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DV2021 (19) タイムラインまとめ

こんにちは。
アメリカ永住権を取得する方法は市民との結婚、養子縁組、雇用や投資を通してなどいろいろありますが、そのどれよりも短時間・低コストと言われているのが抽選による永住権取得です。
ですが、その抽選プロセスでさえそれなりの時間はかかります。応募して1か月後に結果が分かって翌週にはアメリカに行ける、というようなものではありません。
今回の記事では、これからDVプログラムの応募をしようと思っている方や、最近当選が分かったばかりの方に向けて、実際にアメリカに移住できるまでにどれくらいの時間がかかるのかを予測する上で参考になる情報がご提供できればいいなと思います。
また、当選者の皆様は「当選後の手続きをしていく上で、それぞれのステップにかかる時間がどれくらいなのか?」(例えばいつ頃DS-260を出すのか、DS-260を出してからKCCの書類依頼までどれくらいかかるのか、等)が気になるかと思いますので、我々の例を参考情報までに記載しておきます。(注意:ただし申請者やケース番号によって各ステップの所要時間はかなり上下すると思いますので、あくまでも一例としてご覧いただければと思います。)
画像はクリックすると拡大できます。

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画像とPDFファイルはほぼ同じ中身です。PDFをすぐダウンロードできない方のためにスクリーンショットの画像を貼っておきました。
PDF内の青字になっている部分は関連ブログ記事へのリンクです。

今回の記事のメインはすべて上のチャートにまとまっているためこれ以上書く必要はないと言えばないのですが、各ステップでどういった状況だったのかをかなり横道に外れながらお話していきたいと思います(愚痴も入ってます笑)。以前別の記事で既にお話したことと重複する内容も結構ありますので、興味のない方は上記のタイムラインのチャートだけご覧いただいても情報としては十分かと思います。

応募(2019年11月)

DV-2021の応募期間は2019年の10月から11月にかけての約1か月です。
以前の記事にも書いた通り我々はエージェントを使わず公式サイトで直接応募しました。
ですが、もしエージェントを使う場合は当選後にサポートの申し込みをするよりも応募の時点でエージェント経由にした方がかなりお得です。そもそも当選するか分からない時点で1、2万円払わなければならないのでかなり博打ではありますが、そのくらいの金額だったらダメでもまあいっかと思える方はエージェント経由で応募することをおすすめします。
日本のエージェントさんだったらまずないと思いますが、海外だと少なからず詐欺被害があるようです。エージェントに少額のお金を払って応募してもらい(既にこの時点でちゃんと応募してるかどうかも怪しいですが)、いざ当選すると「当選したよ、ケース番号が知りたければXXX千ドル払いな」というようにケース番号を人質に取られて大金をゆする悪徳業者がいます。
実績も多そうだし安心だなと思えるのはグリーンカードJPです。私のブログにたどり着く前にグリーンカードJPのウェブサイトをご覧になっている可能性が非常に高いので、もう知ってるよということでしたらすみませんが聞き流して下さい。
私自身がエージェントを通さず自分で応募・申請手続きをしており、自分の利用経験に基づいて推奨しているわけではないのは申し訳ないのですが、グリーンカードJP社の書かれているブログや利用者の感想を拝見して、とても信頼できそうなエージェントという印象を受けました。私とは何の関係もありませんし広告を頼まれているわけでもないのですが、「どこのエージェントにしたらいいのかな」と悩まれている方にはグリーンカードJPをおすすめしたいです。

抽選結果発表(2020年6月、応募から約7か月)

抽選結果は例年、応募期間の約半年後、翌年の5月初旬に行われます。が、DV2021はパンデミックの影響(だと思う)で予定が約1か月後ろ倒しになり6月初旬の発表となりました。
当選したことのある方は皆さんそうだと思うのですが、当選画面が出てきた時のことは忘れられません。夫とふたりで思わず大声を上げました。
ちなみに結果発表は応募から半年も経ってからなので、一部の方は応募したことすら忘れているんじゃないかなという気がします。応募の時点で、Google カレンダーなどに当選発表日の予定を入れておくのがいいと思います。

私は同年の1月、DVの抽選結果発表の5か月程度前に会社から本社転勤(カリフォルニア)への内示が出ており、本社が契約している移民弁護士事務所の担当弁護士さんとL-1(+夫のL-2ビザ)という社内転勤用ビザの申請手配をのらりくらりとしている最中でした。ただ、タイムラインの図をご覧いただければわかる通り、同年の4月には大統領令により各種ビザの発給が凍結されていました。会社が申請する予定だったLビザもこの大統領令の対象になっており、先行きがかなり不透明でした。
そんな中、同年5月に担当していた顧客H社の松◯氏からパワハラまがいの扱いを受けており、かなり参っていました。上司にも報告しプロジェクト会議の録音も提出しました。明らかに会社の行動規範に反する扱いをこの顧客から受けていたため、この顧客に対して会社から正式に抗議してほしい、そして私から直接松◯氏に謝罪要求をしたい、と言いました。私だけがそういった扱いを受けているならともかく、私の同僚の営業担当もひどく侮辱されており、客という立場を利用してベンダーに対して暴言を吐くという松◯の卑怯な行動に心底腹が立ちました。
ところが、H社がかなり大口の顧客だったこともあり、会社はことを穏便に済ませるために私をプロジェクトから外してこの一件はおしまいとなりました。
私の勤めていた会社はやたらと「比類なき企業文化」を謳っており、正しいことをしよう、社員を大事にしよう等とうわべでは耳に気持ちのいいことを言っていました。なのにいざこういうことが起こった時には毅然とした行動をとってくれないんだな、と落胆してしまいました。今にして思えば、企業文化をドヤ顔で語る会社なんてそもそも胡散臭いのです。上場企業なんてしょせんは利益の追求、株価を上げることが唯一最大のミッションですので、いい大人がこんなことで裏切られたと思うほうが甘すぎたのでしょう。
この時点で、Googleの内定を辞退したことを後悔していたのは言うまでもありません笑。

