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【EDH】シミックの怪物に恐怖しろ!!5KEDH まどろむ島、アリクスメテス

 青緑のファッティ。それは浪漫である。デカくて強くてかっこいい。出せば勝ちみたいなところある、雄々しい生物たち・・・か???

 どちらかと言うとEDHでも「あんまり見ない」が正しいかもしれない。

 緑はEDHでも十分な速度を持ち、勝ち手段に優れるためリミテなどで活躍する大型生物はあまり採用されない。青に至っては生物以外の勝ち手段が強すぎるためそもそも選択枝にすら上がらない。
 しかし事実存在する、青や緑の、えげつない大型生物達・・・

 本デッキはS氏が「青緑のデカブツ使いたいなぁ」で作ったシミック大怪獣デッキ、『まどろむ島、アリクスメテス』を紹介だ!
 うちの卓はこんなんばっかか??!

まどろむ島、アリクスメテス


5KEDH まどろむ島、アリクスメテス(2021.6~)

【統率者】
  40円《まどろむ島、アリクスメテス/Arixmethes, Slumbering Isle》
【選別された精鋭たち】 26枚
936円《頂点壊滅獣/Apex Devastator》
500円《動じない大ワーム/Impervious Greatwurm》
  10円《深海のクラーケン/Deep-Sea Kraken》
280円《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》
  30円《原始の守護者/Primeval Protector》
240円《虚空の選別者/Void Winnower》
  90円《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》
  40円《力の化身/Avatar of Might》
    4円《嵐潮のリバイアサン/Stormtide Leviathan》
180円《世界を壊すもの/World Breaker》
  50円《苔橋のトロール/Mossbridge Troll》
  30円《巨大オサムシ/Giant Adephage》
  29円《大樹揺らしのキマイラ/Treeshaker Chimera》
  40円《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide》
    8円《追われる鯨/Pursued Whale》★
  33円《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》
  20円《凶暴な見張り、ガーゴス/Gargos, Vicious Watcher》
  40円《永遠神ロナス/God-Eternal Rhonas》
    8円《ネシアンの猪/Nessian Boar》★
    2円《英雄たちを破滅させるもの/Heroes' Bane》★
  44円《産卵するクラーケン/Spawning Kraken》
  70円《狩り立てられた幻/Hunted Phantasm》
  30円《大食のハイドラ/Voracious Hydra》
  20円《ルーデヴィックの実験材料/Ludevic's Test Subject》
160円《キオーラ、海神を打ち倒す/Kiora Bests the Sea God》
100円《逆説の領域/Paradox Zone》
【攻めを支える副官たち】 10枚
  70円《東の樹の木霊/Kodama of the East Tree》
    8円《報奨の祝賀者、イモーティ/Imoti, Celebrant of Bounty》
130円《カル・シスマの恐怖、殺し爪/Goreclaw, Terror of Qal Sisma》
  30円《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
  10円《指数関数的成長/Exponential Growth》
  17円《不可思議/Wonder》
  11円《ドラゴンの翼/Dragon Wings》★
  55円《シャドーの裂け目/Shadow Rift》
  20円《シミックの隆盛/Simic Ascendancy》
  25円《天使のトランペット/Angel's Trumpet》★
【練り上げられた潤滑部】7枚
131円《遅延/Delay》
  60円《秘儀の否定/Arcane Denial》
  40円《大あわての捜索/Frantic Search》
  10円《宝船の巡航/Treasure Cruise》
  33円《自然の要求/Nature's Claim》
    4円《再利用の賢者/Reclamation Sage》
  20円《変位の波/Displacement Wave》
【アド稼ぎ】 13枚
  45円《セルヴァラの暴走/Selvala's Stampede》
  30円《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
100円《起源の嵐/Genesis Storm》★
130円《予想外の結果/Unexpected Results》
120円《隠れ潜む捕食者/Lurking Predators》★
  20円《前兆の機械/Omen Machine》
  30円《過ぎ去った季節/Seasons Past》
    6円《驚異への入り口/Open into Wonder》★
  20円《ビヒモスを招く者、キオーラ/Kiora, Behemoth Beckoner》
  10円《ガラクの蜂起/Garruk's Uprising》
    8円《原初の共感/Primal Empathy》
  10円《ルクサの恵み/Bounty of the Luxa》
130円《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
【美しきマナ加速】 13枚
100円《太陽の指輪/Sol Ring》
    8円《シミックの印鑑/Simic Signet》
  10円《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
  60円《献身のドルイド/Devoted Druid》
  30円《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
    8円《明日への探索/Search for Tomorrow》
120円《自然の知識/Nature's Lore》
    8円《不屈の自然/Rampant Growth》
  30円《遥か見/Farseek》
  10円《肥沃な大地/Fertile Ground》
  10円《探検/Explore》
  23円《成長のらせん/Growth Spiral》
  10円《真夜中の時計/Midnight Clock》
【トッティ】 30枚
    4円《統率の塔/Command Tower》
  90円《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
  30円《眷者の居留地/Bonders' Enclave》
    2円《ならず者の道/Rogue's Passage》
《島/Island》16
《森/Forest》10
4830円

