【EDH】交渉?押し貸しして破産させるんだよ!! 5KEDH やり手の交渉人、ヴァジ
ひどいタイトルですまない。
「いったい何をしでかす気なんだ」と来てくれた諸君は、『やり手の交渉人、ヴァジ』という統率者を覚えているだろうか?
彼女は「ニューカペナの街角統率者デッキ」に登場したジャンドの人間・アドバイザーだ。その能力はなんと、対戦相手に宝物をプレゼントし、宝物が使用されたら見返りを得るというもの。
さぁ諸君、どうすればヴァジらしい個性的なデッキに仕上がるだろうか?
「いやwこれはムリでしょwww」とネタにしていた所を「えっ?組まないの?」と煽られた結果、「やってやろうじゃねぇか!!」と”ヴァジならではの交渉デッキ構築”の火ぶたが切って落とされた。
なんとしてもヴァジを生かしてやるとカードプルの淵の淵まで掻き漁り、ついには『ヴァジ』を使った専用コンボまでひねり出す!
結果、交渉を殴り捨て”押し貸し闇金融”と化したヴァジの、度肝を抜くコンボたちをとくとご覧あれ!!
5KEDHやり手の交渉人、ヴァジ(2023.2)
▼宝物供給
【統率者】
13円《やり手の交渉人、ヴァジ/Vazi, Keen Negotiator》
【コンボパーツ】16枚
30円《オーガの戦駆り/Ogre Battledriver》☆
100円《憤怒/Anger》
300円《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
50円《苦々しい再会/Bitter Reunion》
40円《天光を求める者/Seeker of Skybreak》
110円《幻術師の篭手/Illusionist's Bracers》
80円《アルゴスの古老/Argothian Elder》
280円《イス卿の迷路/Maze of Ith》
200円《ワイアウッドの番小屋/Wirewood Lodge》
50円《無愛想なアナグマザウルス/Surly Badgersaur》▼
9円《土地守/Groundskeeper》
10円《スカージの使い魔/Skirge Familiar》
304円《パルンズの剣/Sword of the Paruns》☆
250円《富の享楽/Revel in Riches》☆
140円《棘噛みの杖/Thornbite Staff》☆
40円《ティタニアの歌/Titania's Song》★
【フィニッシャー】9枚
10円《大火槌の放火魔/Pyre-Sledge Arsonist》★
80円《サルディアの報復者/Sardian Avenger》★
60円《電結の破壊者/Arcbound Crusher》★
30円《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》
49円《波乱の悪魔/Mayhem Devil》
20円《鼠の守護神/Patron of the Nezumi》
10円《焦熱団のユルロック/Yurlok of Scorch Thrash》
100円《汚損破/Vandalblast》
32円《古代ルーン文字/Ancient Runes》★
【妨害】4枚
48円《無謀な挑戦/Reckless Endeavor》★
50円《殺人報酬/Blood Money》★
20円《冒涜の行動/Blasphemous Act》
10円《自然開放/Crack Open》▼
【サーチ】13枚
80円《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
390円《呼応した呼集/Shared Summons》
280円《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
22円《魔性の教示者/Diabolic Tutor》
30円《ジャラドの命令/Jarad's Orders》
70円《最後の別れ/Final Parting》
300円《闇の誓願/Dark Petition》
10円《切望の報奨/Coveted Prize》
70円《悪魔の談合/Demonic Collusion》
10円《ラザケシュの儀式/Razaketh's Rite》
30円《高まる野心/Increasing Ambition》
40円《来世の警告/Behold the Beyond》
70円《ギックスの残虐/The Cruelty of Gix》
【アド】9枚
10円《ドラゴン魔道士/Dragon Mage》
83円《輪の大魔術師/Magus of the Wheel》
180円《災難の輪/Wheel of Misfortune》
7円《海賊の略奪/Pirate's Pillage》▼
15円《大勝ち/Big Score》▼
20円《予想外の授かり物/Unexpected Windfall》▼
80円《ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation》
7円《永久の証人/Timeless Witness》
70円《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》
【マナ加速】16枚
23円《闇市場の巨頭/Black Market Tycoon》▼
7円《行進するデュオドロン/Marching Duodrone》▼
10円《煌き売り/Glittermonger》▼
10円《耕作/Cultivate》
20円《木霊の手の内/Kodama's Reach》
10円《灰からの成長/Grow from the Ashes》
45円《スカイシュラウドの要求/Skyshroud Claim》
7円《爆発的植生/Explosive Vegetation》
50円《迂回路/Circuitous Route》
10円《移動経路/Migration Path》
7円《巨森の波動/Vastwood Surge》
100円《太陽の指輪/Sol Ring》
24円《繁茂/Wild Growth》
27円《肥沃な大地/Fertile Ground》
100円《狼柳の安息所/Wolfwillow Haven》
20円《はびこり/Overgrowth》
【土地】32枚
7円《統率の塔/Command Tower》
7円《祖先の道/Path of Ancestry》
20円《野蛮な地/Savage Lands》
《森/Forest》13枚
《山/Mountain》8枚
《沼/Swamp》8枚
4895円
http://www.magic-factory.net/file/cf321551/?mode=price
ヴァジの本性を暴く旅
まず、『ヴァジ』がやり手の交渉人ではなかった話から始めよう。
「ヴァジが重い」とか「この能力で自己完結してない」とか「複数マナでも1回かよ」とか「抜け道多すぎでは?」とかいうもろもろは一旦置いておくとして、『ヴァジ』が交渉の結果もたらすメリットについて考えた。
宝物から出たマナを使うと、+1/+1カウンター&1ドロー。この効果を対戦相手が目の当たりにしたとき何を思うだろうか?
