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DV2021 (21) 移民ビザでの入国

こんにちは。前回のブログ投稿からだいぶ時間が経ってしまいました。更新を待っていてくださった方、お待たせして申し訳ありません。
10月半ばに移民ビザ取得後はじめてアメリカに入国してきましたので、その時の体験をこの記事にまとめておきます。今回も結構長い記事になってしまったので、どうでもいいところは適当に読み飛ばして下さい。

なお入国の準備に関しては以下の記事にも記載しておりますので、ご面倒ですが本記事と併せてご覧下さい。

これまでのブログ記事では以下のように⑨ビザ取得までの流れ図を書いておりましたが、正確には移民ビザ取得の後にもまだ最後の1ステップが残っていたわけですね。移民ビザを取得するだけでは永住権はまだ得られていないので要注意です。

①エントリー
 ↓
②結果発表
 ↓
③DS-260提出
 ↓
④KCCから書類提出依頼のメール受信
 ↓
⑤KCCにメールで書類提出
 ↓
⑥KCCから書類確認完了メール
 ↓
⑦2NL(面接招待)受領
 ↓
⑧大使館(領事館)面接
 ↓
⑨移民ビザ発給
 ↓
⑩移民ビザでアメリカに入国し、永住権を取得 ←←←今回はここ

移民ビザには約6か月の有効期限があります。この期限内に移民ビザでアメリカに入国することで永住権保持者となります。
別の言い方をすると、移民ビザが切れるまでにアメリカに入国しなかった場合、永住権は取得できません。

日本を出国

我々(夫婦2人)はグアムで初回入国の手続きをすることにしました。
コロナ禍の海外渡航のため、ウイルスの陰性証明や予防接種証明など様々な書類を持参しなければなりません。(詳細は準備の記事を参照)
まず出国時、ユナイテッド航空のカウンターでパスポートに加えてウイルス陰性証明を提示します。これがないと搭乗できないようになっているのでしょう。それ以外の出国手続きはいつもと同じで特に変わったところはありません。
成田空港は人が少なく、両替や飲食店、免税店等の店舗も閉店中のところがかなり目立ちました。

グアムに入国

飛行機を降り、入国審査ゲートに向かいます。この時は外国人用窓口ではなく米国市民・永住権保持者用の窓口に並びます。
パスポート・ビザを提示して黄色の封筒を提出し移民ビザで初めて入国する旨を伝えると、顔写真の撮影をされ、封筒の外側に書かれている米国内の住所には誰が住んでいるのか、どういう関係なのかを聞かれました。
やがて手続き用の部屋に通され、ソファに座って待つように促されます。ソファが並んでおり、部屋の奥にガラスで仕切られたカウンターがあります。病院の待合室みたいな雰囲気です。
カウンターの向こう側で警備員が書類を確認してもらっている間はソファでテレビを見ながら待ちます。アイスキューブが出ている刑事もののドラマが流れており「ずいぶん近かったけど、ここは確かにアメリカなんだなあ」としみじみ感じました。

しばらくするとカウンターに呼ばれ、書類の確認をしながら簡単な質疑があります。確認が済むとパスポートにスタンプが押され、以下のようなことを説明されます。

パスポートに押されたスタンプは最大1年、仮の永住者カード(I-551, グリーンカード)として使える。

・実物のグリーンカードは数か月で米国内の住所に郵送される。ただ、今はCOVIDの影響で通常より処理に時間がかかっており、1年以上かかる可能性もある。

・もしグリーンカードが1年以内に送られてこなかった場合、スタンプの期限を延ばすための書類を申請することができる。(面倒なので詳しいことは質問しませんでした。もし半年経っても送られてこなかった場合は詳細を調べようと思います。)

・社会保障カード(ソーシャルセキュリティ、SS)を申請している場合は発行され次第郵送されます、そんなに長くはかからないはず。

一連の手続きは15分か20分、そんなもんだったと思います。あっさりしており、面倒な質問や書類なんかは何もありません。

手続きはこれでおしまいだったのですが、1点気になったことがありました。指紋採取がなかったのです。インターネットで漁った情報の中で「入国時の手続き方法を警備員がきちんと理解できていなかったがために永住カードの発行処理が始まっていなかった」というような噂を見ていたため、この人ももしかして指紋採取を忘れているんじゃないか?という不安がよぎりました。

私:「あの、指紋採取ってないんでしょうか?インターネットで、入国時に指紋採取されていなかったことで永住カード発行が止まってたというのを見たことがあるんですけど…」

