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DV-2021 (6) DS-260提出のタイミング

こんにちは。
前回の記事ではDS-260の作成についてまとめましたが、今回は「DS-260を提出する時期」についてです。

DV当選案内には「できるだけ早くDS-260を提出しろ」と書かれていますが、以前の記事でも触れた通り場合によってはこの限りではありません。
DS-260をいつ提出するのが適切かを検討する上で考慮するべき点を以下に挙げてみます。

[2021年7月14日追記]
2021年度はパンデミックの影響を大いに受け、例年の処理・審査とだいぶ流れが変わっています。またDV-2022にもかなり影響が及ぶことが予想されます。以下の記事はあくまでも通常の年を想定しており、2021、2022はこの限りではないケースがあると思います。BritSimonSaysや国務省ホームページ、Twitterアカウント等、極力さまざまな情報源をチェックし、逐次状況把握に努めることをおすすめします。

(1)ケースナンバー(CN)

これを読んでいる方であれば既にご存知かもしれませんが、DVプログラムに当選したからといって必ずしも移民ビザが取得できるとは限りません。以下のようなケースがあるからです:

①要件を満たしていなかった(当選はしたものの、実は学歴・就業履歴の資格に満たなかった、有効なパスポートを持っていなかった、もしくは重大な犯罪歴があった、等。これらの資格は応募の時点では裏どりされませんので、当選後の手続きの中で不足が初めて発覚します)

②手続きに不備があった(必要な書類を提出しなかった、提出書類に重大なミスがあった、申告するべき家族を応募時に申告していなかった等)

③自分のケースナンバーがCurrentになる前にビザ発給数が上限に達した、もしくは会計年度が終わった(9月30日を過ぎた)

この中で特に注意するべきは③です。
すべての書類提出を済ませても、自分のCNがCurrentにならなければ面接の順番は回ってきません。

一方で、要件確認の記事でも触れた通り、DS-260の提出は「移民になることの意思表明」通称 Immigrant intent を意味します。
例えば、以前からアメリカに留学してみたいと考えていた人が、DV-2022に当選したとします。CNは上位から数えて90%くらいの後ろのほう。まじめなあなたは1NLの指示にある通りすぐにDS-260の準備に取り掛かり、2021年の7月には提出しました。ところが、この年は当選者数が非常に多く、結局あなたのCNはCurrentにならないまま2022年9月30日を迎え、会計年度が終わりました。
DVビザは取れなかったものの留学はしたかったので、学校に願書を出し無事合格、2023年1月の入学に先立って2022年10月に学生ビザ(F-1)を申請します。ところがビザ面接で「あなた過去に移民ビザ申請していますね。留学期間が終わったらちゃんと日本に帰国するか、確証が持てません。このままでは学生ビザは出せませんので、日本とあなたを関係付ける追加書類を提出して下さい。」と言われてしまいました…。

上記の例はあくまでも仮説で、実際に面接でこういうことを言われるのかどうかは分かりません。が、お伝えしたいポイントとしては、DS-260を一度提出してしまうと、以後非移民ビザ申請に不利に働く可能性がある、ということです。

DS-260は一度提出してしまうと取り消しはできません。ですので、DS-260は以下2点が確認できた時点で提出するのがいいと思います:

・自分がDVビザ申請の資格を満たしている
・自分のCNがCurrentになる可能性が高い

なお、Immigrant intentについて、「DVプログラムにエントリーした時点で移住の意思表示になってるんじゃないの?」と思われる方もいると思います。私もこれを疑問に思っていましたが、通常エントリーだけではImmigrant intentを持っているとは判断されないようです。

私たちのCNはアジアの7000番台で、2021年2月に発表されたVisa BulletinでCurrentになりました。
2021年1月のVBで6200までCurrentになったので、「お、そろそろじゃね?」ということで、1月下旬にDS-260を提出しました。翌日にはKCCから書類提出依頼メールを受け取りました。そこから警察証明書、戸籍謄本やその英訳を準備し、2021年2月半ばに書類提出をしました。2021年3月初旬の現時点ではまだKCCから書類確認完了のメールは来ていません。

(2)申請資格を満たせているか

上記のビザが発給されないケース①にあたる点です。
応募資格を満たせていない場合、よほどの理由がない限り当選して手続きを進めても申請は却下される可能性が非常に高いようです。
もし将来的に渡米する必要が出てきた場合、前述の通りDS-260を提出してしまうと非移民ビザの取得さえも困難になる恐れがあります。
もし申請資格を満たせていないことが分かっている場合は、残念ですが今回の当選は諦め、次回以降はDVの応募要件を十分に確認して再チャレンジしたほうがいいと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。
DV-2021はコロナやトランプの移民締め出し政策によって波乱含みの年になってしまいましたが、できるだけ多くの当選者が移民ビザを手に入れられるといいですね。

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