絶望を抱えながら希望を語る

 23歳、独身。二流大学の文学部を経て中学校国語科、2年目常勤講師。彼女に振られ、失恋を引き摺り中。どうしようもなく辛い。絶望の渦中にいる中で、朝の会では希望を語る。生徒に申し訳なくなってくる。明るい表情で、朝の会は振舞う。当然ながら心の中では、地獄だ。もう死にたい。何もかも嫌だ。笑っている両親を見ると、この人たちは、幸せそうで何よりだと思う。もちろん彼らは辛い時もある。その時はだいたい僕も辛いので寄り添ってあげられる。嘘の笑いを作ることももう限界だ。最近では何を食べても、おいしく感じることがない。はあ。他の人から見れば恵まれた人生だと、そう言ってくれる人もいるだろう。だけど、何かがダメだ。ダメなままもがいている。基本的に後ろ向きな性格なので、辛いときは酒を飲んで忘れる。毎日飲む。たまに意識を飛ばして朝6時には起きる。また今日も仕事。信頼、というか尊敬できる職場の人がいない。僕の中で、家族にも、職場にも、僕を理解してくれる人はいない。今年も採用試験は受からないだろう。きつい。精神的に。人生が袋小路に入ったみたいだ。世の中の23歳以上の人はどうやって生き抜いてきたんだろう。やっぱり耐え忍ぶしかないのかな。いっそ死んだ方が楽だと思いながら、死ぬ勇気もないので、生き地獄だ。「生きてりゃいいことあるさ」って誰が言ったんだろう。ふざけんなよ。そんな人生じゃなかった。ずっと挫折してきた。僕はどう変化するべきなんだろう。どのように生きていけばいいんだろう。どうすればいいんだ。「今頑張れば、絶対未来に生きてくる」って生徒には言うけど、今頑張っても、これまで頑張ってきても、何にもうまくいかないや。もちろん、前向きになろうと努力はした。アクティブになろうとしたし、その時はすごく充実していた。でも根本的に、僕は前向きな性格じゃない。途中で馬鹿らしくなって、何もしたくなくなってくる。日常の発見が、自分が思うような、目から鱗のような発見がない。いや、発見しているのかもしれないが、その程度の発見を僕は発見と呼ばない。結局どうしたいんだ、何を伝えたいんだということさえ、今の僕にはわからない。が、ただ、こんな残念な人がいて、馬鹿だなあと後ろ指をさしてくれればいい。僕はこの媒体に愚痴をこぼしているだけだから。頑張るのに飽きた。疲れた。

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