警備員:「あー、さっき入国審査のカウンターで指紋取られませんでした?」

私:「いえ指紋はなくて、写真だけでした。」

警備員:「あそうですか…。でも大使館では取ってるでしょう?たぶんその情報がちゃんとデータベースには入ってるので、ここでは追加採取不要なんだと思いますよ。ま大丈夫でしょう。」

正直かなり不安でしたが、まあ要らないって言われたら無理やり指紋を押し付けることもできないので諦めてその場を後にしました。

入国の手続きはこれでおしまいです。グアムくんだりまで来た目的は着陸後30分であっけなく終わってしまいました。
この時点で既に夜の10時半くらいになっており、そこからStrollGuamという劣化版Uber的なアプリを使って車に来てもらい、ホテルまで向かいました。グアムはタクシーが異様に割高らしいので、StrollGuamを使ったほうが良さそうです。

グアム2日目

この日は朝からPCRの検体採取です。
我々はグアムの観光局が運営している(と思われる)PCR検査・ワクチン接種プログラムを使って、ひとり200ドルを払って検査を受けました。この時にパスポートを提示する必要がありますので忘れず持参しましょう。確か料金は前払いだったと思います。
いま改めてグアム観光局のウェブサイトを見てみましたが、グアム外からの訪問者は無料でPCR検査をしてもらえるようなことが書かれています。ただ、この場合は結果が出るまでに48時間かかるのと、所定の書式で結果を書いてくれるのかどうかが分かりません。
私たち夫婦は200ドル払うタイプのものを日本で予約していきました。受付時に日本のパスポートを出すと、こちらが言う前に「日本の方でしたら、この書式で結果をご用意したほうがよろしいですよね?」と厚労省の指定書式のサンプルを提示してくれまして、日本からの訪問者の扱いには慣れている様子でした。(日本上陸時に検疫に提出する証明書の詳細については厚労省のサイトに細かく書かれていますので、そちらを確認しておきましょう。)

受付とサンプル採取は10分もあれば終わり、あとは特にすることもありません。朝ごはんを食べに行ったり、ホテルに戻って仕事をしたり、ABCストアというコンビニに行って心ばかりのお土産を買ったりと、のんびりして過ごしました。
ブランドファッションのお店が並ぶ目抜き通りやモールの中は人気もなく閑散としており、コロナの煽りをもろに受けているのがよく分かりました。営業時間も通常とはだいぶ異なるようです。
今の状況がどうなっているかは分かりませんが、お買い物をしたいという方は注意が必要です。

グアム3日目

Plazaモール内のPCR検査会場に再び赴き、結果を受け取りに行きます。受け取りは前日の検体採取受付の予約時間と同時刻に来るようにという指示でしたので、この日も午前10時に会場を訪れました。
結果は無事陰性。ツイッターで「その場で念のため中身をチェックしたほうがいいですよ」という助言をいただいていましたので、表記事項に間違いがないか確認してからその場を後にしました。

この日も特に予定なんてありませんので、一度ホテルに戻ってからビーチに行ってみることにしました。
私は幼少期は横浜で育っているので海といえば江の島だったのですが、全身日焼けしてやけどのように水脹れになったりクラゲに刺されたりと散々な記憶しかなく、海水浴はトラウマになっていました。なので今回も海に入る気はまったくなく、まあせっかくグアムまで来たし一応間近で海を見ておくか、くらいの気持ちだったのです。なので水着なんかも持っていませんでした。
一方で海水パンツを持参してきた夫は嬉々として水に入っていき、めちゃくちゃ楽しそうにはしゃぎ出しました。それを見ていた私もなんだか気持ちが乗ってきてしまい、行儀が悪いとは思いつつも服のまま海に入ってみたのです。
「こ、これは…!!!!」
真面目な話、衝撃でしたね。まず砂浜が白い。水は温かくて透明度が高く、底が見える。浅瀬で泳いでいるお魚の影が底の砂に写っているのまで見える。クラゲの気配もない。
うまく表現できないのですが、なんかもうとにかく感動しました。私が知っている横浜や湘南や神戸の海とは全然違いました。多くの人がビーチリゾートに行きたがるのをこれまでは不思議に思っていましたが、その気持ちがようやく理解できました。
「手続きのための渡航だし、あまり海は興味ないや」という方も、ぜひ浜辺を訪れてみることをおすすめします!