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デッキコンセプト

プレイングの大筋は単純明快

 ”『アリクスメテス』でマナ加速しファッティを叩きつける”

以上である。
本デッキはまごうこと無き、

「青緑ファッティのカードパワーで相手を押し切るデッキ」
である!

 これが全く侮れない・・・

 まず『アリクスメテス』が12/12とかいう”ありえない”サイズをしている。そして青緑なので当然のように飛んだりトランプルがついたりアンブロになったりブロッカーがタップされたり”さらに”大きくなったりする。『不可思議』が墓地に落ちたら目も当てられない。ラピ〇タかよ・・・。

 緑のファッティは言わずもがな、マナコスト相応のパワーと突破力を持ち、青のファッティは十分なサイズを持ちながら、青らしい能力でプレッシャーをかけてくる。何もかもが尋常でなく”重い”のだ。

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 加えて『不可思議』を筆頭とした、青緑ならではのシナジーカードも搭載されており、今回もやりたい放題の中に賢しさが隠れている

 私は15/15飛行『原初の飢え、ガルタ』に殴られたり、3体(4体だったか?)いたドラゴン達をフルタップされライフを消し飛ばされたり、『エンバレスの宝剣』付き『黄金夜の刃、ギセラ』で突破できない状況、を経験している。今でも夢に見る。
 6/6二段攻撃トランプル『ギセラ』だよ?どうして・・・

 構築面での工夫として、本デッキはサーチを”あえて”搭載していない

 どのファッティも1枚で即ゲームを決めうるわけではない。であればサーチを経由してターンを遅らせるより、1ターン早くファッティを叩きつけたほうが当然強いわけだ。
 ”選りすぐった精鋭達”ならいつ引いても問題ない。本デッキは一期一会を大切にするデッキなのだ。

 普段見ることのないデカブツ達のカードパワーで盤面を蹂躙するさまを楽しむことに特化したのが本デッキだ。本当に勘弁してほしい。

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出して楽しいデカブツランキング

 今回も説明することは無くなってしまったので祭りを開催しようと思う。
 S氏に"出して楽しいデカブツランキング"をつけてもらった。

〇第3位 ネシアンの猪/Nessian Boar

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 「素晴らしいマナレシオ、ブロック強要によるゲームエンド”力”、アドも稼げる(相手が)」
 「デメリットはブロッカーのいないところに行けば関係ないし、相手が死ねば問題なし。」



〇第2位 追われる鯨/Pursued Whale

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 「なんであんなの追いかけちゃうの?
 「出すとみんな協力して海賊を処理し始めるのでとっても愉快。」
 「一巡がら空きなら概ねゲームが終わるので普通に強い。」



〇第1位 英雄たちを破滅させるもの/Heroes' Bane

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 「サイズが雑。除去もブロッカーもない人をゲームから退場させることができる。」
 「分割払い17マナ32/32デメリット無しなのでマナレシオ最強といっても過言ではない。」


