【EDH】防御は最大の攻撃!!5KEDH ロークスワインの元首、アヤーラ
今回紹介するのはN氏のデッキ2つ目。ライフ削り能力が非常に強力な、『ロークスワインの元首、アヤーラ』の紹介だ。
黒らしくライフアドとハンドアドを稼ぎ、相手のライフまで削るこの統率者のポテンシャルは非常に高い。「アドを稼ぎ」「勝ち手段であり」「軽い」のだから十分に強ジェネラルの一員と呼べるだろう。
一方で5000円環境ではどうだろう?
『ファイレクシアの供犠台』は高額で搭載が難しい。黒のサーチや全除去も高額だ。コンボ寄りのデッキになるだろうが、防御が薄いと袋叩きにされやすい。速度とサーチによる安定感の不足はコンボデッキには致命的だろう。
しかし、”耐えながら戦える”『アヤーラ』なら問題は無い。
本デッキは金額制限EDHらしく、様々なカードのシナジーで攻めと守りを両立している。そして”耐えながら戦える”本デッキは金額制限をもろともしない実力を発揮して見せた。
”5000円環境”をもろともしない、有限コンボによるドレインデッキの実力を感じてほしい。
5KEDH ロークスワインの元首、アヤーラ(2021.7~)
【統率者】
50円《ロークスワインの元首、アヤーラ/Ayara, First of Locthwain》
【ライフ削り・クリーチャー展開】 26枚
700円《墓所のタイタン/Grave Titan》
680円《墓所這い/Gravecrawler》
10円《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》
20円《忌まわしき首領/Abhorrent Overlord》
10円《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》
10円《絞墓の群衆/Noosegraf Mob》
20円《練達の育種師、エンドレク・サール/Endrek Sahr, Master Breeder》
11円《オーガの貧王/Ogre Slumlord》★
9円《センギアの吸血魔/Sengir Nosferatu》
20円《センギアの従臣/Sengir Autocrat》
10円《群れの笛吹き男/Piper of the Swarm》
20円《忌むべき者の軍団/Army of the Damned》
40円《害獣の疫病/Plague of Vermin》★
20円《奈落の総ざらい/Empty the Pits》
10円《往時軍の覚醒/Awaken the Erstwhile》★
10円《ゾンビの横行/Zombie Infestation》
45円《リリアナの支配/Liliana's Mastery》
20円《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
50円《胸躍るアンコール/Thrilling Encore》
35円《黄昏の呼び声/Twilight's Call》
【ライフ削り・効率化】 5枚
30円《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
20円《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
90円《血の芸術家/Blood Artist》
8円《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
45円《バントゥの碑/Bontu's Monument》
【アド】 13枚
160円《墓所破り/Cryptbreaker》
180円《忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods》
10円《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
50円《意志の大魔術師/Magus of the Will》
100円《墓所の怪異/Crypt Ghast》
240円《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
30円《血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon》
24円《血の署名/Sign in Blood》
10円《骨読み/Read the Bones》
50円《魔学コンパス/Thaumatic Compass》
90円《ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation》★
40円《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
50円《ボーラスの城塞/Bolas's Citadel》★
480円《闇の領域のリリアナ/Liliana of the Dark Realms》
【除去】 11枚
30円《叫び大口/Shriekmaw》
10円《ファイレクシアの疫病王/Phyrexian Plaguelord》
30円《陰謀の悪魔/Demon of Dark Schemes》
10円《究極の価格/Ultimate Price》
10円《破滅の刃/Doom Blade》
10円《ファリカの献杯/Pharika's Libation》★
160円《殺し/Snuff Out》
30円《吸肉/Syphon Flesh》
100円《苦痛の命令/Decree of Pain》
30円《土牢/Oubliette》
240円《エレボスの指図/Dictate of Erebos》
【マナ加速】 15枚
90円《太陽の指輪/Sol Ring》
60円《旅人のガラクタ/Wayfarer's Bauble》
20円《星のコンパス/Star Compass》
10円《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
20円《精神石/Mind Stone》
18円《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
4円《炭色のダイアモンド/Charcoal Diamond》
150円《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
8円《面晶体の記録庫/Hedron Archive》
90円《ニクスの睡蓮/Nyx Lotus》
200円《スランの発電機/Thran Dynamo》
140円《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
180円《かごの中の太陽/Caged Sun》
40円《沸き立つ汚泥/Bubbling Muck》
30円《暗黒の儀式/Dark Ritual》
【土地】 34枚
80円《陰謀団の要塞/Cabal Stronghold》
《沼/Swanp》 33枚
4952円
デッキコンセプト
本デッキの主な動きは『アヤーラ』がいる状態で”数が並ぶ呪文”を唱え、相手をドレインで削っていくという素直なものだ。それ以外は基本的に敗北しないようにだけ注意して立ち回ろう。それが最も強い動きだ。
他のプレイヤーが暴れだしたり、争い始めたらしめたもの。
致命傷だけ除去で防ぎ、全員のライフが『アヤーラ』と手札のチェインで削り切れるところまで静観で問題ない。
攻め時まで耐え抜き、一気に相手を溶かしてしまおう。
本デッキで非常に特徴的なのは、戦い方が”相手に依存しない”点だ。
繰り返しになるが、相手を削るためにクリーチャーを展開し、そのクリーチャーを使って守る&アドを稼ぐという動きが自身の戦場のみで完結しているためだ。
『アヤーラ』が軽量なのもありがたい、序盤から展開してアド原にしてもよし、終盤まで温存しキャストしてそのまま削り切るもよしだ。
この超高効率なプレイヤー火力を、最悪のタイミングでお見舞いしてやろう。
とはいえ数は力だ。構造上共闘もなかなか難しい。余裕があるなら積極的に相手を削っていこう。
本デッキはサブプランとしてゾンビシナジーを採用している。それなりの数が並ぶ呪文が揃っているため、自分で勝利を近づけられそうならそれを躊躇う必要はない。
攻撃が通らなければ『アヤーラ』で始末してしまおうな!