そう、「ドロー与えたくはねぇな。」である。
これが『ヴァジ』最大の課題であった。
「いっそ+1/+1カウンターだけで良かった」とさえ思う。
EDHにおいて”アドを稼ぐ”行為は”最強の動き”と言って良い。1ドローという恩恵は、抜け道があり、かつ”無くてもなんとかなるもの”を使ってまで差し出すものではなかった。
よくよく読むと、『ヴァジ』は宝物を与えて、利用があったらしめしめと利子を取るだけの存在である。
交渉はプレイヤーに丸投げされているのだ!
再序盤以外で、「対戦相手にアドを与えてでもマナがほしい!」と思わせることはできなかった。
となるとアプローチは変わってくる。
まず思いつくのは「相対的に宝物の価値を高めてしまう」方法だ。
ランデスや妨害パーマネントといった環境破壊によってマナを縛り、強制的にマナを絞ることで、宝物を使わせる手口が考えられる。
そして私は早々にこの方法を諦めた。
「絞ってるのに与える矛盾」とか「勝ち手段は別で必要」とか「そのヘイトに耐えられるのか」とか「絞りながら自分はどんだけのことをしなきゃなならんのだ・・・」とか理由はいくらでもあるのだが、1番の理由は「結局『ヴァジ』が空気になりそう・・・」と思ったためだ。
「マナを絞れて、自分だけ宝物を送るだけの動きができるなら、そのまま勝てよ・・・。」という心の声を無視することができなかった。
だってそうだろう?!!絶対与えたマナで出てきたクリーチャーに殴り殺されるって!!
『ヴァジ』構築の旅は暗礁に乗り上げたかに見えた。
既に”まとも”なデッキにすることを半ば諦めていた私は、『ヴァジ』の対価には期待せず、その”押し貸し能力”に着目していた。
タップで対戦相手に宝物を出す事ができるのだから、無限にパタパタすれば、対戦相手に無限宝物を押し貸しすることができるのでは?!
相手に無限宝物を使わせても呪文や能力の数しかドローはできない。ならばいっそ宝物を起動できなくしたり、放置していてもまずい状況に追い込めば?!!!
『ヴァジ』が押し貸し闇金になった瞬間である。
デッキコンセプト
というわけで、本デッキには『ヴァジ』ならではと思われるおかしなコンボが”思いついただけ”入っている。
いずれも『ヴァジ』が対戦相手に宝物を送って勝つコンボだ。
自分の戦場に無限に宝物が出てしまっては『ヴァジ』が不要になってしまう。それではいけない!!
『ヴァジ』を使うこだわりも、もちろん忘れていない。
さすがに遊んでいてパーツが多すぎて辛かったので、本当はどれかに絞った方が良いと思うw
というわけで本デッキは、コンボパーツを堂々と出して辛くなったらブロッカーにしたり巻き込んで流したりしながらリソースを集め、いずれかのコンボで大量に押し貸し対戦相手を破産させるデッキだ。
順に紹介する。
①ヴァジを無限にパタパタさせよう!