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日本に帰る日

せっかく海の素晴らしさを知ったのに、もう帰る時間です。
ホテルをチェックアウトしたら、空港までは再び StrollGuamアプリを使って車を呼びました。
空港は相変わらず閑散としており、職員もすることがないのか携帯ゲームで遊んでいるようでした。
こぢんまりとした空港で、食事をするところもかなり限られているようです。数件のファストフード店が並ぶフードコートで軍の子たちに混ざりながらハンバーガーを食べて時間を潰しました。
ちなみに10月中旬の時点では、ラウンジが改装工事中のため使えませんでした。

日本での検疫

まず最初に受けた印象は「ああ、ここもパソナなのね」です。
飛行機を降りると、搭乗ゲートのスペースがほぼ帰国者の検疫手続きのブースになっており、余剰と思われるほど大勢の職員が書類の確認や追跡アプリの設定などを行います。そしてこれがまた謎なのですが、グアムで受けたPCR検査の陰性結果を提出しているにもかかわらず、成田でまた唾液を採取し抗体検査もします。
これらすべての手続きは渡航者が費用負担するわけではありませんので、税金でまかなってるわけですね。どこかの誰かが儲けているのでしょう。
全体的に効率はべらぼうに悪く、着陸から空港を出るまでに2時間かかりました。また職員の非常に失礼なミスもあり、とても気分の悪い体験でした。
これから渡航される方にとってはネガティブな情報になり申し訳ありません。
とにかく空港を出るまでにかなり時間がかかりますので、もしご家族などにお迎えを頼まれる方はその点を考慮して計画されることをおすすめします。

空港から自宅までは公共交通機関を使うなという要請がありますので、自家用車のない我々夫婦はトヨタレンタカーの片道サービスを利用して成田から横浜の自宅まで戻りました。

帰国後の隔離

ウイルス検査結果が陰性だったため、14日間は自宅隔離です。
空港でダウンロードしたMySOSアプリでは、以下の3つのことを毎日する必要があります。

① 健康状態報告(熱がありますか?などの2つの質問に答えて送信するだけで正直何の意味もありません。)

② 1日2回の位置情報報告(アプリ上に「今の位置情報を報告せよ」というプッシュ通知が1日2回ランダムな時間に来ますので、アプリ上の「位置報告」ボタンを押します。)

③ 1日1回のビデオ電話(1日1回、これもランダムな時間に、アプリ上で電話がかかってきます。AIもしくは人間のオペレータがかけてくる、という説明でしたが、我々は14回すべてAIだけで人間からはかかってきませんでした。ビデオをオンにし顔と背景を映しておくと、30秒で勝手に通話終了します。)

位置情報とビデオ電話はランダムな時間に来ると書きましたが、早朝や深夜はさすがにありません。だいたい朝8時半から夜7時半くらいまでの時間帯におさまっていました。

最後に

我々は一度入国してまた日本に帰り、1年以内に本格的に渡米するという道を選びましたが、前述の通り入国が許可されてパスポートにスタンプが押された時点で永住資格が得られますのでそのまま米国内に住むこともできます。
さらに、日本国内で諸々用事や事情があり1年以内に本格的な渡米ができない方は、再入国許可を取得して最大2年の猶予期間を取るようです。私はこれについては未体験のため詳しいことが書けませんが、ネットで探すとブログ等の体験談が出てくると思います。
まとめると

・移民ビザでいきなり移住
・一旦永住権の有効化だけして1年以内に移住
・一旦永住権の有効化をし、再入国許可を得て2年以内に移住

の3パターンがあるということになります。
ご家庭や仕事の状況に合わせて、メリット・デメリットを考慮しながら計画していきましょう。

また、2021年11月8日以降は米国への入国に際しコロナウイルス予防接種の証明が必要になっていますので、忘れないように気をつけて下さい。証明書は現時点では自治体に申請し、紙で発行されます。

ここに書き忘れていることがあるかもしれないので、ご不明点や不安がある方はお気軽にご質問下さい。

おまけ(グアム渡航時の持ち物リスト)

・移民ビザ、パスポート
・移民ビザと一緒に大使館から郵送されてきた黄色の封筒
・健康診断の胸部X線画像ディスク(面接時に大使館で返却されたもの)
・コロナウイルス予防接種証明書
・コロナウイルス検査の陰性証明書
・水着
・StrollGuamアプリ(出国前に日本でセットアップしておくとよい)
・スマートフォン端末(持っていない場合、13歳以上の人は日本入国時に無理やりレンタルさせられます。)
・海外で使えるSIMカード(日本でAhamoを使っているため、グアムでもそのままデータ通信が使えました。)
防水の写ルンです(海で写真を撮りたい方)

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