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DV-2021 (10) 日本の当選枠と辞退率

こんにちは。今回はDVプログラムの当選人数についての考察です。
2021年度は例年よりもだいぶ高確率だったというのは以前の記事でも書いた通りです。
各国に割り当てられている当選者数の枠について、「日本人は辞退が多いから当選者枠を減らされている。だから辞退するつもりの人は応募しないでくれ」といった趣旨の記載をブログ等で時々見かけますが、これは本当でしょうか。
結論からいうと、これは間違いです。

そもそもルールはどうなってんの?

まず国務省のDVプログラム手引きを参照すると、以下のような記載があります:

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つまり各リージョン(アジア、アフリカ、ヨーロッパ等)内で見れば、出生国にかかわらずどの応募者もみんな当選の確率は同じということです。
なので、計算上は各リージョン内の国別の当選確率は、各国の応募者数に比例するということになります。(ただし1つの国に対する発給数が全発給数の7%以上になってはいけないという決まりがありますので、応募者数の多い国では一定数で頭打ちになります。)

実際のところはどうなってんの?

では、日本の当選者数と当選確率はどのように推移しているのでしょうか。
国務省が発表している統計をもとに計算してみました。

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青い棒グラフは応募総数に対する日本人の応募者数の割合、赤い線グラフは当選総数に対する日本人当選者の割合です。(本当はアジア地域内で計算したほうがいいんでしょうが、アジアの応募者・当選者総数を毎年分計算するのが面倒だったので…ご勘弁下さい)
少ないN数ではありますが、ここから推測できるのは必ずしも日本からの当選者が減らされているわけではないということです。
当選率が下がったのはそもそも応募者総数に占める日本人の割合が減っているから、とも考えられます。2019や2020に関しては、応募の比率は下がっているものの当選率はむしろ上がっています。

じゃあ辞退しても影響なしだから、移住する気がそこまでなくても応募してOKだよね?

いや、やめてください。頼むから。
パスポート要件によって当選率が上がったとはいえ、DV抽選が非常に狭き門であることに変わりはありません。
ネットのどこかで「アメリカに気軽に旅行したいからグリーンカード応募してみた」とか、「ハワイが好きで住んでみたいから応募したら当たった」という人を見かけたことがあります。
私たち夫婦のように、本気でアメリカに行きたくて行きたくてあの手この手を尽くしている人間からすると、「当たってから行くか行かないか考えよ」という人たちの心情は理解し難いものがあります。当たっても辞退って… それならあなたの当選枠を、本当にアメリカに行きたい人に譲ってほしい。もちろん当選切符を譲渡・売り買いすることはできませんので、本気で移住する気のない人はそもそも応募するのなんかやめましょう。(そういう人がこのブログ見てるわけないんですけどね)
旅行したいだけならビザは不要です。日本のパスポートがあったらビザなしで最長3か月旅行できますよ…。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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