『ヴァジ』は1個でも宝物を確認すれば、タップするたびに宝物を対戦相手に送りつけ続けることができる。
「そんな湯水のように湧いて出た宝物がまともなわけないのに・・・」と思いきや”至ってまともな宝物”なのが、『ヴァジ』が有能なんだか無能なんだか分からない所。
『天光を求める者』に『幻術師の篭手』を装備させる手は有名だ。マナクリがいれば無限マナも用意できる。
他に『イス卿の迷路』&『ワイアウッドの番小屋』&『アルゴスの古老』で、”戦闘フェイズ限定”無限マナ&無限アンタップだ。
土地から緑2マナ出れば『番小屋』と『古老』だけでも無限マナを出す事が可能だ。
②無限に宝物が出ていれば良いのだろう?
『ヴァジ』は「このターンに生成された数」の宝物を送り付けるため、無限に宝物が出ていれば無限の宝物を一度に押し貸しできる。
「なんだよ無限マナかよ」と思ったそこのあなた。安心してほしい。『ヴァジ』のコンボはいつだって”対戦相手だけ無限マナ”だ。
本デッキ独特なのが『土地守』&『スカージの使い魔』&『無愛想なアナグマザウルス』の無限ループ。
クリーチャーが酔っていても成立する点がうれしい。
ん?総マナコストがなんだって?
『スカージの使い魔』はいつだって頼れるブロッカーだったさ!
ちなみに無限に宝物がサクれていると『大火槌の放火魔』で無限ダメージを飛ばすことができる。
大切な勝ち手段の一つだ。
③ヴァジ専用コンボよ!!
やっぱり『ヴァジ』でしかできないコンボで度肝を抜きたい!
そう考えた私は宝物関係のカードと、アーティファクト関係のカードを隅々まで漁りきった。
そして私は『ヴァジ』救済の地、アンティキティーにたどり着いた。
元祖兄弟戦争の地、そこにはアーティファクトをメタったりアーティファクトを強化したりするとんでもカードで溢れていた。
このアンティキティーを発祥とする全体影響エンチャントの存在をJ氏が教えてくれたことで、私は『ヴァジ』専用コンボにたどり着いた。
そのカードはこれだ。
ティタニアの名を関するこのカードが戦場に出た瞬間、全ての宝物は0/0クリーチャーとなって即座に爆散する。
普通なら、事前に出ていたものはキャスト対応で対処され、後から出すファクトはこれをケアして動くことになるが、『ヴァジ』なら対戦相手の戦場で強制的にクリーチャーを殺す事ができるのだ!
そして!!
『ヴァジ』に『棘噛みの杖』を装備させておくことで、なんと無限に対戦相手の戦場でクリーチャーを死亡させることが可能となるのだ!!
まだ終わらない!
「対戦相手の戦場でクリーチャーが死亡するたび」どこかで聞いた言い回しだ。そう、『富の享楽』があるじゃないか!!
でもこのままだと私の戦場に出た宝物クリーチャー君が死んでしまう!
コンボパーツにもなって、宝物君達にイイ感じにタフネスを与えることができれば・・・そうだ!
だから、タフネスが上がる『パルンズの剣』じゃなきゃいけなかったんですね!!
「次のアップキープまで待てないよ!!」というせっかちな方や、「これ・・・宝物酔ってるからマナ出なくね?」と思った賢い方、安心してほしい!!!
『オーガの戦駆り』が揃うことで全て解決さ!!!
正気な人は『棘噛みの杖』で止まるだろうが、残念ながら正気な人は『ヴァジ』を組もうと思わないため、このデッキの勝ち筋は御覧の通りだ。
自分の戦場で無限に宝物が死に、最終的に2/2宝物トークンの大群にひき潰されれば、対戦相手の度肝を抜くには十分すぎると言えるのではなかろうか?
なおこのコンボが決まったことは無い模様。
フィニッシュ手段
コンボ紹介のラストは置いておくとして、本デッキは「対戦相手に押し貸し」した後「宝物が原因で破産」してもらわねばならない。
その方法は至って単純。
「ファクトをサクるとダメージを与える」パーマネントと「ファクトの数だけダメージを与える」パーマネントを揃えることだ。
前者は『大霊堂の信奉者』を始め多数存在する。
後者の「ファクトの数だけダメージ」だが、なんとそんな都合の良いものが存在した。
なんと『ヴァジ』は宝物に『古代ルーン文字』を刻んでいたのだ!!