 私達は比較的長い期間このデッキと遊んでいるため、今ではすっかりこれらのファッティ達と顔なじみになってしまった

 一言言わせてもらえば「マスデスが多すぎる!!」これに尽きる。

 最適なタイミングで全除去等が通らなければすぐに対処の手は足りなくなり、対処札を引くまで猛攻を耐えるような戦い方になる。
 じわじわ削り合う戦いに持ち込めたならもうS氏の思う壺だ。ダメージレースで負けることはほとんどない。あとは勝利の一手を通すだけだ。

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おすすめカード・おしゃれカード

 本デッキは『アリクスメテス』で2マナしか加速していないにもかかわらず8マナ~10マナのクリーチャーがポンポン出てくる
 私にとってこれは長年の謎だった。
(本デッキは5000円構築を始める前から存在する古参デッキだったりする)

 本デッキにはファッティを戦場に叩きつけるための”からくり”がある。
 鍵となるのは緑の優秀な踏み倒し呪文達だ。以前紹介した『セルヴァラの暴走』はその筆頭なわけだが、今回はせっかくなので他のカードも紹介したいと思う。


〇起源の嵐/Genesis Storm

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 こいつは統率者専用のパーマネント踏み倒しカードだ。統率者を1回でも唱えていれば2枚踏み倒せるため、マナコストとしては十二分だろう。
 そして本デッキのような激重デッキでは大抵悪夢となる。
 私は本デッキが5000円でなかった頃、こいつから『動じない大ワーム』『ペミンのオーラ』が捲れ、16/16飛行被覆破壊不能に殴り殺されたことがある。可能性は無限大だ


〇隠れ潜む捕食者/Lurking Predators

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 読んだ通りだ。こいつはふざけたペースでフィニッシャーを叩きつけてくる。こいつの最もいやらしい点は、こいつをどかすために撃たれた呪文にも反応する点だ。いいかげんにしてほしい。
 だいたいこいつを無視して捲ってやろうと動いた場合、裏目に出るんだよなぁ。どうして・・・。

 真面目な点に触れておくと、これらの踏み倒し呪文で正しくマナを踏み倒すため、マナ加速等の外れが少なくなるようカード選択に工夫がなされている。(5000円構築で2マナ加速を確保したいジレンマのため完璧とはいかないが)コンセプトを強みとして押し付けられるよう意識されているわけだ。


 加えて本デッキの個性とも呼べる点を紹介しなければならない。
 他のデッキには真似できない独特な動きをする、シミックらしいサポートカード達だ。

〇ドラゴンの翼/Dragon Wings

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 6マナ以上のクリーチャーが戦場に出た時、墓地からCIPでエンチャントが可能なオーラだ。色ごとにキーワード能力が異なるサイクルだが、青の飛行だけなぜかサイクリングがついており非常に使いやすい

 結果こいつが墓地にあると、恐竜やハイドラ、果てはクラーケンやリバイアサンに至るまでが次々空を飛ぶことになる。墓地対策かエンチャントを追放しない限り何度でもついでのように飛行をつけるため対処も難しい。
 飛行の恐ろしさを教えてくれる悪夢のオーラ呪文だ。 

 よくイラストを見るとタコのような生物が飛んでいる。狙った使い方なんだろうが正直きもい。

〇驚異への入り口/Open into Wonder

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 こんな・・・こんな恐ろしいカードを仕込んでいたのか!!!
 「ブロックされない」なんて気軽に書くんじゃない!!

 こいつを最も凶悪に使うことができるのが本デッキではないだろうか?青色を含み、大型生物を扱う本デッキでの影響力は絶大だ。
 ファッティを2~3体アンブロにすればそれは間違いなく致命傷となる。加えて事前に”うっかり”『アリクスメテス』を通しておけば、2人ほど同時に退場させることも視野に入ってくる。

 こいつをプレイされると人によっては「・・・・・・死にますねぇ。」と手札をテーブルに置くことになるだろう。

 EDHでは敵が3人いるためサボタージュ能力付与も大変ありがたい。
 奇襲性も含め本デッキとベストマッチのフィニッシュカードだろう、さすがS氏だ。


〇環境を変えた問題児
『天使のトランペット』というカードを知っているだろうか?