細かいプレイングの話をすると、『アヤーラ』のキャストはN氏曰く「1回目はアド源として早めに出し、2回目は可能な限り温存する」ほうが良いとのこと。
終盤のチェインには少なくないマナやリソースを必要とする。大量に削れるほど奇襲性が上がるため、序盤の準備は不可欠だ。
軽量の『アヤーラ』と言えど2度落とされると7マナ、さすがに再キャストから即相手を削るにはマナが心もとない。
逆に言えば5マナぐらいであれば問題なく可能ということだろう。私はこれを聞いて「やっぱ退場してもらわなきゃだめだな♪」と認識を改めた。
リストから見えてくる特徴として、本デッキのマナ加速は”多めで重め”だ。5~6マナまで伸びてからもう一度しゃがみ、終盤がっつりマナを出すことを強く意識している。
デッキの土台から”勝ち方”を意識した構築がなされているわけだ。
最後に注意点だが、本デッキは構造上全除去は当然つらい。そして1度遊べば、対戦相手は隙を見せれば必ず削ってくる。
隙を見せないよう、リカバリーを意識したプレイングを心がけよう。
耐えて勝つという一風変わったデッキだが、その強みは理解してもらえただろう。猛攻を耐え抜き、着実に勝利を手繰り寄せよう。
プレイの所感(相手をした所感)
攻める時「(でもアヤーラがいるから・・・)」と常に考える感じた。終始ひりついた戦いを楽しめるぞ!!
当然隙を見せようものなら大喜びで削りに行くのだが、守りに徹したデッキというのは当然強固で、一筋縄ではいかない。
耐える動きをするだけなら『アヤーラ』すら必要ない。数は力であり、耐えるだけならいくらでもやりようはあるだろう。
中型のクリーチャーでゾンビをぺちぺち削っても埒が明かない。チャンプブロック要員は『アヤーラ』が食べてアドに代わってしまう。「アヤーラの思う壺だ!」と分かっていても、『アヤーラ』の時間稼ぎに付き合うことになる。
逆にチャンプブロックを突破しようとする場合、それは”それなりの戦闘力を持つ”ことに他ならない。その脅威度を誤ると、一気に卓のヘイトは自分に集まってしまう。
そもそも自分達もライフを削らなければ基本的に勝つことは難しい。脅威は当然『アヤーラ』だけなわけが無く、ヘイトを常に向け続けることはできない。そう思って『アヤーラ』をほっといて削り合っていると、ターンを回した時「ご苦労様です!」と搔っ攫われてしまうのだ。
直接ライフを削ってくる点が非常に恐ろしい。戦場のクリーチャーが防御になりえない点は大きく計算を狂わせる。
そして何より効率が良い!!10点ぐらいまで1ターンで平気で削ってくる。それを”全員同時に”だ!
