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【EDH】”攻めの全除去”を使いこなせ!  5KEDH 永遠神オケチラ

アイディアも良かった。頑張ったと思う。
5000円環境なら、らしいデッキに仕上がると思ったんだ・・・。

本記事は『永遠神オケチラ』と4/4ゾンビの軍勢が対戦相手を蹂躙するさまを夢見た私の苦難の道と、その記録である。

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5KEDH 永遠神オケチラ(2020.11~)

【統率者】
  70円《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》
【トークン生成】  5枚
    4円《白たてがみのライオン/Whitemane Lion》
    2円《石覆い/Stonecloaker》
  30円《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
  20円《解放の天使/Emancipation Angel》
  50円《地図作りの鷹/Cartographer's Hawk》
【シナジー&フィニッシャー】 8枚
  10円《跳ね橋/Crashing Drawbridge》
    2円《月皇の司令官、オドリック/Odric, Lunarch Marshal》★
  90円《一枚岩の努力/Concerted Effort》
  58円《アクローマの意志/Akroma's Will》
150円《遺棄の風/Winds of Abandon》
180円《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》
480円《選定された行進/Anointed Procession》
140円《神聖な訪問/Divine Visitation》
【統率者強化】 10枚
  10円《武器庫の開放/Open the Armory》
    8円《大薙刀/O-Naginata》
600円《統率者の板金鎧/Commander's Plate》
  90円《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
  10円《微風のブーツ/Zephyr Boots》
  10円《速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals》★
    2円《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》
  10円《先祖の刃/Forebear's Blade》
  40円《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》
540円《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》★
【ライブラリ掘り】 5枚
  40円《叫び角笛/Shriekhorn》
  10円《終わりなき時計/Perpetual Timepiece》
  10円《研磨時計/Grindclock》
  10円《石臼/Millstone》
    5円《水晶球/Crystal Ball》
【全除去】 10枚
  70円《審判の日/Day of Judgment》
  30円《崇高な吐露/Sublime Exhalation》
    4円《ラースの風/Winds of Rath》
  30円《燻蒸/Fumigate》
  18円《総くずれ/Rout》
  50円《王国まといの巨人/Realm-Cloaked Giant》
  50円《浄化の輝き/Cleansing Nova》
  30円《質素な命令/Austere Command》
    8円《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》
  30円《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk》
【妨害】 4枚
  30円《世界を鎮める者/World Queller》★
  30円《ヘリオッドの介入/Heliod's Intervention》
  80円《解体の波/Dismantling Wave》★
100円《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
【アド源】 10枚
    6円《オレスコスの探険者/Oreskos Explorer》
  80円《調和の守り手/Keeper of the Accord》
  10円《エメリアの番人/Emeria Shepherd》
  40円《太陽のタイタン/Sun Titan》
  40円《土地の寄進/Gift of Estates》
190円《忘却の偶像/Idol of Oblivion》
  90円《アゾールの門口/Azor's Gateway》
  80円《終わりなき地図帳/Endless Atlas》
  50円《精神の眼/Mind's Eye》
230円《終わり無き地平線/Endless Horizons》
【マナ加速】 13枚
110円《真珠の大メダル/Pearl Medallion》
  30円《オケチラの碑/Oketra's Monument》
100円《太陽の指輪/Sol Ring》
  20円《金のマイア/Gold Myr》
  18円《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
  50円《ボレアスの軍馬/Boreas Charger》
100円《連合の秘宝/Coalition Relic》
  30円《スカイクレイブの秘宝/Skyclave Relic》
  70円《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary》
  10円《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
  50円《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
110円《スランの発電機/Thran Dynamo》
140円《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
【実質土地】 2枚
  10円《オンドゥの転置/Ondu Inversion》
    8円《セジーリの防護/Sejiri Shelter》
【土地】 32枚
  10円《のどかな農場/Idyllic Grange》
    4円《無限地帯/Myriad Landscape》
  40円《地形形成装置/Terrain Generator》
    4円《邪神の寺院/Temple of the False God》
    6円《英雄の鍛錬所/Forge of Heroes》
    2円《ならず者の道/Rogue's Passage》
    2円《オパールの宮殿/Opal Palace》
  20円《眷者の居留地/Bonders' Enclave》
《平地/Plains》24枚
4907円