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 こいつはただ警戒を与えるだけのカードではない
  攻撃しなければタップされる。つまり、殴れない、殴り勝てないクリーチャーはブロッカーにすらならないのだ。
 こいつはゲームを超加速させる。ファッティに攻撃しない理由はなくなり、サイズで受け止められないものから退場していくことになる。さらに横並び戦術を咎め、後続は当然攻撃できずタップされる。
  盤面のクリーチャーは一瞬で強者に淘汰されてしまうのだ。

 真面目な話、警戒は白のお家芸で他の色では途端に難しくなる。本デッキは大型少数で攻めるデッキのため、プレッシャーをかけながらブロッカーを残せる「警戒」は求めてやまないキーワード能力だった。

 それが蓋を開けてみればなんということか!卓全体を半ば強制的に殴り合いへと引きずりこむとんでもないカードが発掘されてしまった。
 S氏はよくこういったカードを引っ提げてくる。見たこともないカードで盤面を優勢に傾けてくるのだ、私は頭を抱えるばかりだ。

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相手をした所感

 デカァァァァァいッ説明不要!!(大真面目)
 
 S氏がデカブツを出すたび
 「・・・おい、あいつどうするよ?」
 「ん?どうもならんが???」
 「殴るならあっちですよね?」
 みたいなやり取りをすることになる。

 とにかくでかいのも当然困るわけだが、様々な妨害能力、回避能力、しまいには除去耐性を引っ提げてやってくるため、やつらの猛攻を耐えるのに非常に多くのリソースを費やされる
 いやらしいクリーチャーがそろっているという感想だw
 当然全除去系が弱点なわけだが・・・・

まどろむ島、アリクスメテス

 『アリクスメテス』がでかい・・・・

 「(これ流してもあれが目、覚ますんだよなぁ・・・)」
 となるのである。

 2パン統率者の圧力は伊達ではない。そして初期は土地である点が非常にいやらしい。まどろみカウンターは”取り除かない”ことが可能であるため、S氏はしっかり温存してくる。
 卓の強者に適度な圧力をかけつつ、最適のタイミングで『アリクスメテス』を目覚めさせるのである。

 実は『アリクスメテス』しっかりと弱点をケアできる位置にあるのが、本デッキの肝と言えるのではないだろうか。

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 S氏は新しいスポイラーが出るたび緑や青の激重クリーチャーをニコニコ顔でチェックしている。天使やドラゴンでこれをやる人は多いが、『頂点壊滅獣』『指数関数的成長』がリークされて大喜びするデッキはまず他にないだろう。
 私達は既にファッティ達と顔なじみになるぐらい遊んでいるため、「あぁ、これアリクスから出てきたら嫌だなぁ・・・」と思うようになってしまった。

 本デッキと遊んだ者は皆、青緑のカスレアファッティ達に怯える日々を送ることになることを予言しよう。

 Wizardsの遊び心に心震える日々があなたを待っている。

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おわりに

 シミック大型生物の恐ろしさを感じてもらえたのではないだろうか?

 あれこれ言ったが本デッキは「使っても、相手をしていても楽しいデッキ」と言っても良いのではないかと思っている。大怪獣ガチャに敵も味方も一喜一憂し、まだ見ぬ化け物が捲れようものなら卓は阿鼻叫喚の渦に包まれる。
 これはS氏のデッキコンセプトでもあるため、コンセプト通りの仕上がりになっていると言ってよいだろう。

 さらに言えば、身内でデッキを交換して遊ぶこともあるのだが、本デッキは遊びやすい上に終始インパクトがあり、かつちゃんと勝ちを狙えるため使っていて大変楽しかった

 本デッキの構築は絶妙で、ただのファッティ叩きつけデッキに見えて、「強みを押し付け勝つためのバランス」をしっかりと持っているのだ。
 好きなデッキコンセプトでここまで作りこめたなら最高だろう。

 「やりたいことをやって、ちゃんと勝てるデッキ」
”言うは易く行うは難し”とはよく言ったものだが、長く触っていることでそのバランスが取れてくることもある。
 そんな”楽しいデッキ”を1つ作ってみてはいかがだろうか。

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