よく意味がわからんがそういうことらしい。
普通に使ってもなかなか侮れないダメージを出しそうな能力がなんと3マナで得られるのでぜひみんなも試してみてほしい。
自分の戦場には宝物が出ない『ヴァジ』とも相性が良く、これこそ『ヴァジ』でしかできない勝ち手段と言えるだろう。
『ヴァジ』なら『磁力地雷』が置いてあったとしても勝つことが可能なのさ!!(リストに無い理由は・・・察してほしいな)
『古代ルーン文字』以外だと、「ファクト全除去」+「マナバーンさせるカード」を追加でそろえる必要がある。
ジャンドには『ユルロック』パイセンが生息しているため、彼にご登場願おう。
本デッキのとっても面白い点は、ここまでしてまた勝ちとは限らない点だろう。
『大霊堂の信奉者』と『古代ルーン文字』を揃えた場合、ライフ数分のマナだけ暴れる猶予が与えられる。
対戦相手の、押し付けられたマナで繰り出す”身を削る大博打”を見るために、本デッキを作ったと言っても過言ではないのだ。(過言)
おすすめカード・押されカード
〇無謀な挑戦/Reckless Endeavor
フォーゴトン・レルム探訪統率者デッキの挑戦サイクル。
ダイスによる上振れはゲームを変えうるポテンシャルを秘めている。
火力はともかく、宝物を12面分出すのはやりすぎ。
手札をたっぷり蓄えて撃てば大抵ひっくり返すことが可能。
6面でも出ないような数字を出してしまった時は、潔く嗤笑を受け入れよう。
〇殺人報酬/Blood Money
宝物も出す全体除去。
ちゃんと宝物はタップ状態で出る。
全除去ターンは何もしないと割り切って、その後の大きなムーブを重視した1枚。宝物が出る量を概ね予測できるため、リターンの度合を見て温存や使用の判断ができる点も強い。
統率者のコストが重いデッキ等で活躍が見込めるかもしれない。
重いだけあるカード。
〇サルディアの報復者/Sardian Avenger
対戦相手のファクト数を参照し、対戦相手のファクト生贄を咎めるゴブリン。『ヴァジ』のためのカードか???
割と真面目に、EDHではえげつない火力を叩き出してくれる。
加えてキーワード能力が優秀で強く当たれる。けっこう強いぞ。
『ヴァジ』なら火力を上げ放題(大ウソ)なうえにマナ化も咎めることができるので真面目にフィニッシャーになる。
やっぱり『ヴァジ』のためのカードじゃないか!
〇電結の破壊者/Arcbound Crusher
ファクトが出るたび+1/+1カウンターが乗るダークスティールの巨大戦車。プレイヤーを問わず誘発する。加えてトランプルと接合を持つ。
結果、酔っていなければ『ヴァジ』で無限に宝物を送った後無限パワーで殴って退場させることが可能なのだ!!
相手はインスタントタイミングでしか無限マナを使うことができない!
加えてマナに変えても巨大戦車のパワーは変わらない!!
押し貸し『ヴァジ』専用のフィニッシャ-第2段というわけだ!
ファクトをガシャガシャするカジュアルデッキにいかがだろうか?
おわりに
久々にぶっとんだデッキを紹介することができて私は大変満足だ。
統率者を重視してデッキを考察することで、シナジー重視のさまざまなゲテモノカードをみつけることができる。そしてこれらを採用してもまぁまぁ許されるカジュアルEDHはやっぱりたのしい。
今後も個性を爆発させたデッキを紹介していきたいと思う。
余談だが『ヴァジ』にはいくつか天敵が存在するため、注意してほしい。
『ヴァジ』の能力はよく読むと、対戦相手を対象とし、対戦相手に宝物を出させている。
結果、『ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ』がいると送った宝物は勝手に犬猫に変わり、『リスの将軍、サワギバ』がいれば送った宝物の数だけリスが寄ってくる。
『ジニー・フェイ』は、ほぼ『ヴァジ』と同時にデビューし、『サワギバ』も少し遅れて別メンバーが引っ提げて来たため、卓は気づけば『ヴァジ』ガンメタ環境と化していた。
思わぬ天敵に大変苦労したのも、本デッキ構築時の思い出だw
(勝つには都合よくジェネラルをどかすか、宝物ロンダリングをしてこない相手に融資し、おススメで紹介したカード等でリターンを得るしかない)
当初考えていた、「卓のあちこちに支援して場をひっかき回す」ようなデッキには残念ながらできなかったが、当然私がそうできなかっただけで、世の中には存在する事だろう。
上記のリストも1構築案でしかない。
なかなか発見できない『ヴァジ』のデッキリストだが、こういう統率者こそ、自由な発想でどんな遊び方も可能な統率者だ。
今後もいろんな『ヴァジ』が統率者戦で活躍することを願っている。
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