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「ザ・アイス」と「ラスト・ワルツ」

健太です。
「おいしいニコルズ」のアイスの話を。

僕は今回、メインの一つである、2種類のアイスの監修をやらせてもらった。
そのアイデアが出たとき、冗談でしょ?と思った。いやいやそんな、アイス好きは公言してるけど。大好きではあるけど。その道の超一流に口出しなんてできないよ、と。しかもキャトルエピスだよ?アイスのお取り寄せ全国No.1だよ?
ところが藁科さんは乗り気。さらにメンバーも背中を押してくれた。「絶対面白いし、きっとすごく美味しいのができる」みんながそう言ってくれた。
そしてアイス作りはスタートした。

どんなアイスを作りたいのか。
どんなアイスを食べたいのか。
僕のこだわりとは。
キャトルエピスだからできるアイスとは。
企画開発からスタートした。

最初はどうしても遠慮が出てしまい、キャトルエピスらしいものという前提でのアイデア出しをしてしまったけれど、話し合いを進めていくうちにそれでは意味がないんだと気付いた。
そこで僕は「究極の、チョコ×バニラのハーモニー」のアイスを作りたいと提案した。
僕は、チョコ×バニラのアイスが大好きだ。黄金の組み合わせだ。でも、どんなアイスでもチョコ×バニラのものは大抵おいしいけれど、本当に「これだ!」というものに出会ったことはないのも本音だ。両方そこそこだったり、どちらかに特化しているだけだったり、バランスが悪かったり。
だからそのチョコ×バニラの究極のアイスを作りたいと思った。チョコもバニラも濃厚なやつだ。
しかしそれは本当の意味での挑戦に他ならない。チョコもバニラも、オーソドックスで定番なものだけに中途半端なことはできないからだ。しかもキャトルエピスの看板も掲げているのだ。
それに、あまりに定番の組み合わせで、企画もののアイスとしては地味な印象になってしまうかもしれないという懸念もあった。
でも僕はもうこれ以外にないくらいの気持ちになっていた。
協議の結果、本当に本気で取り組まなければいけないけれど、やりましょうということになった。

まず、バニラアイス、チョコレートというものについてそれぞれ、種類とか、こう作るとこうなるとか、試食を交えながらレクチャーしてもらった。実に奥深い話、そして僕ら素人は知らない話ばかりだ。
それから方針を固めていく。
バニラアイス、チョコアイスそれぞれを詰めていき、さらに一緒に食べたときのバランスを考えて、層の配置、バニラとチョコの割合、ガナッシュの分量などを詰めていく。
何度も試食と改善を繰り返した。

塩を入れることを提案されたときは一瞬戸惑った。すでにとても美味しくてほとんど満足のいくものが出来ていたから。塩なんて僕の頭には全くなかったものだった。
ところが、食べてみたときの「腑に落ちる」感じと言ったら!塩は全ての旨味を引き立ててくれるのだ。僕の中にあった「アイスに塩なんて」という気持ちはあっという間にどこかへ吹き飛んだ。これが最後の一手となり、その塩の配置をまた吟味して、完成した。

チョコ×バニラのアイスの話が進み始めたくらいで、「僕はパフェも大好きでよく喫茶店で食べるから、パフェをカップアイスで表現するってのもいいなと思ったんですよね」という話をしたところ、それは面白いということで、もう一種類作ることになったのがパフェアイスだ。これはとてもキャトルエピス「らしい」アイスな気がする。
チョコ×バニラを黄金の組み合わせと言ったけれど、チョコとバナナというのもまた黄金の組み合わせだ。それにイチゴが加わったスペシャル感と言ったら!
よくチョコとバナナのアイスというのもあるけれど、大抵がチープ系で(それも好きだけど笑)、本物のパフェのチョコバナナの感じとは全く別物。バナナも香料って感じだし。だからそうではないところを目指した。
結果、バナナはあの香りと甘みを引き出すには熟し具合が大事とのことで、それで生産が追いつかなくなったりもした。それくらいのこだわりようだ。
イチゴも、存在が分かりやすく際立って、雰囲気も洋菓子っぽくなるラズベリーにするという案もあったけれど、パフェはとにかく子どもも飛びつくようなものにしたかったのと、やっぱりパフェにはラズベリーじゃなくてストロベリーってことで、イチゴにした。パフェによく入っているコーンフレークをイメージして、クレープの皮をこんがり焼いて砕いたものをトッピング。サクサクパリパリではなく、少ししっとりしていてアイスをほどよく引き立ててくれる。

ネーミングは、僕が一番好きなバンド「ザ・バンド」に因んで、チョコ×バニラの方を「ザ・アイス」と名付けた。
そしてパフェアイスの方は、チョコ×バナナ×イチゴの3拍子というところから「ワルツ」。そしてザ・バンドのドキュメンタリーであり一番好きな映画からそのまま名前を拝借して「ラスト・ワルツ」と名付けた。

本当にどちらも、僕の思い描く「究極のアイス」と言っていい。
そんな夢のアイスを、キャトルエピスとがっぷり四つに組んで作らせてもらった。本当に、夢が叶ったのだ。

本当に本当に、声を上げるくらい美味しいアイスだから、ぜひ食べてみてほしい。全国お取り寄せできます。

ザ・アイスは是非とも一口目からなるべく縦に深く、一番上のチョコガナッシュの層から一番下のバニラの層まで一緒に味わってほしいです。

#dw25
#dw_kenta

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