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デッキコンセプト

 統率者は『永遠神オケチラ』。5マナ白単で、大型トークンを生成する白には珍しい能力を持つ。死亡追放を置換する能力はサイクルの全神が持つ能力だ。英名God-Eternalでとにかく名前がかっこいい

 当初「クリーチャーを唱えると4/4警戒ゾンビが生成される」ことを生かし、このトークンでボードアドバンテージを取っていくことを主軸に据えて構築を考えた。

 『白たてがみのライオン』『石覆い』といった好相性クリーチャーが存在するが数は少ない。そのため『祖先の像』等の”重いが類似の能力を持つカード”と「クリーチャーコスト軽減」を組み合わせて同効率カードの数増しを狙った。
 
 統率者がライブラリ3番目に移動する点は、”切削”を駆使して掘り進めることで、強みを生かしつつ除去をケアする。
 マナは7~9まで伸ばし、全除去を受けても次のターンには必ず統率者+4/4トークンが数体並ぶよう意識した。

 必須パーツが多数あり準備が大変だが5000円構築であればいけるのでは!と考えた訳だが、結論を言うと非常に厳しかった


 多くの課題が浮き彫りになったが、最も想定外だった点がある。
”4/4警戒ゾンビが並んでも勝てなかった”のだ。

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 4/4警戒は、数が並ぶとかなりのヘイトがある一方で突破力が無く、チャンプブロックで簡単に打点が下がる。そして盤面が膠着すると、瞬発力のあるフィニッシュカードが少ないため相手の盤面を捲ることができなかった。

 ゲームを決める一手やはり奇襲性の高さが物を言う。
 基本的に横並び戦術は『踏み荒らし』系によって突破力と打点を瞬間的に上げることが多い。しかし白単ではそれができなかった
 『アクローマの意志』を引けなければいつまでたっても1人退場させることすらできず、相手に捲られるのを待つばかりだった。

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 同時に白単らしい弱みの相乗効果が、”5マナ統率者を出してから準備する”『オケチラ』にも大きくのしかかった。「二流ライオン」では相手のゲーム速度について行けず、無色アド源ではパーツを引き込めず、お願い全除去も復帰速度の差で劣勢が覆ることは無かった。
 
 長々と語ったが、これらの流れを経て強みと勝ち手段を見直したデッキが今回のリストだ。


 勝ち手段は二段攻撃を利用した統率者ダメージ。基本的な動きは、切削パーツと装備が揃うまで全除去で相手の足を引っ張り続けるというなんとも白単らしいもの。4/4警戒を生かした戦法は、『白たてがみのライオン』を引けるかどうかで動きが変わり過ぎるためおまけになった。
 結局ここに行き着いてしまった。

 白単EDHの多くは、白の強カードである「全除去」とどう折り合いをつけるか、の戦いだ。次のタイトルで具体的に触れたいと思う。

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プレイの所感

 対戦相手を十分に減速させ、攻め手を勝ちにつなげるため無駄なく手を打つ必要がある、難易度の高いデッキだ。

 相手を減速させながら戦うデッキがつらいのは、冷静に考えれば当然のことだろう。卓を牽引できるのならそもそも不要なギミックだ。
 全除去後の攻め手を常に意識し、強みとして運用してこそ勝利につながることを忘れてはならない。


 基本的なプレイングは、タイミングを見て全除去でアドをとりつつ、引いたリソースを大切に使って勝利を手繰り寄せていくものだ。
 色的にも動き的にも、複数の作業を同時にこなすことはできない。まずはいずれかに特化して動こう

 装備を引いたなら最速で動き許されるだけ殴っておこう。”殴りジェネラル”の戦術に乗っ取り、終盤競り合いになりそうな相手を予測して爪痕を残すためだ。終盤相手が『オケチラ』を通せない状況を目指そう

