価値観変容のための教育: コミュニティカレッジにおける、女性のReEntryプログラム / Education for Perspective Transformation: Women’s Re-entry Programs in Community Colleges

※本記事は、森が日々頑張って読んでいる論文を、頑張って英語でまとめ、それをさらに日本語に翻訳した記事です。
https://medium.com/@KazukiMori/read-education-for-perspective-transformation-womens-re-entry-programs-in-community-colleges-556994745308 

Education for Perspective Transformation: Jack Mezirow, 1978. 読了。

本論文では、教育において重要なのは、能力やスキルではなく、「意味パースペクティブの変容 (meaning perspective transformation)」であることを明らかにしています。同時に、米国の再入学プログラムに焦点を当て、女性の変容を促すプロセスと要因を同定しようとしています。

「意味パースペクティブの変容 (meaning perspective transformation)」とはなんでしょうか?

"意味パースペクティブとは、私たちが、自身やそれを含む関係性を位置づけ、定義する心理的構造である"
Meaning perspectives are the psychological structures within which we locate and define ourselves and our relationships.

表現は難しいですが、簡単に言うと、「価値観が変わる」ということだと理解しました。

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変革のサイクルは以下の通りとしています。

1.self-examination, a critical appraisal of sex-role assumptions
自己を見つめ直し、性的役割の前提を批判的に評価する

2. alienation from past social roles and expectation
過去の社会的役割や期待から離脱する


3. exploring options for new ways of living and making provisional efforts to try out new roles
新たな生き方の選択肢を発見し、新たな役割を試すための努力をする

3. planning a course of action
行動計画を立案する
- acquiring the knowledge and skills for implementing one’s plans
それを実行にうつすための知識と能力を身につける
- a reintegration into society on one’s own terms with a new, inner-directed stance
新たに、内発的なスタンスで、自分らしく、社会に再統合する

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この論文は、学校教育や市民教育など、他の領域にも容易に応用できます。
例えば、ユーザーはプロセスの初期段階で「混乱に陥るジレンマ(disorienting dilemma)」に直面し、それを受け入れなければならないとしています。著者は、このプロセスは痛みと裏切りを伴うものであり、多くの女性は耐えられないと指摘しています。そのため、この段階では、私たちファシリテーターやオーガナイザーは、学習プロセスにおける心理的な安全性を確保しなければなりません。

この指摘は、他の領域にとっても非常に有益です。なぜなら、このようなプロセスの構造は、他の領域のプロセスにもしばしば見られるからです。

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私にとってのポイントは?

さて、このReEntryのような教育プログラムは、なんらかの形で、応募者自身が応募しなければなりません。これは、自己責任論であることを指摘しなければならないでしょう。つまり、母親たちがこのプログラムを発見し、参加を決めたということは、多かれ少なかれ、心構えや態度などの準備ができていたということだと指摘しておきたいと思うのです。

ですから、私にとっての問題は、これを「どうやって社会に浸透させていくか」「どうやって文化にしていくか」「どうやって日常の当たり前の生活に埋め込んでいくか」ということなのです。たとえ母親がそのプログラムに行きたくないと思っても、彼らには社会や学習機関にReEntryしたり、生活の仕方を見直したりする権利があり、それを保障する責任が社会にはあります。

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