ACOUSTIC

健太です。
『CRAFT WORKS』
発表しました。
どうでしょうか。ワクワクしてくれているでしょうか。

やっと発表できたので、これから少しずつこの作品の話を書いていけたらと思っています。

アコースティック。
セルフカバー。
セルフレコーディング。

いろいろトピックスはあるけれど、セルフレコーディングについては僕が全てのREC&MIXをやっているから、そりゃあ僕にとっては大きなことだけれど、それより何より、特筆すべきは「アコースティックアルバム」だってことじゃないかな。
アコースティックアレンジについては、ずっとずっとアコースティックならではの良さってのを追求してやってきたし、きっとファンのみんなにとっても印象的なアコースティックアレンジの曲っていうのも少なくないと思う。
そんな曲たちを、ついに録音物として、形にした。
音源にするにあたって、いろんな方法があったけれど、敢えてなるべくシンプルにアレンジした。だって名曲ばかりだから。それが一番伝わると思った。
オーバーダビングは、曲の雰囲気により深みを出す意味でのダビングしかしていない。

さて、アコースティック。生楽器。
これは本当に難しいものだ。
ちゃんと楽器を鳴らすこと。生楽器はごまかしが効かない。
実際、ライブでの生楽器っていうのは音を増幅しているから、そこでいくらでもごまかしが効く。ちゃんと鳴らせていなくても楽器が鳴っているかのような音を作ることができる。でもレコーディングではそうはいかないものだ。
いくら難しいコードで弾こうが、指が動こうが、ちゃんと鳴らせてないとカッコ悪い。僕はそう思っている。まあ僕が難しいことができないから反発しているだけなのかもしれないけれど。
僕はずっと、その楽器のその楽器らしい音を鳴らすことにこだわってきている。ギターの話ね。例えば同じMartinでもD-28なのか00-18なのかで全然鳴らし方は違う。そして楽曲の中でどういう役割かというところでも鳴らし方は全然違うのだ。
僕はアコギが大好きだ。アコギの音が好き。アコースティックギターという楽器そのものが好き。
(「アコギ」という呼び方もかつてはとても抵抗があったけれど...いつの間にか使うようになっていた。便利だしね。)
リニューアル期間、そして自粛期間もアコギを手にすることが多かった。そして練習し研究していた。その期間に限ったことではなくていつものことではあるのだけれど...より熱心に取り組めた気がしていた。

僕はその取り組みの成果をこの『CRAFT WORKS』で出せた気がしている。
とっても嬉しい。
そのアコギの鳴らし方への取り組みは、成果が出ているのかどうかはとてもわかりにくいもの。弾いている自分で感じている音と、目の前に飛んでいく音は違うからだ。でも、レコーディングではその目の前に飛んでいく音を録音するわけだから、はっきりとわかる。自分でレコーディングしていたから尚更よくわかった。
それで思った。案外いけてるな、と。
ちゃんとそれらしい、いい音鳴らせてるじゃないか、と思えた。狙い通りの音で録れていた。シンプルなアレンジなだけに、この作品にとって楽器の音色はとても大事だったから、ホッとした。
派手ではないけれど凛とした鳴り。甘く艶やかな鳴り。素朴な鳴り。時に土臭い乾いた鳴り。ちょっとウェットな鳴り。
どれも埋もれない芯のある鳴りでなくてはならない。
使ったギターは2本だけ。いろんな表情を出せたと思う。
わかりにくいと思うけれど、確かなこと。
そんな自己満足のようなところに生きがいを感じているのが僕という人間でもある。でも実は自己満足だなんてこれっぽっちも思っていなかったりもする。パッと聴きではわからなかったとしても、絶対に聴く人に潜在的に訴えかけているはずだから。
音楽ってそういうものでしょう。
少なくとも僕の好きな音楽は、そうだ。

『CRAFT WORKS』
今だからこそ、僕らの音楽への想いが詰まった作品です。

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