 明滅クリを引けたなら即出しせず、まず可能な限りマナを伸ばそう。1番豪快な動きができる楽しいゲームになる。攻め時に一気に展開し、プレッシャーをかけ続けて押し切ろう

 アド源を引いたなら、引き籠もって怒られるまでアドを稼ぎ続けよう。マナがしっかり伸びるだけで、全除去後のリカバリー速度に差が出てくる。パーツを引ければさらに選択肢が広がっていくだろう。
 キーパーツを流されるとリカバリーは厳しい。大切なものは必ず手元に残しておくこと

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 動きの起点に全除去を据えているわけだが、本デッキはしっかり自分のリソースも流れる。つらい。
 さらに言えば、こちらが全除去を唱えたターンに展開された攻め手を超える速度は出ない。いつまでも追いかける展開を強いられる。つらい。
 そんな中、全除去を強みとして運用するため意識している点をまとめておく。

 本デッキの全除去は、”時間稼ぎ”と”攻めの起点”の2種類がある。いずれもどこまで自分のリソースを吐き出すのか、よーく考えてプレイしよう。


 序盤は大抵間に合わないため全除去を”打たされる”。しかしこいつは挨拶みたいなもの、相手もケアして動いて来るためまず致命傷とはいかない。これは完全に時間稼ぎの全除去だ。
 相手が嫌がって展開を渋るならしめたものだ。”いつでも流せる”状態でじわじわ戦おう。

 中盤の全除去でリソースを吐ききってはいけない。膠着状態に戻るのは仕方が無いと割り切って、誰かに統率者ダメージを通すことに注視しよう。
 しかしそれをするだけでも注意がいる。切削では流したターンに『オケチラ』を再キャストできることはまず無い。つまり速攻がつかなければ攻撃できるのは2ターン後だ。回避能力をつける手立てを必ず用意しておこう。
 (中盤全除去が1枚しかないなら温存しよう。攻めの起点に必要だ。)

 終盤はなんとしても全除去後攻めきりたい。全除去から数ターン後の勝ちまで十分に計画を立てよう。同時に全力投球で勝てるよう、対戦相手には十分に減速してもらわねばならない。
 よっぽどのことがなければライフかリソースが全員心許ないはず・・・。自分はアーティファクトを展開してもう1度流すぐらいの気概で相手を減速させ、最適な動きで必要なだけの打点を展開しよう。
 
 攻めの全除去を使いこなし、白単EDHで勝利を掴もう!!

追記:統率者で詰め切るなら”ピン除去”も高相性だ。バランスを見て2枚ほど差し替えることをおすすめするぞ。

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シナジーカード・おすすめカード

○月皇の司令官、オドリック/Odric, Lunarch Marshal

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 こいつは『永遠神オケチラ』超好相性のフィニッシュカードだ。(4/4の軍勢がいれば・・・)
 第1メインに唱えるだけで、コントロールする全てのクリーチャーに警戒&二段攻撃が付与される。飛行クリーチャーがいたり、突破力のある装備があればさらに強化される。
 適度なサイズ、互いのキーワード能力がちょうど良くかみ合うベストシナジーカードだろう。



○世界を鎮める者/World Queller

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 あまり白らしくない能力を持つゼンディカーのアバター。コントローラーはタイプを選ぶだけで良い点が意味分からない。布告である点が非常に強力な、白をタッチしているデッキで悪いことしそうなやつ。
 トークンを生成できるなら毎ターンクリーチャー布告になるし、そうでなくても自分の戦場に無いパーマネントを指定し続ければ良い。身を削れば万能除去にもなる。非常に目障りなので除去をしっかり吸ってくれることだろう。


○速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals

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 個人的にかなりカードパワーが高いと思っている1枚。
 飛行は最強と言っても良い回避能力であり、そこに速攻まで付けばその奇襲性は計り知れない。こういった装備で飛行を付与したい場合、同じぐらい速攻がほしいことが多いのではないだろうか。
 そのへんのクリーチャーにつくだけでも非常に困る、あらゆるデッキで活躍できそうな1枚だ。


○遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant

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 実はこいつを使いたくて本デッキを作った。
 チャンプブロック要員を生成でき、飛行を付与しながら+3/+3も強化できる。能力が自己完結しており構築でも実績のあるPWだ。MEDのイラストが超かっこいい
 +3/+3と飛行を付与すればどんなクリーチャーもフィニッシャーに化ける。一時的な強化であるため警戒がほしいところ。
 『オケチラ』であれば対戦相手に余命宣告することができる『オケチラ』をどかすか、全力で『エルズペス』を落とさなければ次のターンには統率者ダメージで敗北するだろう。
 4/4警戒で可能なかぎり長生きさせてあげよう。

 余談だが最強装備はやっぱり『生体融合外骨格』だ。ピッタリ1パンになるので”ここぞ”という場面で繰り出そう。

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○解体の波/Dismantling Wave

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 統率者戦での効率を重視した1枚。サイクリングの全破壊も心強い。
 この手のカードは布告が多いが、本カードはしっかり選んで破壊できる上、対戦相手のみに影響する。『ヘリカスの介入』(ヘリオッドの介入)に次ぐ置物除去だ。
 妨害を重視するならおすすめだ。


○おまけ:トークン戦術するなら
 『白たてがみのライオン』全力で探す戦術もありだ。

 最強は『護衛募集員』なわけだが5000円では到底入らない。白は伝説かエンチャか装備か1マナクリしか探せないため、真面目に無色のサーチカードを搭載しよう。
 『ライオン』が軽量であるため『シタヌールのフルート』なら7マナでサーチできる。次点で効率が良いのは『飛翔艦ウェザーライト』だ。8マナ用意し優先権を渡さず手札に入れよう。
 残りのスペースには白のカードパワーが高いクリーチャーを上から採用していこう。クリーチャーで攻撃できる分、全除去よりも勝ちに近づくことができるだろう。

 私は『悪夢の声、ブリセラ』デッキを愛用している。
 マナを十二分に伸ばしキーパーツを全力サーチする形のほうが『オケチラ』は強い気もしたが、コンセプトが完全に被るため今回は避けてデッキを作った経緯がある
 さすがにそこまですればやりたい動きはできるようになる。加えてマナは正義だ。多くて困ることは無い。
 最強の『オケチラ』を模索するなら、ぜひサーチ型も試してみてほしい。4/4ゾンビの軍勢で対戦相手を蹂躙できるだろう。

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おわりに

 記事がネガティブな雰囲気になってしまった事をまずはお詫びしたい。

 私はデッキリストを見るたび「どんなこと考えてこのカードを採用したんだろう」と気になっていたため、そのへんを可能な限り言語化するよう心がけている
(結果リスト込み7000文字ぐらい読ませている皆さんにこの場をお借りしてお詫び申し上げます・・・)
 考察の共有に価値があると思っての内容だと思ってもらえると幸いだ。

 白単が他の色と比較して劣っている点が多いのは否定し難い要素だが、全除去をはじめとした足止め系カードの性能が随一であることもまた事実だろう。
 こういうデッキは、最終的には長く遊んで調整し続けるしかないと思う。

 EDHのバランス調整は非常に難しいが、同じデッキを長く使い込むと、カード1枚1枚の強みや相性が見えてくる。唱えた時の、デッキとのシナジーや盤面に対する影響力の目安が定まってくるのだ。
 ”もたついた原因”を精査すれば不要なギミックが見えてくるし、”終盤苦しかった点”を分析すれば足りない要素が浮き彫りになる。
 そしてある時「これ以上の形は無い!」と思える瞬間が来る。

 納得のいく形に仕上がった時の感動はひとしおだ。私は全部ピカピカにしてしまうぐらいうれしかった
 
 勝敗のあるゲームなのだから厳密には「強いデッキ」「弱いデッキ」があって当たり前だ。しかしそれだけでは語り切れないからこそ、数多のデッキがEDHには存在しているんだと思う。

 好きなデッキを長く愛用して、ぜひこだわりのデッキに仕上げてほしい。

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