話は長くなりましたが、2020年6月の私は社内転勤の先行きの怪しさ、パワハラの一件で精神的に落ち込んだ時期でした。そんな中DV当選の知らせは私の気持ちを底辺からすくい上げてくれる出来事でもあったのです。

DS-260提出(応募から約15か月)

DS-260を提出するタイミングについては迷いました。というのも、以前の記事でもご紹介した通りDS-260を提出することはアメリカへの移住の意思を表明することと同義です。何らかの理由で移民ビザが取得できず、その後非移民ビザを申請しようとした場合、過去に移住の意思表示をしていることが非移民ビザの取得に不利に働く可能性があります。

社内転勤ビザ(L-1)は非移民ビザではありますが、二重意思(Dual Intent)が認められた例外的なビザでもあります。つまり、アメリカに移住する意思を持ちながらも取得が認められる特殊な非移民ビザです。ですので例えDS-260を提出してもLビザの取得に不利になることは原則ないのですが、実は我々はLビザの他にOビザの申請も視野に入れていました。Oビザは通称芸能ビザなどと呼ばれ、芸術やスポーツ、エンターテイメントなどの分野で功績を認められた人に発給されるビザです。夫はアーティストをしており、転勤やDV当選の話が出る前からOビザ申請に向けて弁護士を探したりポートフォリオを整理したりと少しずつ準備をしていました。そういう背景があり、DVビザの勝率が十分に上がるまでDS-260の提出は待ちたかったのです。
例年であればケース番号AS7000番台はかなり確度が高いのですが、2021年度はパンデミックと大統領令のダブルパンチでまったく流れが読めず、ビザ広報で我々のケース番号が確実にCurrentになりそうだな、というタイミングまでDS-260の提出を待ちました。

ちなみにDS-260を提出した翌日にはKCCから書類提出依頼のメールが来ています。24時間以内だったと思います。

書類提出(応募から約15.5か月)

提出依頼が来てから警察証明書や戸籍謄本、高校の卒業証明等を取得し、スキャンしてKCCに送りました。

書類審査完了(応募から約18.5か月)

KCCに書類を提出してから審査完了(DQ, Documentarily Qualified)のステータスになるまで平時であれば数週間から1か月半程度と言われていますが、2021年度は大幅に想定を上回っており、我々の場合3か月半もかかりました。これでもまだDQの連絡が来ただけ幸運です。本当に心苦しいですが、DV2021の当選者の中には書類提出から何か月経っても何の連絡もこない方が大勢います。パンデミックの影響というのは確かにあるかもしれませんが、これだけバックログが溜まったのはKCCの怠慢(人員配置ミスも含めて)としか言いようがありません。裁判で公正な判断が下ることを願います。

面接日程決定(応募から20.5か月)

KCCによる書類審査が完了すると、各大使館のキャパシティに応じて面接日程が組まれていきます。「面接日時が決まりましたよ」という連絡は通称2NL(Second Notification Letter)と呼ばれます。我々は2NLを受け取ってから面接までに6週間程度ありましたので、その間に健康診断を受けたり財政証明(銀行口座や株取引口座の残高証明)を準備します。面接の予約時間が朝早かったので、東京の大使館近くに前泊するためホテルの手配も済ませました。
なお、2021年度は2NLから面接日まで2週間、あるいは1週間程度しかないといったケースもあったようです。KCCが相当混乱していたことが窺えます。

ビザ面接(応募から約22か月)

我々の面接は8月下旬に設定されました。2NLから数日後には東京の米国大使館からメールで連絡があり、一部書類を事前に郵送して下さいと依頼されました。(これも例年でしたら普通の動きですが、2NLから面接日までが短かった人たちには事前郵送の指示はなかったようです。)
面接は特に懸念するようなことはなく、提出書類と応募資格の最終確認といった意味合いが強いです。面接の結果我々の申請は承認されました。

移民ビザ発行・受領(応募から約23か月)

面接の終了から約1週間で移民ビザを貼り付けたパスポートが返送されます。印刷のミスがあった場合は早急に大使館に連絡する必要がありますので、受け取ったビザは必ず内容を確認しましょう。
パスポートと一緒にレターサイズくらいのオレンジ色の封筒も申請者の人数分同封されていますので、これは開封せずに大事に保管し、アメリカへの初回入国時に手荷物として持参します。

まとめ

実際にはこの後に移民ビザでアメリカに入国しなければ永住権は得られないのですが、移民ビザが発給されたタイミングで気分的にも一段落ついたためタイムラインをまとめてみました。応募から数えると移民ビザ取得までに実に2年かかっているんですね。当選発表からの期間だけでも移民ビザ発行までに15か月。アメリカ永住権への最短経路と言われるDVプログラムですが、それでもなかなか長い道のりです。

ケース番号や渡航歴、居住歴も各ステップの所要時間に影響するので今回ご紹介した内容がどの程度平均に近いかは分かりませんが、ひとつの実例として、これからビザを申請される方、DVプログラムに応募しようと思っている方のご参考になれば幸いです。

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