教員が理想とする学生のモチベーションと学生が見る学生のモチベーションには大きな乖離がある

僕は大学に入ってからクラス代表として学生から集めた意見を共有し教員と意見交換をした経験がある。そしてつい最近卒業研究発表会の司会もやってみた。オープンキャンパスの学生スタッフもやったことがある。その中で感じた違和感について記述する。(特定の個人を批判するものではありません)

講義アンケートについて

講義の内容が被っている、等の意見が学生から寄せられたため、ある会議でそれを報告したところ、なぜ講義終了後の利用できる学内ツールを利用したアンケートに答えず、この場で主張するのか?と指摘された。(アンケートの回答率が著しく低いらしい)
確かに、それは正しく、理想的である。その場で指摘したほうが講師としても修正しやすいし、学生側の記憶もはっきりしていて、正しく伝えることが出来るからだ。
しかし現実はどうだろう、一部の真面目な学生を除いて、大半の学生はアンケートに回答しない。なぜなら、落単して同じ講義をもう一度履修しない限り、来年の講義に自分は存在しないのでフィードバックすることで得られるリターンがなく、しかもそのアンケート結果が生かされているという実感がないからだ。これは自分の所属する学類は基本的に単位を落とさない講義がほとんどであるというのも理由の一つだろう。理工など、必修で落単者が多い講義などが存在する学類では指摘が上がっているのをSNS等でよく観測する。
以上のような理由もあるにはあるだろうが、一番は、「めんどくさい」ということだろう。回答義務もないので、僕も正直なところ、単位取得のために受講してそこまで興味がなく、内容も面白くなかった講義には回答しない。(面白くなくても、僕は10回出席する)逆に面白かった講義には感謝の意を込めて回答する。

だから、学生によるアンケートを利用して改善する気があるのなら、出席にコメントシートを採用するとか、テストやレポートに講義のフィードバックを書くことを求める、コメントを受けて改善した部分を示すなどの手法を取らないとアンケートの回答者は増えないですよと伝えたところ、あまり理解してもらえなかった。

確かに上記の教員のいうことは正しく、そうすべきである。しかし現実はそうなっていない。教員もアンケートの回答が少ないと嘆きつつ、アンケートの回答が増えたり、その効果が可視化されるような手段を取らないのなら、そもそも学生の声など聴く必要もない どうせそこまで重要視してないでしょう?と見えてしまう。講義によってはそこら辺を考えて対策を講じる先生もいるけど。

卒業研究発表会について

去年参加したときに、聴衆からの質問が出ない際に司会から出るあり得ない質問(この研究で大変だったところは・・?など)に驚愕していたが、どうやらそれは台本に書いてあったらしい。自分だったら、そんな質問をするのはむしろ発表者に失礼であるため、台本に従わないし、実際今年司会として参加した卒業研究発表会では、的外れだったり、無知な質問だったかもしれないが事前に要旨を読み、発表を聞き質問を考えた。でも、実際のところ、先に記した失礼な質問に違和感を持たない人間も実際いて去年の事象が発生しているし、どうやら今年もいたらしい。
このような状況で、教員たちはよく活発に質問が出る環境を作りたいから想定質問を禁止するという手段が取れるな と感じた。確かに、専門家が集まる学会ではサクラ質問は良くないし、学生に積極的に質問して参加してほしいというのはわかる。しかし現実はそれなりに意欲があるはずの司会者ですらこうで、そのような失礼な質問に疑問を持たないなら、司会はどうせ聴衆からの質問がないときに質問するのだから、想定質問もありなのではないか?(一般聴衆に紛れてサクラ質問をするのは良くないとは思う)
スケジュール的に仕方ないかもしれないが、あまりにも質問時間が短く、教員もいるのに、時間を浪費すること、無知を晒すことを恐れて質問しないということがありそうなので、どうにかならないかな、とは思っている。

言いたいこと

以上のように、教員が思う理想(実際僕もそうあるべきだと思うし、なるべく努力はしてる)と、学生の現実は乖離している。教員が要求する学生の姿をダウングレードするのはそれはそれでよくないし、高校生ではなく、大学生なんだから自分で考えろよ というのも十分理解できる。それに、学生側にも十分非はあると思う。でも、上記の二つの例から、講義内容を改善しよう、発表会の質問をもっと活発にしようと言いつつ、具体的な策を取らないのは、教育機関として本当にそれらを実現する気があるのかを疑ってしまう。意味のないポーズなら時間の無駄でしかない。まあ先生方も忙しいだろうし、大学本部と学生の間で板挟みになってるだろうというのは想像できる。
でも、それらを理解してちゃんとやろうという気のある学生もいるし、自分もそっち側に含まれるようになるくらいには頑張っていたい




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