくていいことにあります。
電車+バス+キックスケーターで水辺へ移動して、パックラフトで漕いで岸辺に上陸したらそこから最寄りのバス停なり駅へ移動して家に向かって帰ればいいのです。
日本の川下りできる川は田舎にあることが多いので、絶妙にアクセスが悪く、川の目の前まで公共交通機関が通っていないこともしばしば。
キックスケーターなら10km程度の移動なら問題なくこなせるので(それ以上だと流石に自転車のほうがいいかも)、歩くと少々時間と労力がかかる距離でも、徒歩より楽に移動することができます。
行きはバスを使って、帰りはバスの時刻に合わせられないのでキックスケーターで、といった柔軟な使い方ができます。


まだパックラフト x キックスケーターのスタイルは、僕調べでは見たことがありませんが、パックラフトの身軽さを最大限に活かせるスタイルとして可能性があると思っています。
今年はバイクラフトならぬスケートラフト?で新しい川旅の楽しみを開拓したいと思っています。


今回買ったキックスケーターの調整と、自分なりの楽な乗り方を動画にまとめています。
最悪の場合川底に沈むかもしれない想定で、そうなっても後悔のない安物キックスケーターを選びましたが、きちんと調整すればしっかりと使えるツールになります。

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