「まずアヤーラ退場させない?」と何度も話合うことになるだろう。
とはいえそう素直にいかないのがEDH、『アヤーラ』もやばいがあっちもやばい、なんなら”自分もリーチ”となれば交渉は難航必至だ。ゲームを加速させるこの次元カード(アラーヤ)の取り扱いには十分注意しよう。
じわじわと全員が消耗するほど勝利に近づくため脅威度が増し、こちらの余裕がなくなる恐ろしいデッキだ。常に死と隣り合わせの感覚を味わわせてくれる。こいつと戦うときは、いつも以上に盤外交渉が白熱するこだろう。
おすすめカード・おされカード
まず構築者N氏のおすすめカードを紹介する。
〇害獣の疫病/Plague of Vermin
まずは『アヤーラ』を語る上で触れねばならないカードの紹介。絆魂統率者の『憎悪』と同様、コストとしてライフを支払い、能力で支払ったライフを一気に回収してしまうことができる。
そして『アヤーラ』なら支払った分だけ全対戦相手のライフを削れるに等しいため、ほぼ2枚コンボのエンドカードと言って差し支えないだろう。
N氏「対応の除去や、払いすぎたところの顔面火力に気をつけよう!」
〇オーガの貧王/Ogre Slumlord
「相手でも反応するのえらいね。盤面の固くなり方がえぐい。」とのこと。
実際EDHにおいては、自身のターンが来るまでに対戦相手のターンが3回あるのだから、プレーヤーを問わず誘発するカードの方が強力なのは間違いない。死亡誘発であるため、全除去耐性になるのもありがたい。
そして本体も残れば出たトークンに接死がつく。1/1ネズミに相打ち取られて1/1ネズミが出るとかやってられない。
実質除去吸いにもなる非常に強力な耐久型クリーチャーだ。
〇往時軍の覚醒/Awaken the Erstwhile
「使われるとめんどくさいよね。使ってるほうもめんどくさいと思ってます。」と、へぇー、ふーん・・・。
真面目な話、ゲームを遅延させるなら土地ごと吹き飛ばすか手札を吹き飛ばすのが手っ取り早い。『アヤーラ』はトークンを使ってアドを稼げるわけだし、相手の妨害も数ターン抑制できるわけだから相性は非常に良い。
小回りがきかないなら相手もぐだらせてしまおう、という1枚。
〇ボーラスの城塞/Bolas's Citadel
「ほぼエンドカード。トップが土地なら『アヤーラ』でハンドに入れよう。減ったライフは『アヤーラ』で回復しよう。」
cEDHでも活躍するまごうこと無きエンドカード。『師範の占い独楽』と合わせて運用されることが多いが、単体でも十分にゲームを終わらせる力がある。とはいえ重いカードが多いとライフは尽きるし、3割は土地であるため、適切にどかせなければ簡単にチェインは止まる。
ひと工夫が必要なカードだが、ライフを稼げて、1枚だがドローが可能な『アラーヤ』では大きく話が変わってくる。
『アヤーラ』とのシナジーでとにかくいやらしい点は、支払ったライフが能力によって補給されてしまう点に尽きる。
補給されたライフで通常より多くチェインが続くため、回復して続いた分対戦相手のライフが削れるのだ。たとえ出したターンにゲームが決まらなくとも、ライフが十分補給されているため、返しで詰め切るのが非常に難しい。高相性なエンドカードだ。
着目カード
〇ファリカの献杯/Pharika's Libation
今や黒単でもエンチャント対策が可能なのだ!こういうカードをちゃんと採用しているデッキを見ると「おっ、えらいなぁ。」と思う。
本カードの優れた点は、やはり"インスタントタイミングでのエンチャント布告が可能”である点だろう。私の卓でよく悪さをする”破壊不能の神”にもご退場頂くことが可能だ。
ソーサリー破壊で良ければ『大群への給餌』も登場している。お守りとして1枚刺しておいてはいかがだろうか。
〇ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation
私の卓で非常によく使われる1枚。信じられないほどのアドを稼ぐのだが全く値上がりの気配がない。超おすすめカードだ。
こいつで『アスフォデルの灰色商人』あたりをぐるぐるしてあげれば一瞬で相手は溶ける。そうでなくても統率者が2マナ2点で回収できて困ることは無いだろう。クリーチャーデッキの復帰を強力に支えてくれる格安強カードだ。
加えて『アヤーラ』においてはライフコストもすぐ回収できる。すぐにどかさないとアドを稼ぎながらこちらのライフが削られる負のサイクルの始まりだ。
基本的に悪いことしかしないので必ず退かしておこうな!
おわりに
本デッキは、今までのものとは雰囲気も遊び方も大きく異なるものだっただろう。クリーチャーで攻撃し、ダメージを与えてライフを削るデッキとは主軸に据える戦い方が大きく異なっている。
一方で、じりじりと戦う多くのデッキの中では、本デッキは勝ち方も明確で、動きとしてはシンプルなデッキかと思う。
こういったデッキが好きな人にも、こういったデッキを組んだことが無い人にも理解しやすいデッキだったのではないだろうか?
詳細を忘れてしまったのだが、「MTGのプレイヤーは”魔法使い”。勝利のための手段は無限に存在する」という話を聞いたことがある。
他のカードゲームだと”召喚術師”の要素が強いらしく、構造上”ノンクリーチャー”でゲームに勝利することは難しかったりする(らしい)。
MTGはライフを削れれば良いのでフルスペルのデッキでも全く問題無い。LOだって勝利だし、”勝利する””敗北する”と書かれた呪文も多数存在する。
言いたかったのは「遊び方(勝ち方)が豊富なのもMTGの魅力だよね!」ということだ。
EDHはフォーマットの中でいえば”召喚術師”のイメージのほうがしっくりくるかもしれない。(あるいは使い魔だろうか?)
「相棒の能力を主軸に、どのような呪文を揃え、対戦相手から勝利を掴むか」という視点でEDHを考えてみても面白いかもしれない。
私はMTGの世界観が大好きであるためこういう話も大好きなのだが、みなさんはいかがだろうか?
相棒の統率者とプレイヤーの構築による相乗効果で、皆もEDHで勝利を掴んでほしい。
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